2021年1月4日2021年12月23日資産運用
投資はいくらから始められる?少額投資ができる種類とメリット・デメリット
株式投資やNISAといった投資に興味はあるものの、いくらから始められるのか分からないという方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、投資の種類別の予算や予算ごとのメリット・デメリットを紹介します。ポイントを押さえてから投資を始めれば、無理のない投資ができるでしょう。また、いくらから確定申告が必要かについても解説します。
目次
投資はいくらから始められるのか?種類別に解説
投資にはさまざまな種類があり、それぞれ必要な資金は異なります。ここでは、「株式投資」「投資信託」「つみたてNISA」「iDeCo」という4つの投資方法について見てみましょう。種類別にいくらから始められるのかを解説します。
株式投資の場合
株式投資には「現物取引」と「信用取引」があります。ここでは、より一般的な現物取引について解説しましょう。
株式の購入価格は「株価×株数+手数料」で決まります。株式は「単元株」と呼ばれる売買単位で取引されますが、2018年10月から単元株数は100株に統一され、100株セットで買うのが基本です。ただし、証券会社によっては、銘柄ごとに決まっている最低売買単位に満たない「単元未満株」も購入できます。
株式投資を始めるのに必要な額の目安は約10万円です。株価は企業ごとに異なるため、最低投資額にも差が出ますが、10万円あれば手数料を考慮した上で東証一部の多くの銘柄が買えるでしょう。
他にも、10株単位で購入できる「株式ミニ投資」や毎月一定額ずつ同じ銘柄を購入する「株式累積投資」もあります。どちらも1万円程度から始められるので、10万円の予算の捻出が難しい方におすすめです。
投資信託の場合
投資家から集めた資金を投資のプロが株式や債券に投資して運用するのが投資信託です。運用で得た利益が分配されることよって、投資家は利益を得られます。投資信託の取引単位は「口」、売買の単位は「基準価額」です。
投資信託は株式投資と比較すると、より少額から始められます。100円から購入できるものもありますが、販売会社や条件によって申し込みの最低金額は異なるため、1万円程度は必要と考えましょう。
つみたてNISAの場合
つみたてNISAとは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するために国が設けた制度です。国が指定した投資信託に投資することで、購入した年から数えて20年間、毎年40万円の投資額に対する運用益が非課税となります。税制改正で投資期間の延長が決定し、2042年(令和24年)までに口座を開設すれば、長期の非課税の積立投資に参加可能です。
つみたてNISAは数千円程度から始められます。中には100円から投資できるところもあり、投資初心者にも有益な制度です。
iDeCoの場合
iDeCoとは、確定拠出年金法に基づいて実施されている個人型確定拠出年金のことです。毎月一定額を掛け金とし、60歳を超えてから掛け金と運用益を受け取れます。「運用益が非課税」「掛け金が所得税の控除対象」といった税制上の優遇が受けられる点もメリットです。月々の掛け金は最低5,000円で、1,000円刻みで金額が決められます。
現在、iDeCoに加入できるのは60歳未満です。しかし、2022年5月以降は、国民年金被保険者であれば65歳まで加入できるようになります。
少ない予算で投資を始めるメリット・デメリット
投資を始めるなら、まずは少額から始めたいと考える方もいるでしょう。国が少額投資を推奨していることもあり、税制上のメリットがある反面、利益を得るのに時間がかかる点がデメリットです。ここでは、少額投資のメリットとデメリットを紹介します。
【メリット1】初心者でも始めやすいのが魅力
少額なら初心者でも気軽に投資を始められます。最初から100万円を投資するのは勇気がいりますが、10万円ならチャレンジしたいと思う方もいるでしょう。また、リスクが少ない点もメリットです。万が一、投資した株式が暴落しても損失を少なく抑えられます。少額投資は投資のノウハウを身につけるのに適しているでしょう。
【メリット2】税制上の優遇が受けられることも
投資で得た利益には、20.315%の税金が課せられます。ただし、つみたてNISAやiDeCoは税制上の優遇があり、一定額までは非課税で運用が可能です。非課税対象を以下の表にまとめました。
つみたてNISA |
長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託。 |
---|---|
iDeCo | 元本確保型商品や運営管理機関が選定する投資信託の運用益 |
つみたてNISAの非課税枠上限は年間40万円で、最長20年間です。iDeCoの場合、第1号・第2号被保険者など、加入資格ごとに非課税となる掛け金の月額が異なります。どちらも投資した金額を所得控除として申告できるため、節税対策になるでしょう。
【デメリット1】利益を得るには時間がかかる
損失額が抑えられるというメリットがある反面、得られる利益が少ないのがデメリットです。例えば、保有する株式が大幅に値上がりしたとき、保有する株数が多ければ多いほど、利益も大きくなります。投資した額が少ないと、十分な利益を得るのに時間がかかることを覚えておきましょう。
少額投資の目的は大きな利益を得ることではありません。投資の知識を増やし、経験を積むことを目的にするとよいでしょう。
【デメリット2】手数料が割高になる
少額投資は手数料が割高になる傾向があります。投資で利益が出ても手数料を差し引くとマイナスになることもあり得るでしょう。また、利益を引き出す際にも手数料はかかるため、注意が必要です。
ただし、投資した商品を長く持ち続ければ、投資した金額に対する手数料の負担率は下がります。少額投資の場合はすぐに売却せず、長期的な運用を考えましょう。
多額の予算で投資を始めるメリット・デメリット
まとまった資金がある場合、全てを投資したいと考える方もいるでしょう。投資額が多額だと、大きなリターンが期待できる反面、リスクが増えます。リスクヘッジとして分散投資を取り入れる場合、管理の手間が増えるので注意が必要です。ここでは、多額の予算で投資を始めるメリットとデメリットを紹介します。
【メリット1】リターンが大きい
初期投資額が多額なら、投資で得られる利益も大きくなります。例えば、年利10%の商品に投資するとしましょう。10万円を投資すると1万円の利益が得られるのに対し、投資額が100万円だと利益は10万円で、差額は9万円です。少額投資では利益を得るのに時間がかかりますが、多額投資なら短期間でまとまった利益を得ることが可能です。
また、投資できる商品の幅も広がります。株式の銘柄の選択肢が増え、不動産投資のような多額の資金が必要な投資にもチャレンジできるでしょう。
【メリット2】分散投資ができる
多額の予算があれば、投資先を分散できます。株式投資の場合、予算が10万円だと限られた銘柄にしか投資できず、予算の全てをひとつの会社に託すことになるでしょう。
一方、予算が100万円あれば、複数の会社に振り分けて投資できます。一社の株価が下落して損失を出しても、他の銘柄から利益を得られれば、損害を補填できます。リスクヘッジのためにも分散投資はおすすめです。
【デメリット1】損害が大きい
投資に大金をかけた場合、利益は大きいものの、損害を被るリスクも高くなるので注意が必要です。投資方法にもよりますが、一点集中で多額の投資をした場合、損害額が大きくなる恐れがあります。
損害が出た際に生活に支障が出ることを避けるため、生活費と投資にかける資金は分けましょう。生活費以外の余剰資金で投資する姿勢が大切です。
【デメリット2】分散投資の管理に手間がかかる
リスクヘッジとして分散投資をすると、複数の投資について管理が必要になります。例えば、株式投資の場合、保有する銘柄全ての動向を把握しなければなりません。100株持っているA社の株が上昇し、200株所有しているB社の株が下落しているときには、売買について判断しなければならない場面もあるでしょう。
分散する先が増えれば増えるほど、管理に手間がかかります。自分で管理するのが不安な方は専門家に全て任せるのもひとつの方法です。
【投資を始めたいと思ったら】押さえておきたいポイント
投資にはリスクがつきものですが、いくつかの点に注意することでリスクを最小限に抑えられます。余剰資金を見直し、投資先の分散や長期的な運用計画を踏まえた上で、投資を始めましょう。ここでは、投資初心者が押さえておきたいポイントについて解説します。
余剰資金を運用する
投資には余剰資金を充てることが大切です。投資を始める前に、自分の資産状況を把握して投資に回せる予算を明確にしましょう。まずは今ある資産を3つに分類します。
- すぐに使うお金(食費や家賃といった生活費)
- 近い将来使うお金(教育費や住宅購入費)
- 現時点では使う予定のないお金
投資に回せる余剰資金は「現時点では使う予定のないお金」です。生活費を投資することは避けましょう。
3つの「分散」を意識する
投資によるリスクを抑えるために心掛けたいのが3つの「分散」です。分散には、資産の分散、地域の分散、時間の分散があります。
- 資産の分散……株式投資・不動産投資・保険といった複数種類に投資
- 地域の分散……国内株式・外国株式・新興国株式といった複数の地域に投資
- 時間の分散……複数回に分けて資金を投入する
さらに、どの投資先にいくら投資するかといった資産配分も大切です。時間の分散という意味では、積立投資も効果的といえるでしょう。
長期的な視点を持つ
投資を始める際には長期的な運用を視野に入れましょう。長期運用のほうが価格変動の影響を受けにくく、短期運用に比べて利益が出る傾向があります。また、投資の解約には手数料が必要です。保有する期間が長くなるほど手数料の負担率が下がり、運用コストを抑えられます。
長期保有している間は、定期的にポートフォリオを見直しましょう。ポートフォリオとは、投資する資産の組み合わせや内訳のことです。金融資産のバランスを見直すことでリスクが減るでしょう。
投資はいくらから確定申告が必要?
「投資を始めると、確定申告が必要なのでは」と気になっている方もいるでしょう。投資による利益には税金が課せられますが、申告することで得られるメリットもあります。納税の義務を果たすとともに、より効率的な投資方法について考えてみましょう。ここでは、投資で利益が出た場合、いくらから確定申告が必要になるかを解説します。
【基礎知識】投資と確定申告
投資によって一定以上の利益を得た場合、確定申告が必要です。年間を通して損失のほうが大きければ申告の義務はありません。ただし、申告することで損益通算や繰越控除ができるというメリットがあります。
利益が出た場合でも、開設する口座タイプによっては確定申告しなくても構いません。投資に利用する口座は主に「一般口座」「特定口座(源泉徴収なし)」「特定口座(源泉徴収あり)」に分けられます。
特定口座(源泉徴収あり)の場合、規定の税金が自動的に差し引かれるため、確定申告は必要ありません。また、つみたてNISA口座は年間40万円までの投資額に対する利益は非課税のため、確定申告は不要です。
【給与所得者】収益が20万円を超えた場合などに
給与所得者の場合、年間の利益が20万円を超えると確定申告が必要です。投資による利益には2種類あります。株式を売却して得た「譲渡所得」と、企業から得られる「配当所得」です。この2つの所得に対して、20.315%の税金が課せられます。
また、主な給与以外の給与とそれ以外の所得が20万円を超えている場合や給与所得が年間2,000万円を越えている場合にも確定申告は必要です。
【投資が本業の方・主婦・学生】基礎控除額を超えたときに
投資が本業の方や専業主婦、学生といった給与所得がない方でも、確定申告が必要なケースがあります。投資で得た利益が基礎控除額の38万円(令和2年度分からは48万円)を超えた場合には、確定申告が必要です。
同時に、主婦は配偶者控除、学生は扶養控除の対象から外れます。主婦の場合、95万円を超えると配偶者特別控除も減額となります。いずれの場合も、扶養する方の納税負担が増えるので注意が必要です。
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まとめ
投資には株式投資や投資信託、つみたてNISAといったさまざまな種類があります。種類によっては100円という少額から始められる投資もあります。しかし、投資を始める際は余剰資金で運用し、分散を意識して長期的な視点を持つことが大切なので、10万円程度を予算としましょう。
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また、Mastercard®️最上位クラスで、富裕層を多く抱えるクレジットカードLUXURY CARDの 「ラグジュアリーカード・オフィシャルアンバサダー」に就任。日米税理士ライセンス保有。東京大学EMP・英国国立オックスフォード大学ELP修了。紺綬褒章受章。
現在は代表税理士を務める傍ら、英国国立ウェールズ大学経営大学院に在学中(MBA取得予定)。
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・〈富裕層〉×〈富裕層をめざす方〉向けの資産運用/税金対策専門ファーム
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