2022年3月23日2022年11月8日税務
所得税の計算方法は?源泉徴収の仕組みや住民税との違いも解説
所得税は個人の所得に対して課される税金で、対象となる所得は10種類に区分されます。その中でも企業から受け取る給与は「給与所得」と呼ばれ、所得税や社会保険料、住民税などが差し引かれた金額が支給されるのが一般的です。
所得税によって手残りが変化するので「所得税の計算方法を知りたい」「給与からどのくらいの金額が源泉徴収されるのか知りたい」という方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、所得税の計算方法や源泉徴収の仕組み、住民税との違いについて解説します。また納税の負担を減らしたい方へ向けて、節税のコツもまとめました。
目次
所得税の計算方法
所得税は、「所得税額=(所得金額-所得控除)×税率-税額控除」によって求めます。所得金額は、その年の1月1日から12月31日までの所得の合計です。所得は10種類に区分され、それぞれ収入や経費として認められる範囲、計算方法などが決められています。
所得は10種類に分けられる
所得は次の通り10種類に分かれます。手元に入ってきた収入がどの所得に該当するのか、確認してみましょう。なお所得の課税方法には「総合課税」と「分離課税」があります。総合課税はその他の所得と合算して税額を求めますが、分離課税では他の所得と区分して計算する点に注意が必要です。
所得の種類 | 概要 |
---|---|
利子所得 | ・預貯金、国債、社債などの利子や公社債投資信託などの配当による所得 ・受け取り時に所得税が源泉徴収される「源泉分離課税」 ・原則として確定申告は不要 |
配当所得 | ・株式や投資信託(利子所得の対象となる投資信託を除く)の配当による所得 ・総合課税または申告分離課税から選択できる |
不動産所得 | ・土地建物の他、借地権といった不動産にまつわる権利などによる所得 ・総合課税の対象 |
事業所得 | ・農業、卸売業、サービス業など、自営業で得た所得 ・総合課税の対象 |
給与所得 | ・勤務先から受け取る給与や賞与などの所得 ・総合課税の対象 ・給与が支払われる都度、源泉徴収される |
退職所得 | ・勤務先から受け取る退職手当などの所得 ・退職所得控除を差し引いた金額の2分の1が分離課税される |
山林所得 | ・山林を伐採して売却したり、立木のまま譲渡したりすることによる所得 ・分離課税の対象 |
譲渡所得 | ・不動産や株式などの資産を譲渡することで発生する所得 ・土地や建物、株式等以外の譲渡所得は総合課税の対象 |
一時所得 | ・懸賞などの賞金や競馬の払戻金、生命保険の一時金などが該当 ・一時所得のうち2分の1が総合課税される |
雑所得 | ・上記のどの所得にも該当しない所得 ・公的年金などが該当し、原則として総合課税の対象 |
所得控除とは?
所得税を計算する際に、所得金額から所得控除額を差し引くことができるので、適用要件に該当するものは忘れずに利用しましょう。所得控除には、次のような種類があります。
所得控除の種類 | 概要 |
---|---|
雑損控除 | 災害や盗難などによって損害を受けた場合 |
医療費控除 | 本人および生計を一にする配偶者や親族のために一定額の医療費を支払った場合 |
社会保険料控除 | 本人および生計を一にする配偶者や親族のために健康保険料などの社会保険料を支払った場合 |
小規模企業共済等掛金控除 | 小規模企業共済などの掛金を支払った場合 |
生命保険料控除 | 生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料の保険料を支払った場合 |
地震保険料控除 | 地震保険料を支払った場合 |
寄附金控除 | 特定の寄附金を支払った場合 |
障害者控除 | 本人や控除の対象となる配偶者、扶養親族が障害者である場合 |
寡婦(寡夫)控除 | 夫(妻)と死別または離婚し、所得金額など一定の要件に該当する場合 |
ひとり親控除 | 婚姻をしていないまたは配偶者の生死が明らかでない方のうち一定要件を満たす場合(令和2年分の所得税から適用開始) |
勤労学生控除 | 本人が勤労学生であり、所得が一定の金額以下である場合 |
配偶者控除 | 配偶者の所得が一定の金額以下の場合に最高38万円(配偶者が70歳以上であれば最高48万円)の所得控除が受けられる |
配偶者特別控除 | 本人の所得が1,000万円以下で、配偶者の所得が一定の金額以下の場合 |
扶養控除 | 子や父母・祖父母など所得が一定金額以下の扶養する親族がある場合 |
基礎控除 | 本人の合計所得金額が2,500万円以下の場合 |
給与所得には「給与所得控除」が適用できる
給与所得の金額は、勤務先から受け取った給与や賞与などの合計額から「給与所得控除」を差し引いて計算します。所得控除の金額は次表の通り定められています。
【令和2年分以降】
給与などの収入金額 | 給与所得控除額の計算方法 |
---|---|
~162万5,000円 | 55万円 |
162万5,001円~180万円 | 収入金額×40%-10万円 |
180万1円~360万円 | 収入金額×30%+8万円 |
360万1円~660万円 | 収入金額×20%+44万円 |
660万1円~850万円 | 収入金額×10%+110万円 |
850万1円以上 | 195万円(上限) |
(参考: 『給与所得控除 国税庁』/
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm)
給与所得を計算する上で、給与所得控除以外に「特定支出控除」を差し引ける場合があります。
特定支出控除とは給与所得のある方が通勤費や職務上必要な旅費、転勤に伴う転居費などの特定支出があった場合に、給与所得控除後の金額からさらに控除できる特例制度です。ただし、特定支出控除として認められる費用は、勤務先が証明したものに限られます。
所得税の税率を乗じる
所得税の税額は、所得金額から所得控除額を差し引いて求めた課税所得金額に、定められた税率を乗じて求めます。
所得税の税率は超過累進税率が採用されています。超過累進税率とは、所得が多くなるほど税率も段階的に高くなる仕組みです。所得や財産が多い方から多くの税金を集めているものの、納税額に関係なく国や地方から公平にサービスを利用できるため、所得や財産の少ない方に分配する「所得の再分配」の働きがあります。
税率を乗じる課税所得金額は、1,000円未満の端数金額を切り捨てた後の金額です。所得税の税率は、課税所得金額に応じて次の通り5%から45%の7段階に分かれています。
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円~194万9,000円まで | 5% | 0円 |
195万円~329万9,000円まで | 10% | 9万7,500円 |
330万円~694万9,000円まで | 20% | 42万7,500円 |
695万円~899万9,000円まで | 23% | 63万6,000円 |
900万円~1,799万9,000円まで | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円~3,999万9,000円まで | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 479万6,000円 |
(参考: 『所得税の税率 国税庁』/
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm)
表中の控除額は、所得税を簡便に計算するために用いるものです。課税所得金額が650万円のケースを例にすると、「650万円×税率20%-控除額42万7,500円=87万2,500円」と計算します。
税額控除は所得税額から直接差し引ける
税額控除は所得税額から直接差し引けるため、大きな節税効果があります。主な税額控除は、次の通りです。
税額控除の種類 | 概要 |
---|---|
配当控除 | 総合課税される配当所得がある場合、原則として配当所得の金額の10%または5% |
外国税額控除 | 外国で生じた所得に対してその国の税金が課されている場合、一定金額を控除 |
寄附金控除 | 政党や認定NPO法人、公益社団法人などに対して支払った一定の寄附金について一定額を控除 |
住宅借入金等特別控除 | 住宅の新築や購入などのために住宅ローンを組んだ場合、年末ローン残高をもとに計算した金額を一定期間控除 |
住宅耐震改修特別控除 | 昭和56年5月31日以前に建築された一定の家屋について耐震改修をした場合、一定の金額を控除 |
住宅特定改修特別税額控除 | バリアフリーや省エネ、多世帯同居、耐久性向上のための改修をした場合、一定金額を控除 |
給与所得者の所得税は源泉徴収される
給与所得者における所得税の申告納税の多くは、勤務先による毎月の源泉徴収と年末調整によって完了します。毎月の給与から源泉徴収される所得税の金額が気になる方もいるのではないでしょうか。ここでは、源泉徴収の仕組みや源泉徴収税額の計算方法について解説します。
源泉徴収の仕組み
源泉徴収とは、会社などの事業主が給与支払金額から源泉徴収税額を差し引き、納税者本人の代わりに納付する仕組みのことです。所得税の申告や納付は事業主が本人に代わってするため、原則として給与所得者本人が確定申告をする必要はありません。
ただし医療費控除やふるさと納税など寄附金控除を受ける場合や、給与所得・退職所得以外の所得が20万円を超える場合などには確定申告を行う必要があります。
給与所得者における源泉徴収税額の計算
毎月の給与や賞与からどのくらいの源泉徴収税額が差し引かれるのかは、国税庁が公表している「給与所得の源泉徴収税額表」で調べられます。
給与所得者の源泉徴収税額表には「月額表」「日額表」「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の3種類がありますので、それぞれ該当するものを参照するとよいでしょう。源泉徴収税額は、社会保険料控除後の給与または賞与の金額を基準にして確認します。
いずれの表においても、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している方は「甲」欄、提出していない方は「乙」欄を参照しましょう。日雇い賃金の場合は、日額表の「丙」欄を参照します。なお「給与所得者の扶養控除等申告書」とは年末調整の際に使用する書類で、扶養控除の対象者がいる場合に提出するものです。
月額表と日額表では、社会保険料控除後の給与と「甲」欄や「乙」欄、「丙」欄の交わる箇所を参照することで源泉徴収税額が確認できます。
賞与の源泉徴収税額は、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で調べた算出率を用いて次の計算算式で求めましょう。
・賞与の源泉徴収税額=賞与から社会保険料等を差し引いた金額×算出率
(参考:『給与所得の源泉徴収税額表(令和4年分)|月額表』/
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2021/data/01-07.pdf)
(参考:『給与所得の源泉徴収税額表(令和4年分)|日額表』/
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2021/data/08-14.pdf)
(参考: 『賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和4年分)』/
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2021/data/15-16.pdf)
給与から差し引かれる社会保険料は4種類
給与所得者の源泉徴収税額を調べる際は、社会保険料を差し引いた給与や賞与を基準にします。給与から差し引かれる社会保険料は、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の4種類です。
社会保険料の種類 | 概要 |
---|---|
健康保険料 | ・職業や企業によって組合健康保険、協会けんぽ、国民健康保険の3種類に分かれる。このうち健康保険料が給与から差し引かれるのは、組合健康保険と協会けんぽ ・健康保険料は「標準報酬月額×保険料率」で計算。保険料率は加入している健康保険によって異なるが、協会けんぽの場合10%前後 ・「標準報酬月額」には、4月・5月・6月に受け取った報酬の平均額が適用される |
介護保険料 | ・40歳から64歳までの健康保険の加入者が支払う社会保険料 ・保険料は「標準報酬月額×保険料率」で求める。協会けんぽにおける令和4年3月分の料率は1.64% |
厚生年金保険料 | ・国民年金に上乗せされる年金で会社員・公務員が対象 ・国民年金部分と上乗せ部分の保険料の合計額を「厚生年金保険料」と呼ぶ ・計算式は「標準報酬月額×保険料率」。料率は現在のところ18.300%で固定 |
雇用保険料 | ・雇用見込みが31日以上で、1週間あたり20時間以上の所定労働時間がある従業員は必ず加入しなければならない保険 ・雇用保険料の計算式は、原則として「労働者に支払う賃金総額×保険料率」 ・保険料率0.9%のうち、会社が0.6%、従業員が0.3%を負担する仕組み |
上記のうち、雇用保険料以外の保険料は事業主と従業員が半分ずつ負担します。給与から差し引かれるのは、従業員の負担分のみです。
2037年までは復興特別所得税の徴収がある
2013年~2037年までは、源泉所得税だけではなく、復興特別所得税が徴収されます。復興特別所得税とは、東日本大震災の復興において財源を確保し支援に充てるための税金です。納税額は、「(所得税額⁻税額控除)×2.1%(税率)」を用いて計算します。
復興特別所得税は主に「給与等」「退職手当等」「利子等及び配当等」「公的年金等」「報酬・料金等」などから徴収する仕組みです。ただし租税条約の規定により、租税特別措置法あるいは、所得税法に規定している税率以下で税率を乗じるとき、納税の義務はなくなります(復興財源確保法第33条第3項)。
(参考:『復興特別所得税の源泉徴収 国税庁』/
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2507.htm)
所得税と住民税の違いとは?
毎年徴収される所得税と住民税は、身近な税金といえるでしょう。しかし両者の違いについて、具体的には知らない方がいるかもしれません。ここでは、使途の違いや課税のタイミング、納税方法についてまとめました。
税金の使途の違い
所得税は国税、住民税は地方税であるため、それぞれ使途が異なります。国税は国の収入として扱い、社会保障や公共事業、経済協力費、地方交付税交付金等(公的サービスの格差が生じないように調整する費用)、国債費(国の借金を返済する費用)などに充てられるのが特徴です。
一方、地方税は市区町村や都道府県の担う行政サービスに割り当てられます。例えばゴミ収集や教育費、警察・消防費、農林水産業費、土木費、商工費、民生費などが挙げられるでしょう。
課税タイミングの違い
所得税と住民税は、課税のタイミングにも違いがあります。
【所得税】
・所得のあった年に課税
・1月1日~12月31日(1年間)までに生じた所得に課税される
【住民税】
・所得のあった年の翌年に課税
・前年の1月1日~12月31日(1年間)までに生じた所得に課税される
所得税を支払うための確定申告の期間は2月16日~3月15日です。確定申告が不要な方や住民税の対象期間に収入がなかった方なども「住民税の申告」を行います。住民税の申告の提出期間は、確定申告期間と同様の2月16日~3月15日です。
納付方法の違い
所得税と住民税の納付方法の違いは以下の表の通りです。会社員と個人事業主でも納付方法が異なるため、あわせて確認しましょう。
税金の種類 | 納付方法 |
---|---|
所得税 | ・会社員:給与・賞与から天引き ・個人事業主:自ら確定申告、納税の手続きをする |
住民税 | ・会社員:給与・賞与から天引き ・個人事業主:地方自治体から届く納付書にしたがって、住民税を納める |
課税所得の計算をする際の注意点
課税所得の計算を誤って申告してしまうと、過少申告加算税や遅延税を課せられる恐れがあります。また、控除の適用漏れがあると所得税を多く支払うことにもなりかねません。ここでは、所得税や控除の計算をする上で注意する点についてまとめました。
計算ミスがないか確認する
計算ミスによって過少申告をしてしまうと、不足分の税金だけではなく、過少申告加算税や延滞税が課せられます。過少申告加算税は納付義務のあった税金の差額に対して10%相当、延滞税は納税額に対して7.3%(または14.6%)が加算されると覚えておきましょう。
もし、計算ミスのような内容の誤りに気が付いた場合は早急に修正申告を行います。ただし、税務署の調査前かつ自発的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。
税制の改正後は過少申告しやすいため、税率や控除額の最新情報をしっかりと確認することが大切です。
控除の適用漏れに気を付ける
控除の適用漏れがあると、所得税を多く支払うことになるかもしれません。医療費控除や社会保険料控除をはじめ控除は15種類ほどあるため、適用漏れのないように注意しましょう。
もし年末調整で漏れがあった場合には、確定申告が必要となる場合があります。その場合、還付を受けるための手続き(還付申告)が必要です。還付申告の期限は、その年の翌年~5年以内に設定されています。
また還付申告後に、他控除の適用漏れに気付いたら、「更正の請求」という手続きにより払い過ぎた分の還付を受け取れます。
源泉徴収した所得税の納付方法
会社員の場合、所得税の申告は給与や賞与から毎月差し引かれ、年末調整によって過不足分が調整されるため手続きに手間はかかりません。従業員から源泉徴収した所得税は、事業主が代わって申告・納付する必要があります。
ここでは、事業主における源泉所得税の申告納付の方法の他、源泉所得税の計算ミスがあった場合の対処法に焦点をあてました。
源泉所得税の申告・納付
源泉徴収をする義務のある方は、原則として給与支払いの翌月10日までに、源泉徴収した所得税と復興特別所得税を納付しなければなりません。ただし給与の支払い人数が常時10人未満で「源泉所得税の納期の特例」が適用できる場合は、年2回(7月・2月)の納付にまとめられます。
原稿料や税理士の報酬などに対する源泉徴収も忘れずに行いましょう。支払報酬の源泉徴収税額は、支払金額のうち100万円以下は10.21%、100万円超の部分は20.42%を乗じて計算します。申告納付の際は、「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」に必要事項を記入し提出しましょう。
源泉所得税の計算ミスがあった場合
源泉所得税の計算は複雑であるために、計算ミスが発生することも考えられます。給与計算のミスによって源泉所得税に過不足が出てしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
源泉所得税を納め過ぎたケースでは、2通りの対処方法があります。ひとつ目は、誤って納め過ぎた源泉所得税を還付してもらう方法です。この場合は「源泉所得税及び復興特別所得税の誤納額還付請求書」を提出します。
ふたつ目は、納め過ぎた額をその後の源泉所得税に充当してもらう方法です。この場合は「源泉所得税及び復興特別所得税の誤納額の充当届出」を提出しましょう。還付・充当のいずれの場合でも、誤納付した際の所得税徴収高計算書と誤納付したことが分かる帳簿(預かり金の総勘定元帳など)を添付する必要があります。
納付した源泉所得税額が本来の納付額より少なかった場合には、差額を追加納付しましょう。納付は、通常時に使用している所得税徴収高計算書で行います。「△月○日提出分 追加納付」など、摘要欄に追加納付であることが分かるような記載をするとよいでしょう。
所得税を節税するためのポイント
毎年納める所得税に対して「少しでも負担を減らしたい」と、考える方は少なくないでしょう。ここではおすすめの所得税について解説します。サラリーマンや個人事業主など、働き方別にも紹介しているので、自身と照らし合わせてみてください。
おすすめの所得税節税方法
おすすめの節税方法は、以下の通りです。それぞれ特徴や適用要件が異なるため、自身に合った方法を選びましょう。
節税方法 | 概要 |
---|---|
iDeCo(イデコ) | 個人型確定拠出年金とも呼ばれる。60歳以降にまとまったお金を受け取れる私的年金制度 |
NISA(ニーサ) | 一定金額の範囲内で購入した金融商品の利益が非課税になる制度。「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類がある |
ふるさと納税 | 寄附金控除のひとつで、控除の適用だけでなく返礼品が貰える |
セルフメディケーション税制 | 対象の医薬品を購入した場合、セルフメディケーション税制が受けられる |
下記は、それぞれ要件を満たした場合に適用される控除です。
【節税に有効なその他の控除】
・住宅ローン控除
・医療費控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・扶養控除
・基礎控除
サラリーマンの場合
サラリーマンに有利な節税方法として、「特定支出控除」があります。業務に関する支出において基準額を超える場合は、支払った金額を所得金額から差し引くことが可能です。ただし、いずれの費用も勤務先が証明したものに限られます。
下記は、一定の要件を満たした場合に認められる特定支出です。
【特定支出の項目】・通勤のための交通費
・転任のための転居費
・職務に関わる研修費
・職務に関わる資格取得費
・単身赴任者の帰宅旅費
・勤務必要経費(図書や衣料品の購入代・交際費)
個人事業主の場合
個人事業主の節税対策として、下記の5つが挙げられます。
1.経費計上する
事業に関わる支払いは、必要経費として計上できます。水道光熱費・通信費・消耗品費・福利厚生費・広告宣伝費など多くの費用を計上できるため、漏れのないように申告しましょう。
2.確定申告は青色申告する
青色申告は、白色に比べて高い税制優遇を受けられます。「最大65万円の控除が受けられる」「家族への支払い(給料や賞与)を経費にできる」などが青色申告のメリットです。
3.少額減価償却資産の特例を利用する
取得価額が10万円以上の資産を購入した際、原則として全額を経費にはできず、資産ごとに定められた耐用年数に合わせて減価償却します。
しかし、青色申告を行った上で条件を満たす中小企業者であれば、「少額減価償却資産の特例」を利用して、取得価額が30万円未満の減価償却資産の全額をその年に経費計上できます。(合計額300万円が限度)
4.小規模企業共済に加入する
月額1,000円~7万円で申込みでき、退職金や年金の代わりに受け取れる仕組みです。掛金が範囲内であれば、全額が所得控除の対象になります。
5.法人化を視野に入れる
事業の利益が800万円を超えたら、法人化により節税できる可能性があります。所得税より法人税が安くなる場合は、検討してみましょう。
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所得税の計算は複雑です。誤った所得税額で申告をしてしまうと、過少申告加算税などの罰則金が課されることもあります。また源泉徴収税額の算定を含む給与計算でミスがあるとその後の訂正にも労力が必要です。
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まとめ
所得税の計算式は、「所得税額=(所得金額-所得控除)×税率-税額控除」です。毎月の給与から差し引かれる源泉徴収税額は、国税庁ホームページに掲載される「給与所得の源泉徴収税額表」で確認できます。
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