2022年4月1日2022年8月30日資産運用

1,000万円の資産運用|おすすめの方法と成功のポイントを解説

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1,000万円のまとまった資金があったら、資産運用を考えるタイミングかもしれません。「財産を増やしたいけれど、運用の方法が分からない」という方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、資産運用の種類やおすすめの方法、運用成功のポイントなどを解説します。メリットと注意点を不動産、投資信託、株式といった種類ごとに紹介する内容です。投資経験のある方、これから始める方の目的に応じた最適な資産運用が見つかります。

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目的に応じた1,000万円の運用方法

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資産運用は、自身の目的に応じた運用方法を選ぶことが大切です。目的は次の3つに大別できます。

・すぐに使えるお金、当面の生活費(流動性資金)
・近い将来あるいは老後に備えて貯めるお金(安定性資金)
・現状は使う予定がなく、増やしたい余裕資金(収益性資金)

1,000万円を使った資産運用の例を考えてみましょう。当面の生活費は預貯金に預けます。将来に備えて貯めるお金は、元本保証があるか、リスクの少ない運用方法を選ぶのが無難です。一方、余裕資金であれば、多少のリスクがあってもリターンの高さを重視してもよいでしょう。

なお、資産運用において「リターン」とは、運用の結果得られる収益または損失をいいます。また、「リスク」とはリターンの振れ幅のことです。つまり「ハイリスク・ハイリターン」は、高収益を得ることもあれば大きな損失もあるという意味になります。次の表は、リスク・リターンごとに運用方法を分類したものです。

ローリスク/ローリターン ・預金
・債券
・貯蓄型保険
ミドルリスク/ミドルリターン ・不動産投資
・投資信託
・株式投資
・ETF
・REIT
・金投資
ハイリスク/ハイリターン ・FX
・仮想通貨

1,000万円を不動産で運用

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不動産投資とは、不動産を購入して家賃収入や売却益を得る資産運用です。最初から売却益を得るために始める方もいますが、継続的な家賃収入を目的としている方も増えているため、ここでは後者を前提とした不動産投資を解説します。

不動産投資の仕組み

不動産投資を始めるための不動産(新築または中古)を購入します。主には次の3つです。

・区分マンション
・一棟アパート(マンション)
・戸建て

いわゆる「大家さん」となって入居者から家賃収入を受け取りますが、不動産投資は物件の購入費用のほか、さまざまなコストがかかります。不動産取得税や損害保険料(火災保険、地震保険等)、金融機関への融資手数料などはその一例です。また、固定資産税、都市計画税のほか、施設・設備の修理代が発生することもあります。

メリット

人気の物件であれば、長期的に安定した家賃収入を得られます。また、不動産投資ローンを組むことで、自己資金を超える価格の不動産を手に入れられるのも特徴です。ローンの返済は家賃収入を充てるのが一般的です。ローンを組む際には団体信用生命保険に加入することがほとんどで、投資家に万一のことがあってもローンは完済されます。

また、一般的に収益用不動産は、相続時の課税評価額を現金より少なく抑えられます。そのため、相続時の節税対策としても有効です。

注意点

不動産投資は、購入時と運用中にさまざまな費用がかかるほか、以下のリスクに注意が必要です。

・空室リスク
入居者がいないと家賃収入を得られません。入居者が「長く住み続けたい」と感じる立地や物件選びが重要です。

・自然災害や事故のリスク
地震、台風などの自然災害や火災などにより損壊することがあります。損傷が大きければ復旧するまで家賃収入を得られません。

・流動性リスク
一般的に、不動産の売買には時間がかかります。買い手を見つけるのに苦労することもあり、お金の流動性は低めといえます。

成功のポイントと利回り

物件選び次第で成果が大きく変わります。賃貸需要が見込めることは基本ですが、自己資金に合わせて無理をしないことも重要です。利回りやコスト面の見積もりが甘いと、出ていくお金ばかりで運用が苦しくなります。

不動産投資の利回りは次の式で計算できます。集合住宅の場合、家賃は各部屋の家賃合計です。

・利回り(%)=(家賃収入合計-費用合計)÷投資額÷運用年数×100

例えば、家賃月額10万円・費用合計20万円・物件価格に購入時の費用を加えた投資額が3,000万円・運用年数1年の場合、実質利回りは3.33%です。もし空室期間が4か月あれば2%まで下がります。

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1,000万円を投資信託で運用

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投資信託は、投資家から集めた資金を専門家が投資家に代わって運用してくれるので、専門知識がなくても始められる運用方法です。ただし、市場は常に動いているため、場合によっては元手が減ることもあります。

投資信託の仕組み

投資信託は「販売会社」「運用会社」「信託銀行(受託会社)」の3つが関わっています。投資信託を投資家に販売しているのは、証券会社や銀行といった販売会社です。

信託銀行は、投資家から集めた資金を保管し、運用会社からの指図に従って株式や債券の売買を行います。運用会社は投資信託を作り、集めた資金の投資先を考え、信託銀行に運用指図するなどの役割を担う重要な立場です。

なお、投資信託に関わっている3つの機関のいずれが破綻しても、信託財産に影響はありません。投資した財産はきちんと守られる仕組みになっています。

メリット

証券会社や銀行、郵便局などで販売されている投資信託の主なメリットは、以下の通りです。

・運用を専門家に任せられる
投資信託は、運用会社に所属する専門家が投資家に代わって、集めた資産を国内外の株式や債券などから銘柄を選んで運用します。投資家が自ら運用する必要がないので始めやすい資産運用の方法です。

・分散投資でリスク軽減
集めた資産をさまざまな投資先に分散投資することでリスクを軽減しています。

・種類が多い
株式や債券などの対象資産、国内や海外の対象地域ごとに分類されています。株式だけ、債券だけなど集中して投資する種類もあれば、「株式、債券、不動産投資信託」といった複数の対象資産を組み入れるバランス型もあります。

・少額から運用できる、分配金をもらえるケースがある
投資信託の多くは1万円前後から購入可能です。100円から始められる金融機関もあるほど、ハードルは低いといえます。また、毎月または数か月ごとに分配金をもらえる商品もあります。

注意点

投資信託は始めやすい資産運用の方法ですが、以下の点を理解したうえで始めましょう。

・手数料がかかる
投資信託はいくつかの手数料が必要です。また、運用益は課税対象なので税負担もあります。主な手数料は次の3つです。

手数料の種類 概 要
販売手数料 ・購入価額に対して数%かかる手数料
・ただし、販売手数料がかからない投資信託もある
信託報酬 ・投資信託を運用するためにかかる費用
・投資信託ごとに異なり、年率0.1%~3%程度が運用資産から少しずつ差し引かれる
信託財産留保額 ・解約手数料
・ただし、信託財産留保額はかからない場合もある


・リアルタイムに売買できない
売買取引は当日の基準価額公表前に締め切られる「ブラインド方式」が採用されているので、価格が確定しないまま売買します。

成功のポイントと利回り

資産運用は、リスクを抑えるために分散投資と長期投資が有効といわれています。投資信託を選ぶ際にも、「株式中心で運用するもの」「債券中心で運用するもの」など複数種類に分散投資することでリスクを軽減可能です。

また、投資信託は「インデックス型」と「アクティブ型」に分類できます。インデックス型は日経平均株価やTOPIXなどの指数に連動することを目指しており、アクティブ型は、指数を上回ることを目指している投資信託です。優劣はなく、資産をどのように運用したいかで選択が変わります。

投資信託の利回りの計算も押さえておきましょう。

・利回り(%)=(売買損益+分配金合計-各種手数料)÷投資額÷運用年数×100

ポイントは手数料です。効率よく資産を増やすのであれば、運用期間中にかかる各種コストに注目する必要があります。なお、最近は販売手数料がかからない「ノーロード」という商品も増えています。

1,000万円を株式で運用

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株式会社は事業資金を調達するために株式を発行します。株式を購入した投資家は株主になり、会社の所有者のひとりとなります。株式投資は、専門家に運用を任せられる投資信託とは異なり、自ら分析や注文をしなければなりません。

株式投資の仕組み

株式投資とは、投資家が株式を購入し、株価が上昇したときに売却することで売却差益を得る資産運用です。また、運用中に配当金を受け取れるケースがあります。

上場企業の株は証券取引所で売買されています。投資家が上場企業の株式を購入する場合、証券取引所での取引参加者資格を持つ証券会社を通じて購入しなければなりません。

メリット

株式投資の主なメリットは「値上がり益」「配当金」「株主優待」の3つです。値上がり益とは、買った株式の株価が上昇したときに売ると得られる、値上がり分の利益をいいます。

配当金とは、企業が事業の運営で得た利益の一部を株主に支払うことです。支払われる回数や金額は定まっていません。配当金が増えることを増配、減ることを減配、なければ無配と呼んでいます。

株主優待は、企業が株主に自社製品やサービスを提供するものです。例えば自社の店舗で使える金券や、日用品の詰め合わせを贈る企業があります。

注意点

株式投資は元本保証ではありません。「業績悪化などによる株価下落」「投資企業の倒産」「希望価格で売買できない」などのリスクに注意が必要です。買ったときより株価が下落すると損失が発生しますし、企業が倒産すれば投資資金を失う可能性があります。

なお、上場株式を売却して損失があった場合、確定申告をすれば損失とその年の利子・配当所得を相殺できるので節税対策として有効です。さらに、損失は3年間繰り越して配当所得などの利益と相殺できます。

成功のポイントと利回り

複数の企業や業種に分散投資することで、トータルで株価下落のリスクを回避できます。希望価格で売買できないリスクを回避するためには、投資先を人気の高い有名企業にしておくのがひとつの手です。

株式売買を前提とした利回りは次の式で計算できます。

・利回り(%)=(売買損益+配当金合計-費用)÷投資額÷運用年数×100

長期の所有を前提とした配当利回りは次の計算式です。配当利回りは投資判断によく利用されます。

・利回り(%)=配当金合計÷投資額÷運用年数×100

ローリスクからハイリスクの1,000万円運用先

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1,000万円などまとまった資産の運用先は不動産投資や投資信託、株式投資の他、さまざまな種類があります。ここでは、元本保証やローリスクな投資からミドルリスク・ハイリスク投資までの主な運用先についてメリット、デメリットを解説します。

元本保証やローリスクな投資

元本保証やローリスクの主な投資には、定期預金や債券、貯蓄型保険などがあります。メリット・注意点は以下の通りです(外貨建てなど、ローリスクとはいえない場合もあります)。

種 類 メリット・注意点
定期預金 メリット
・一定額まで元本保証
注意点
・リターンが少ない
債券 メリット
・一般的に預金より高金利
・国債は特に安全性が高い
注意点
・リターンが少ない
・社債は倒産で元本を失うこともある
貯蓄型保険 メリット
・資産運用と保障を両立できる
・学資保険、年金保険、養老保険など目的に応じて選べる
注意点
・早期解約すると元本割れの可能性がある

ミドルリスク・ハイリスク投資

主なミドルリスク、ハイリスク投資のメリット・注意点は次の通りです。リターンを期待できますが、リスクもあるので投資は慎重にしましょう。

種 類 メリット・注意点
ETF
(上場投資信託)
メリット
・株式と異なり企業の破綻リスクがない
・リアルタイムに売買できる
注意点
・取扱いは証券会社のみ
・分配金を自動的に再投資できない
REIT
(不動産投資信託)
メリット
・一般的に安定した利回り
・インフレに強い
注意点
・投資法人倒産や上場廃止のリスクがある
・取扱いは証券会社のみ
メリット
・「実物資産」なので信用リスクがない
注意点
・インカムゲインがない
FX メリット
・少ないコストで大きな金額の取引が可能
注意点
・ロスカット(強制決済)がある
・損失があったとき追加証拠金が必要なこともある
仮想通貨
(暗号資産)
メリット
・価格が大きく上昇する可能性がある
注意点
・価格変動が大きく損失を抱えるリスクも大きい

資産運用のメリットとデメリット

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資産運用は、資産を増やすために貯蓄、投資をすることです。投資しても必ず増やせるとは限りません。ローリスクからハイリスクまでありますが、自身の目的に合わせて選ぶのがよいでしょう。ここでは、資産運用のメリットとデメリットを解説します。

メリット

資産運用のメリットはまず、直接労働せずともお金を増やせる可能性があることでしょう。例えば、1,000万円を利回り1%から7.2%で運用した場合の5年後、10年後の「元本+運用収益」は下表の通りです。利回り7.2%で10年間運用すれば、2,000万円にできます。

利回り 5年後 10年後
1% 1,051万円 1,105万円
3% 1,159万円 1,344万円
5% 1,276万円 1,629万円
7.2% 1,416万円 2,004万円

※金額は1万円未満を四捨五入

インフレになると物価が上昇してお金の価値が目減りします。したがって、物価上昇率を超える利回りで運用できれば、目減りを回避可能です。

なお、資産運用で所得を得た場合、通常は税金がかかります。税額を軽減するために以下の制度や特例が有効です。

・NISA(少額投資非課税制度)
・iDeCo(個人型確定拠出年金)
・上場株式投資で売却損が生じた際、「繰越控除」の特例

デメリット

資産運用の最大のデメリットは、預金など一部の運用先を除いて元本割れのリスクがあることです。リスクが高いほど大きな収益を得ることもありますが、大きな損失になることもあるので注意が必要です。

一般的に、リスクが高い運用先ほどさまざまな分野の勉強、情報収集をする必要があります。中途解約すると元本割れする場合もあるので注意が必要です。リスクが少ない運用先は、思った以上に投資額が増えない、または増やすために長い期間がかかります。

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まとめ

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1,000万円などまとまった資産の運用は、目的に応じて運用先や方法を選ぶことが大切です。運用先にはローリスクからミドルリスク、ハイリスクまでさまざまな種類があります。

資産運用が成功すれば、不労所得を得られ、今後予想されるインフレ対策に有効です。資産運用はリスクがありますが、運用先の種類に応じて対策すればリスクを軽減できます。

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芦田ジェームズ 敏之

芦田ジェームズ 敏之

【代表プロフィール】
資産規模100億円を超えるクライアントの案件を数多く抱えてきた異彩を放つ経歴から、「富裕層を熟知した税理士」として多数メディアに取り上げられている。培った知識、経験、技量を活かし、富裕層のみならず幅広いお客様に税金対策・資産運用をご提案している。
また、Mastercard®️最上位クラスで、富裕層を多く抱えるクレジットカードLUXURY CARDの 「ラグジュアリーカード・オフィシャルアンバサダー」に就任。日米税理士ライセンス保有。東京大学EMP・英国国立オックスフォード大学ELP修了。紺綬褒章受章。
現在は代表税理士を務める傍ら、英国国立ウェールズ大学経営大学院に在学中(MBA取得予定)。

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