2022年8月3日2024年8月19日資産運用
資産運用で失敗するわけが判明!資産運用・税務のプロが7つのコツ紹介
資産運用を始めてみたいけれど、「失敗したくない」「損をしてしまうのでは……」と不安になっている方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、資産運用の失敗談を年代別に紹介した上で、資産運用に失敗する人の特徴を解説します。
資産運用にリスクは付きものであり、絶対に失敗しない方法はありません。しかし、失敗を減らし成功に近づけることは可能です。資産運用における7つの成功原則も解説しますので、これらを実践することでよりリスクの低い資産運用が行えます。
目次
資産運用は失敗する?成功率・失敗率を紹介
資産運用は、必ずしも失敗しないとはいえません。というのも、どの金融商品も一定の価値を持っているわけではなく、常に変動し続けているからです。想定していなかった上昇や下落が起こることもあるでしょう。
そこで気になるのは、資産運用の成功率と失敗率ではないでしょうか。
代表的な資産運用における成功率と失敗率の目安をまとめました。
株式投資と不動産投資に関しては、客観的なデータはなく一般的な割合として把握しておいてください。
また、FXにおいては、金融先物取引協会が2018年に実施した調査で、FXで利益を出している方が60.3%、損失を出した方は39.7%と報告されました。
一見すると成功率が高いように思われるかもしれません。しかし、損失が出ている中で50万円以上の損失があった方は11.3%と、影響の大きさがうかがえます。
金融先物取引業協会|外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査
資産運用でありがちな失敗例
では、資産運用でよくある失敗例について見ていきましょう。
- よくわからないままおすすめの金融商品を購入してしまう
- 初心者なのにリスクのある投資先を選んでしまう
- 価格変動に耐えられずすぐに売却してしまう
- 「もう少しで伸びるかも」と損切りできず保有してしまう
- 許容できるリスクを把握せずに始めてしまう
よくわからないままおすすめの金融商品を購入してしまう
銀行や証券会社などの金融機関の窓口で勧められた投資商品について、よくわからないけど良さそうだから購入してしまうことはよくあり得ます。
「今とても人気の商品です」などと紹介されることがありますが、売れている商品が必ずしも自分に合った商品や銘柄であるとは限りません。またテレビや新聞などで取り上げられるような人気のある銘柄は、その時点で既に株価が割高になっている可能性もあります。
おすすめされた商品にそのまま投資するのではなく、運用や期待リターン許容できる損失などを把握した上で、条件に合致する投資商品を探しましょう。
初心者なのにリスクのある投資先を選んでしまう
初心者であるがゆえに、十分な理解なくリスクのある投資先を選んでしまう例も挙げられます。
不動産投資やアパート・マンション経営などは、専門知識が必要であったり価格の変動が予想しにくかったりと、難易度は低くありません。太陽光発電は、過去に詐欺の手口に利用されていたこともあり注意が必要です。また、FXや仮想通貨は投機性の強い資産であると言われることも多く、初心者の方には不向きな資産です。
資産運用に不慣れな方は、インデックス型の投資信託などから始めることをおすすめします。
価格変動に耐えられずすぐに売却してしまう
資産運用は、数年〜数十年単位といった長期運用がベースです。数日や数週間、数ヶ月で大きな膨れ上がりを狙うものではありません。
どんな金融商品も、価格の上下を続けて推移していきます。日常的に上昇と下落を繰り返し、1日単位で見たらマイナスになる日もあるでしょう。
特に下落している時に「このまま下がり続けたらどうしよう……」と焦って売却してしまう方はよくいます。
短期間での利益を求めるのではなく、長い目で成長して行く様子を見守る程度で捉えることが大切です。
「もう少しで伸びるかも」と損切りできず保有してしまう
一方、「いつか伸びるだろう」と損切りせずに保有し続ける方も多くいます。
そもそも「損切り」とは、マイナスになった資産に対し、それ以上損失が拡大しないように売却する運用手法です。資産運用に失敗する人は損切りが思うようにできず、損失を抱えたまま株式などを保有し続ける傾向にあります。
損失が出ても、「持っていれば買った値段に戻るかもしれない」と考える方がいるかもしれません。しかし、購入価格に固執することは避けたほうがよいでしょう。重視する必要があるのは、買った値段より高いか低いかではなく、今後の株価が上がりそうかどうかです。
「○%の損が出たら売却する」など、損切りのルールを決めておくのもおすすめです。
許容できるリスクを把握せずに始めてしまう
資産運用には少なからずリスクがあります。そのリスクを把握せずに、とりあえず始めてしまうケースもよくあります。
ここでいう資産運用のリスクとは、「価格の振れ幅の大きさ」を指します。リスクとリターンは表裏一体の関係にあり、リスクを大きく取るほど「大きい収益」または「大きい損失」が発生する可能性があります。
ここで主なリスクを以下にまとめました。
リスクの種類 | 概要 | 該当する金融商品 |
---|---|---|
信用リスク | 国や企業などが経営不振などの理由で、債務不履行となる可能性のこと | 株式、債券、投資信託など |
価格変動リスク | 価格変動によって、投資資産の価値が変動する可能性のこと | 株式、債券、投資信託など |
為替変動リスク | 円に対する外国為替相場の変動によって、外貨建て資産の価値が変動する可能性のこと | 外国株式、外国債券、外国投信など |
カントリーリスク | 国や地域における政治経済の動向によって市場に混乱が生じた場合、その国や地域に投資した資産の価値が変動する可能性のこと | 外国株式、外国債券、外国投信など |
上記のようなリスクがある資産運用ですが、上手に向き合うには「長期的かつ複利効果を生かす」ことです。短期スパンではマイナスになるかもしれませんが、10年や20年の長期で見れば、年利が低くても着実に資産の増加を狙えます。
仮に月5万円を年利3%で10年間積み立てると698万7,071円、1%でも630万7,494円になります。低金利の現代、預貯金で持っているだけではとても実現できない数字です。
資産運用を「する」場合と「しない」場合とでは、長期になるほど大きな差になります。分散投資でリスクを抑えながら行えば、地に足の着いた運用効果を狙えるでしょう。
資産運用で失敗する人の特徴3選
では次に、資産運用で失敗する人の特徴を3つ紹介します。
- 投資の目的が定まっていない
- 資産運用は専門家に頼り切りで勉強していない
- 短期間でリターンを得ようとする
投資の目的が定まっていない
資産運用で失敗してしまう方は、目的や目標が定まっていないケースが多いです。
「資産運用でお金が増えたら使い道を考えよう」とすると、いくらの金額をどれくらいの期間で増やしたいのかが明確にならず、商品選びや売買の判断で迷いが生じかねません。
目的や目標がないことで、曖昧な判断や行動になりやすいです。
資産運用は専門家頼りで勉強していない
資産運用をプロにお任せすること自体は悪いことではありません。むしろ、いきなり自分で飛び込まず、相談する判断は賢明といえます。
資産運用をするにあたって、難しい専門用語も多いですが、市場の動向や関連する政策、ニュースなどの最新情報はチェックすることが大切です。
こうした情報は生き物のように常に変化するため、勉強や情報収集を怠ると瞬時な判断ができない恐れがあります。
また、内容の理解も曖昧なまま運用してしまい、想定外のケースにも対応できないといった失敗が起こり得ます。
短期間でリターンを得ようとする
資産運用で失敗する人に多い傾向として、早く資産を増やしたいといった焦りが挙げられます。
「仮想通貨やFXのように、投資先次第では短期間で大きなリターンが見込める可能性のある商品に手を出してしまう」「年間の利回り20〜30%見込めるといった詐欺商品を購入してしまう」などの失敗例は後を絶ちません。
なお、こまめに値動きをチェックしていて、少しの下落に焦って売却してしまう人も当てはまります。
資産運用の失敗談|年代別
資産運用を始めるにあたって、事前に失敗パターンを知っておくことは大切です。他人の失敗談を聞いて自分が陥りそうな失敗を想定できれば、あらかじめ備えられます。
ここでは、資産運用の失敗談を年代別にまとめました。
20代男性|仮想通貨で30%の損失が出た失敗談
仮想通貨で資産運用を始めたのは、ネットニュースで大きな値上がりが報じられたことがきっかけです。当時、仮想通貨の勢いはすごく、このまま上がり続けると予想しました。投資金額は、そのときの貯金の全額です。
SNSでも仮想通貨の盛り上がりを感じていて、「絶対もうかる」と高揚した気分でひとつの銘柄に一括投資しました。しかし投資したときが相場のピークで、その後暴落し、30%の損失です。振り返ってみれば、勢いでよく知りもしない資産に投資していました。
次に資産運用をするときは、よく勉強してから取り組みたいです。
30代男性|ネット証券で全く利益が出なかった失敗談
管理職に昇進し給料が増え、まとまった貯金ができたので資産運用を考えました。現金で持っているよりは、運用をしたほうが効率良くお金を増やせると思ったからです。資産運用の経験はなかったのですが、仕事が忙しく調べる時間もないので、とりあえずネット証券のおすすめ銘柄に投資した記憶があります。
数か月後、仕事が落ち着いたタイミングで証券口座を確認してみたのですが、ほとんど利益は出ていませんでした。おすすめ銘柄と聞いて、もっと大きい利益が出るものだと思っていたのでがっかりです。
今後は自分がどのような運用成果を得たいか明確にしてから、投資する銘柄を選びたいと思います。
40代女性|株の売却判断ができず暴落してしまった失敗談
子育てが落ち着いて時間に余裕ができたので、子供の大学費用の足しになればいいなと思い、個別株で資産運用を始めました。念入りに情報収集をしたかいもあってか、はじめは順調に株価が上昇して嬉しかったことを覚えています。
しかしその後、投資先の企業が悪い決算を出し、株価が暴落してしまいました。これ以上株価が下がることはないだろうと思いそのまま売却をしないでいたら、その後も株価が下落していき損失が大きくなってしまったのです。
その段階でやっと「これ以上は持っていられない」と売却しました。悪い決算が出た時点で売ればよかったと後悔しています。
50代女性|リターン重視で投資を始めて損失が出た失敗談
ファイナンシャルプランナーに相談する機会があったので老後資金を試算してもらったのですが、あと何万円も足りないと聞き大変焦ったことが資産運用のきっかけです。娘が社会人になり学費を支払う必要がなくなったこともあり、リターン重視でアクティブ運用型の投資信託を始めました。
成長を期待してIT関連をテーマとした投資信託に投資したのですが、アメリカの政策金利利上げの影響を受け、下落してしまったのが現状です。
今後は投資方針を改めて、リスクの低い資産運用で焦らず長期的に増やして行こうと思っています。
60代男性|一点賭けの投資で暴落してしまった失敗談
定年退職で受け取った退職金は、老後の生活資金として利用するつもりでした。ただ老後は悠々自適に趣味の旅行を楽しみたいと考えていたこともあり、退職金をうまく運用すれば旅費の足しになると思い資産運用を始めた次第です。
以前から「老後資金は低リスクの運用をしたほうがよい」と聞いていたので、過去30年間のチャートを確認し、継続して上昇傾向にある経済指標に連動する投資信託に退職金をまとめて投資しました。
はじめは緩やかなペースで上昇していましたが、数か月後には大きく下落し、そのときに慌てて売ってしまったことは今となっては悔やまれる失敗です。
比較的リスクの低い資産だったので安心しきっていましたが、「銘柄を分散する」「一括でまとめて投資しない」などのリスクを下げる運用手法にも注意を払うべきでした。
資産運用で失敗しないための7つの秘訣
それでは、資産運用で失敗しないための秘訣を7つ紹介します。
- 資産運用をする目的を明確にする
- 長期投資で複利効果を狙う
- 積み立て投信を用いる
- 各金融商品の特徴とリスクを理解する
- 資産を業界や地域などで分散して投資する
- 価格変動に一喜一憂しない
- 資産運用はプロに相談する
資産運用をする目的を明確にする
資産運用を始めるにあたって、まず目的を目標金額と合わせて明確にしましょう。
- 資産運用の主な目的
- 老後資金を貯めたい
- 子どもの養育費が欲しい
- 結婚の費用に充てたい
目的を明確にすることで、必要な金額も算出できます。資産運用を始める前に、どれくらい必要そうかも含めて決定してください。
また、目的をいつまでに達成したいのか、期限も明確化することで具体的な投資戦略を立てられます。
長期投資で複利効果を狙う
長期的に資産運用を行うことで、運用で得た利益がさらに運用されて増えていく複利の効果が得られます。ここで、100万円を年利3%で運用した場合の、複利と単利の利益の差を確認してみましょう。
年数 | 複利 | 単利 | 複利と単利の差額 |
---|---|---|---|
1年後 | 103万円 | 103万円 | 0円 |
5年後 | 115万9,274円 | 115万円 | 9,274円 |
10年後 | 134万3,916円 | 130万円 | 4万3,916円 |
20年後 | 180万6,111円 | 160万円 | 20万6,111円 |
30年後 | 242万7,262円 | 190万円 | 52万7,262円 |
他の条件が同じであれば、上記のように投資期間が長いほど複利効果も大きくなる仕組みです。
また、投資期間が長いほど価格変動リスクが軽減されると言われています。これは、短期的には価格が下がったとしても長期的には価格が上がることがあるためです。
積み立て投信を活用する
株式や投資信託などの価格が変動する金融商品を運用する場合、定期的に一定額を投資することで購入額を平準化させる効果が期待できます。この方法は「ドルコスト平均法」と呼ばれ、積立期間が長くなるほど効果を発揮します。
高いときには少なく、安いときには多く購入できれば言うことはありませんが、狙ってできるものではありません。ドルコスト平均法で「一定額」を「定期的」に投資し続ければ、特に苦労することなくリスクを平均化できます。一度にまとまった資金が準備できない人でも取り組める点も、メリットのひとつでしょう。
各金融商品の特徴とリスクを理解する
資産運用は、金融商品ごとにさまざまな特徴とリスクがあります。特徴やリスクも自身で把握しておきましょう。
金融商品を選ぶにあたって、安全性や収益性、流動性のいずれかを重要視するかによって選択肢は異なります。
株式や投資信託、債券、不動産など、さまざまな選択肢がありますので、特徴とリスクを踏まえて選定してください。
資産を業界や地域などで分散して投資する
資産運用は、リスクを回避するために分散投資をしましょう。
タイミングを計って、特定の金融商品にピンポイントで投資してもうまくいきません。プロでも困難です。
- 商品の種類:株や債券、投資信託、不動産など
- 商品の業界: 医療業界、半導体業界など
- 商品の国・地域:国内、海外、先進国、発展途上国など
上記のように、さまざまな観点から分散投資をすれば、下落したときの影響を軽減できます。
価格変動に一喜一憂しない
資産運用は、どの金融商品においても価格変動はつきものです。日々の上下動に対して一喜一憂しないようにしてください。
今日下がっても明日上がる可能性はあります。その反対もあり得るでしょう。資産運用のプロでも正確な判断は容易ではありません。
中長期的な視点を持ちながら、最初に立てた目的に立ち返って取り組んでください。
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また、Mastercard®️最上位クラスで、富裕層を多く抱えるクレジットカードLUXURY CARDの 「ラグジュアリーカード・オフィシャルアンバサダー」に就任。日米税理士ライセンス保有。東京大学EMP・英国国立オックスフォード大学ELP修了。紺綬褒章受章。
現在は代表税理士を務める傍ら、英国国立ウェールズ大学経営大学院に在学中(MBA取得予定)。
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