2022年8月10日2022年9月22日投資
インフレ対策に適したポートフォリオとリスクヘッジのポイントを解説
インフレ対策する際は、ポートフォリオを作成しましょう。ポートフォリオは、投資した金融商品の内容や投資金額を一目でチェックできるため、資産管理に欠かせないものです。そこで今回は、インフレ対策に適したポートフォリオの組み方を紹介します。
これから新たに資産運用を始める方や、将来を見据えて投資内容を見直したい方に必見の内容です。インフレリスクを回避するポイントやおすすめの金融商品も併せて解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
投資におけるポートフォリオとは
ポートフォリオとは「書類入れ」「紙挟み」といった意味で、重要なものを複数まとめた束をイメージすると分かりやすいでしょう。金融業界だけでなく、教育やクリエイティブの分野でも使われる言葉です。ここでは、金融業界におけるポートフォリオの役割や類似する言葉との違いについて解説します。
ポートフォリオ=金融商品の組み合わせ
投資におけるポートフォリオとは、金融商品の具体的な組み合わせのことです。投資信託で例えると、「〇〇株式30%、〇〇ファンド20%、〇〇先進国債券10%」といったように「どの銘柄をどれくらい保有するか」を考え、表やグラフで表すことを意味します。
投資の際は、複数の銘柄に分散投資するのが一般的です。ポートフォリオを作成すれば、「どの銘柄にいくらお金をかけているか」「リターンはどれくらいか」「今の投資スタイルのリスクは何か」といった情報が一目で分かります。
アセットアロケーションとの違い
アセットアロケーションとは、ポートフォリオを組む前の資産配分のことです。例えば、「株式投資50%、債券投資30%、不動産投資20%」といったように、資産クラスの配分割合を決めることをアセットアロケーションと呼びます。
どちらも資産配分という点では似た意味ですが、着目するポイントが異なるため、混同しないように注意しましょう。なお、アセットアロケーションの決め方によってリターンの大きさが決まるといわれており、中長期の投資では重要な役割を担っています。
インフレリスクの概要とリスクヘッジのポイント
日本では長くデフレが続いており、インフレの影響やリスクがイメージしにくい方もいるかもしれません。インフレ対策に特化したポートフォリオを組むには、インフレリスクに関する知識を深めることが大切です。ここでは、インフレリスクの概要とリスクヘッジのポイントを紹介します。
インフレによって発生するリスク
インフレとは、物やサービスの値段が上がることで、お金の価値が目減りするリスクがあります。例えば、300万円の車が600万円に値上がりした場合、相対的に見たお金の価値は半分ほどに下がったといえます。
資産を銀行に預けているだけではインフレリスクに対応できない恐れがあるため、注意が必要です。普通預金や定期預金の金利上昇率は、インフレの加速度に追いつかない可能性が高いといわれています。コツコツと時間をかけて築いた資産でもインフレと共に価値が下がり、十分な老後資金を確保できないかもしれません。
インフレに強いポートフォリオを作成する
インフレリスクに対応するには、インフレに強い金融商品をポートフォリオに組み込む必要があります。インフレに弱い金融商品だけで資産を築いている方は、ポートフォリオを見直すとよいでしょう。
物価の上昇率と同じか、それ以上の上昇率で資産を増やせる金融商品を選ぶことが大切です。インフレに強い資産と弱い資産の一例は以下の通りです。
・インフレに強い金融商品:株式投資、不動産投資、コモディティ投資
・インフレに弱い金融商品:現金(預貯金)、保険商品、年金
インフレ対策用ポートフォリオを組む際の流れ
アメリカをはじめとした世界の国々では、コロナリベンジによる個人消費が増えており、すでにインフレ傾向にあります。今後は日本でも物価の上昇が予想されているため、インフレ対策を早めに進めましょう。
ここでは、インフレ対策に特化したポートフォリオの組み方を紹介します。表やグラフで表したポートフォリオがあると、資産状況をすぐに把握できるため便利です。
1.積立の予算と目標を定める
まずは投資をする目的や目標を明確にします。ポートフォリオを作成するにあたって決めておきたい項目は以下の通りです。
・初期投資の金額
・毎月の積立金額
・希望の利回り
・積立期間
上記の条件に基づいて投資金額とリターンをシミュレーションし、目標値を設定しましょう。予算や最終的な目標金額を決めることで、投資を始める際に具体的なアクションを起こしやすくなります。
2.リスクについて確認する
投資の際は、インフレリスク以外の投資リスクを事前に確認し、リスク分散を意識することが大切です。主な投資リスクは以下の通りです。
リスクの種類 | 内容 |
---|---|
価格変動リスク | 株式や債券の価格が変わることで、元本割れが起こる恐れがあること |
信用リスク | 株式や債券の発行体の信用力が下がることで、価格が下がること |
為替変動リスク | 外貨を扱う金融商品で、為替変動によって元本より価格が下がること |
金利変動リスク | 債券投資の金利は変動性があるため、思うようにリターンが増えない場合があること |
流動性リスク | 取引量が少ない場合、希望のタイミングで売買できない場合があること |
カントリーリスク | 投資先の国や地域における政治経済の状況が悪化した場合、基準価格が下落する恐れがあること |
3.金融商品を選択する
リスクとリターンのバランスを調整しながら、アセットアロケーションを組みましょう。まずは、不動産投資や投資信託といった金融商品の種類を決めます。インフレに強い金融商品を取り入れ、インフレ対策に特化させるのが重要です。
その後、金融商品の詳細を決めます。株式投資であれば、投資先が国内株式か新興国株式かによってリスクとリターンの大きさが変わるため、慎重に選びましょう。
4.具体的な投資先を決める
どの銘柄にどれくらいの割合で投資するか、具体的な投資先を決めましょう。インフレが起こると日本円の価値が下がるため、国内だけでなく海外の金融商品にも投資することでインフレに対するリスクヘッジになります。
また、投資方法や金融商品は定期的に見直しましょう。世界経済は刻一刻と変化しており、現状に合わせた方法を導入するのが得策です。ポートフォリオがあれば、投資している金融商品と利益が一目で分かるため、資産管理や投資先の見直しに役立ちます。
インフレ対策におすすめの金融商品
コツコツと堅実に貯めてきたお金の価値が目減りするのは避けたいと考える方がほとんどでしょう。インフレリスクから個人の資産を守るには、インフレに強い金融商品を選ぶことが大切です。ここでは、インフレ対策におすすめの金融商品を紹介します。特徴やメリット・デメリットを比較しながら、自身の資産状況に合う商品を選択しましょう。
株式投資
株式は、インフレが起きても資産の価値が目減りしにくい金融商品です。株式の価値は企業の業績によって変化するため、インフレに伴い企業の収益が上がれば、株価も上昇する傾向があります。また、売却益(キャピタルゲイン)だけでなく、配当金(インカムゲイン)も期待できます。
国内のインフレリスクを抑えるには、海外株式にも投資するのが望ましいでしょう。特に米国株式は、ブランド力の高い企業が多い上にドル高傾向が期待できるため、日本のインフレ時に強くリターンも得やすい金融商品といわれています。
メリット | デメリット |
---|---|
・インフレと共に株価が上昇する ・インカムゲインを得られる ・株主優待の恩恵を受けられる ・投資信託を利用すれば少額投資できる |
・元本保証がない ・投資先の企業が倒産する恐れがある ・売買が成立しないリスクがある |
コモディティ投資
コモディティ投資では、エネルギーや貴金属、農作物といった商品に投資します。商品の具体例は以下の通りです。
・エネルギー:原油、ガソリン、天然ガス
・貴金属:金、銀、銅、プラチナ
・穀物:トウモロコシ、大豆、肉、砂糖
コモディティ(商品)は、投資対象そのものが価値を持つ「実物資産」で、物価の高騰に伴い資産としての価値が目減りするリスクが低いといえます。
メリット | デメリット |
---|---|
・インフレに伴い資産価値が上がりやすい ・株式や債券と価格変動要因が異なるため、分散投資に向いている |
・インカムゲインがない ・価格変動を予測しにくい |
債券投資
債券とは、国や企業が投資家からお金を借りる際に発行するものです。債券を保有している期間は利子を受け取れて、満期時は元本が償還されます。債券の中でも特にインフレに強いといわれているのが、「変動利付債」と「物価連動債」です。
変動利付債は、利子の利率が定期的に見直されます。物価連動債はインフレ時の物価上昇率に連動して元本が調整される債券で、インフレになっても資産価値が低下しないため、インフレに強い資産といえます。
メリット | デメリット |
---|---|
・元本保証のある商品が多い ・利息が受け取れる ・インフレ率に対応した債券がある |
・デフォルトリスクがある ・途中換金すると元本を下回る恐れがある |
不動産投資
不動産投資は、土地や建物を第三者に貸し出すことで利益を得る投資方法です。インフレ時は現金の価値が目減りする反面、物の価値は上がることから、家賃や駐車場料金を増額できる見込みがあります。
不動産を購入する際は、長期固定金利のローンを組むとよいでしょう。インフレ前の低金利で融資を受けられる上に、不動産の資産価値は高騰が予想されるため、リターンも期待できます。
メリット | デメリット |
---|---|
・家賃上昇によるインカムゲインの増額が期待できる ・不労所得を得られる ・資産運用の手間がかからない |
・空室リスクがある ・設備に関する修繕費用がかかる ・物件選びが難しい |
インフレ対策に関するお困りごとはネイチャーグループにご相談を
ポートフォリオを組むポイントは、起こり得るリスクに備え、複数の金融商品に分散投資することです。適切な金融商品を選べば、インフレが発生しても自身の資産を守れます。
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まとめ
インフレ対策をする際は、資産状況を一目で確認できるポートフォリオを組みましょう。できるだけ早く始めるのが理想ですが、独学によるインフレ対策に難しさを感じる方は、専門家に相談するのもひとつの方法です。
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芦田ジェームズ 敏之
【代表プロフィール】
資産規模100億円を超えるクライアントの案件を数多く抱えてきた異彩を放つ経歴から、「富裕層を熟知した税理士」として多数メディアに取り上げられている。培った知識、経験、技量を活かし、富裕層のみならず幅広いお客様に税金対策・資産運用をご提案している。
また、Mastercard®️最上位クラスで、富裕層を多く抱えるクレジットカードLUXURY CARDの 「ラグジュアリーカード・オフィシャルアンバサダー」に就任。日米税理士ライセンス保有。東京大学EMP・英国国立オックスフォード大学ELP修了。紺綬褒章受章。
現在は代表税理士を務める傍ら、英国国立ウェールズ大学経営大学院に在学中(MBA取得予定)。
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