2022年8月12日2022年7月26日投資
実物資産でインフレ対策!資産の種類やメリット・デメリットを徹底解説
インフレ対策には実物資産への投資が適しています。実物資産は「物」そのものに価値があるため、インフレでも資産としての価値が目減りしない金融商品です。今後物価が上昇した場合に備え、実物資産を保有しようと考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、実物資産に投資するメリットやインフレ対策におすすめの金融商品を紹介します。投資する際の注意点も解説するため、実物資産への投資を検討中であれば必見の内容です。知識を深めて自身の資産状況に合わせたインフレ対策をし、大切な資産をしっかりと守りましょう。
目次
金融政策とインフレの現状
日本はこれまで長いデフレの状態にあったため、インフレに対するイメージを持ちにくい方もいるでしょう。「今後インフレに向かうのか」「インフレ対策は必要か」といった点が気になる方もいるかもしれません。ここでは、世界や日本におけるインフレの現状を紹介します。
世界的にはインフレの動きが見られる
新型コロナウイルス感染症の影響により停滞した経済状況を回復すべく、世界各国では金融緩和を実施しました。コロナショック後のリベンジ消費によって需要と供給のバランスが乱れたことも相まって、物価が上昇する国が増えています。
特にインフレ率の高いアメリカでは、金融緩和の終了時期を2022年3月に前倒しし、金融政策の正常化に向けてかじを切りました。ただし、過剰な対策は景気の悪化につながるリスクがあり、大胆な政策は取りにくいことから今後も物価上昇が続く可能性が高いと考えられています。
日本も緩やかなインフレ傾向にある
海外に比べて大きな動きは見られないものの、日本でも緩やかに物価が上昇しています。コロナショック後の経済活動再開に加えて、社会保障費の財源確保として増税される可能性を鑑みると、今後日本もインフレが加速すると考えられます。
アメリカが金融政策を引き締めたことで円安に拍車がかかっているのも、インフレ傾向が進む要因のひとつです。円安が進むと、日本で売られる海外製品の値段が上がり、物価の上昇が加速すると予想されます。複数の要因の影響により、インフレはますます避けられないものとなるでしょう。
インフレ対策には実物資産への投資が有効
実物資産は物価が上昇しても資産価値が目減りしにくいことから、インフレ対策に適した投資先です。ここでは、インフレ対策に有効な実物資産の概要や金融資産との違いと併せて、金融資産を保有するリスクについて解説します。
実物資産と金融資産
実物資産とは、形があり、それ自体が価値を持つ資産です。物が損傷しない限り、経済状態や物価の変化の影響で価値が突然ゼロになることはほとんどありません。
金融資産は現金化できる代わりに、そのもの自体は価値を持たない資産です。例えば、金融資産のひとつである紙幣は、国がデフォルトに陥れば紙切れ同然となります。実物資産と金融資産の一例は以下の通りです。
実物資産 | 貴金属、土地、物件、骨董品 |
---|---|
金融資産 | 紙幣、株式、債券 |
現金や預貯金で資産を保有するリスク
現金や預貯金で資産を保有する場合、インフレリスクの恐れがあります。物価が上昇することでお金の価値が目減りするためです。現在300万円で買える車が30年後に600万円になった場合、同じ車を購入するのに倍のお金が必要になるため、300万円の価値は30年後も同じとはいえません。
普通預金や定期預金でもインフレに伴う金利の上昇は見込まれていますが、物価上昇率に追いつかない恐れがあります。預貯金は堅実的な資産形成方法ではあるものの、インフレ対策としては賢い選択とはいえないでしょう。
インフレ対策に適した実物資産の種類
実物資産を保有することで、インフレリスクを削減できます。しかし、実物資産の種類は多いため、どのような金融商品があるのかイメージしにくい方もいるかもしれません。ここでは、具体的な実物資産の種類を紹介します。特徴やメリットも併せて確認しながら、自身の希望や資産状況に合った金融商品を選択しましょう。
貴金属
貴金属は、インフレの際に値崩れしにくいというメリットがあります。人工的に大量生産できる商品とは異なり、埋蔵量に限りがあることから、希少性が高く資産としての価値も高水準で安定している金融商品です。特に金は株式市場がショック安に見舞われた際に価格が上がる傾向があり、「有事の金」といわれています。
【貴金属の一例】
・金
・銀
・プラチナ
・ダイヤモンド
・バラジウム
エネルギー
エネルギーは、「コモディティ(商品)投資」という実物資産への投資の際に、先物市場で購入できる金融商品のひとつです。株式や債券と異なる値動きをすることから、インフレリスクに限らず、さまざまな投資リスクを減らすための資産として活用できます。
人が生活する上で欠かせないエネルギーは、流動性が高く、投資できる商品も複数あります。ただし、新型コロナウイルス感染症による経済活動や脱炭素化の影響が大きく、値動きの判断が難しい点には注意が必要です。
【エネルギーの一例】
・ガソリン
・原油
・天然ガス
・灯油
・電力
農作物
コモディティ投資では、農作物も取り扱っています。農産物の売買は先物取引が多く、価格変動の影響を避けやすいのがメリットです。先物取引とは、将来決まった日に取引時に定めた価格で売買する方法で、市場価値が上がっても安い値段のまま取引できます。
ただし、農作物は商品ごとに価格変動要因が異なり、値動きを予測しにくい点に注意しましょう。知識や経験が豊富な投資上級者に適した方法です。
【農作物の一例】
・トウモロコシ
・大豆
・小麦
・肉
・コーヒー
・砂糖
不動産
インフレ対策として不動産を所有する場合、アパートやマンションを賃貸したり駐車場やコインランドリーを経営したりするのが一般的です。定期的にインカムゲインを得られるのが大きなメリットで、インフレになると、物価上昇に伴って家賃収入が上昇する傾向があります。
収益性が高いため、インフレ対策だけでなく、効率よく資産を増やしたい投資にも適した方法です。
【不動産の一例】
・土地
・アパート
・マンション
・戸建て
コレクション品
コレクション品とは、美術品や骨董品のことです。物が持つ歴史や希少性という付加価値が付くことで、高額で売買される場合があります。ただし、個人のコレクションは市場が狭く値動きの予想が立てにくいため、投資には不向きです。ヴィンテージ品や有名な方の作品であれば、ビジネスとしての資産価値があるでしょう。
【コレクション品の一例】
・絵画
・時計
・酒類
・クラシックカー
・陶磁器
実物資産への投資で得られる3つのメリット
実物資産へ投資すると、インフレ対策以外にもさまざまなメリットがあります。恩恵を最大限に享受するには、具体的なメリットを事前に確認することが大切です。ここでは、実物資産に投資するメリットを3つ紹介します。
インフレ対策に向いている
実物資産も「物」の一種です。そのため、物価が上昇しても資産価値が目減りしません。100万円分の紙幣をタンス貯金した場合、年2%のインフレが起こると、10年後の資産価値は現在の価値に換算して82万円程度まで減ります。
一方、100万円分の金を保有した場合、10年後も100万円程度の価値がある可能性が高いです。実物資産は物価が上昇しても価値が変わることなく安定しているため、インフレに強いといわれています。
分散投資によってリスクが減る
分散投資とは、投資する資産クラスや金融商品、時期を複数に分ける投資方法です。分散投資することで、あらゆるリスクから資産を守りやすくなります。投資リスクの一例は以下の通りです。
・価格変動リスク
・信用リスク
・為替変動リスク
・金利変動リスク
・流動性リスク
・カントリーリスク
実物資産は株式や債券といった金融資産と価格変動要因が異なるため、金融資産の価値が下がった場合のリスクヘッジになります。
キャピタルゲインを得られる
キャピタルゲインとは、資産の購入時と売却時の金額差です。ベストなタイミングで売買すれば、金額差によるリターンを期待できます。
実物資産はインフレと共に資産の価値が上昇する傾向があるため、インフレが起こる前に購入するのが理想的です。インフレが起こり、物価が上がったタイミングで売却すれば、大きなキャピタルゲインを得られるでしょう。
実物資産へ投資する際の注意点
実物資産への投資は多くのメリットを享受できる一方、デメリットもあります。安定的に運用するためにも、実物資産へ投資する際の注意点やポイントを事前に確認しておきましょう。ここでは、主な3つの注意点を紹介します。
価格変動を予測しにくい
貴金属や不動産、エネルギー、農作物と実物資産の種類は豊富で、商品ごとに価格変動要因が異なるため、事前に値動きの予測を立てにくいのがデメリットです。例えば、原油のようなエネルギーは世界情勢、農作物は天候によって価格が変動します。
特に、農作物やコレクション品は、指標や情報が少なく分析が難しい点に注意が必要です。分散投資には向いていますが、全ての資金をひとつの実物資産だけに集中投資するのは避けましょう。
利益を生み出しにくい資産も
不動産は、家賃収入や経営に伴う利益といったインカムゲインがあります。一方、貴金属や美術品、エネルギーや農作物は原則インカムゲインがありません。
ほとんどの実物資産は売却益として利益を得る仕組みで、金融商品によっては利益を生み出しにくいでしょう。インフレ対策としては有効ですが、不労所得による定期的な利益を求める投資には不向きといえます。
実物が破損すると価値が下がる
実物資産は「物」自体に価値があるため、対象となる物体が損傷した場合、資産としての価値が下がるリスクがあります。
例えば、不動産は老朽化や災害によって建物が破損すると、資産価値の低下は避けられません。きれいな状態を保つには、修繕費や維持費がかかります。コレクションは、紛失や盗難のリスクがあるのがデメリットです。物がなくなれば資産の価値もゼロになるため、取り扱いには十分注意しましょう。
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実物資産は「物」そのものに価値があるため、インフレの影響を受けにくい資産です。インフレ対策として、実物資産を投資に組み込みたいと考えている方もいるでしょう。
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まとめ
インフレが起きても資産価値が変わらない実物資産は、インフレ対策に有効です。一方、現金や預貯金といった金融資産は、物価の上昇に伴い資産価値が目減りするリスクがあります。預貯金のみで資産を保有している方やインフレ対策をせずに金融商品への投資を開始した方は、実物資産への投資を検討するとよいでしょう。
実物資産や資産運用に関する疑問や悩みがある方は、ネイチャーグループ(税理士法人ネイチャー、株式会社ネイチャーウェルスマネジメント)にご相談ください。豊富な知識と経験を持つ専門家が、インフレからお客さまの資産を守るために、最適なプランをご提案します。
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芦田ジェームズ 敏之
【代表プロフィール】
資産規模100億円を超えるクライアントの案件を数多く抱えてきた異彩を放つ経歴から、「富裕層を熟知した税理士」として多数メディアに取り上げられている。培った知識、経験、技量を活かし、富裕層のみならず幅広いお客様に税金対策・資産運用をご提案している。
また、Mastercard®️最上位クラスで、富裕層を多く抱えるクレジットカードLUXURY CARDの 「ラグジュアリーカード・オフィシャルアンバサダー」に就任。日米税理士ライセンス保有。東京大学EMP・英国国立オックスフォード大学ELP修了。紺綬褒章受章。
現在は代表税理士を務める傍ら、英国国立ウェールズ大学経営大学院に在学中(MBA取得予定)。
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