日本は長い間デフレ状態にあると言われていましたが、近年はインフレの傾向が強まっています。そのため、デフレを抜け出したと前向きに捉えている方もいるでしょう。
しかし、インフレ下においては適切に資産運用をしないと、大きく資産を減らすことになりかねません。
そこでこの記事では、インフレに強い資産と弱い資産について詳しく紹介します。インフレ下での基本戦略も解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
インフレとは?
インフレはインフレーションの略称で、モノの価格の上昇が続き相対的にお金の価値が下がる状態のことです。
たとえば、これまで100円で購入できていたお茶が200円になった場合、今までの2倍のお金が必要になります。これは言い換えると、お金の価値が半分になったことを意味します。
このように、インフレになるとモノの価格は上がり、お金の価値が目減りすることを覚えておきましょう。
良いインフレと悪いインフレがある
インフレはお金の価値が目減りするので、悪い印象を持った方もいるでしょう。しかし、一概に悪いとは言い切れません。
たとえば、経済が活性化している状態、好景気でのインフレは望ましいとされています。好景気でインフレが起こると需要が増え、モノの値段が上がります。モノの値段が上がれば企業の利益が増加し、結果として従業員の給料もアップするのです。
しかし、原材料の高騰などからもたらされるコストの増加や、供給力の不足が原因で起きるインフレは企業の利益につながりません。もちろん従業員の給料が上がるはずもなく、悪いインフレといえます。
日本のインフレ状況
総務省が発表している資料によると、2020年を100とした2024年12月の消費者物価指数は、総合指数110.7という結果でした。
消費者物価指数は、家計が購入する商品あるいはサービスの価格動向を示す指標です。そして、消費者物価指数の上昇は、物価が上がったことを意味します。
つまり、2020年と比べると物価は上昇していることになり、日本はインフレ状態にあるといえます。
インフレが及ぼす5つの影響
インフレが及ぼす影響は、大きく5つあります。
- 物価や生活費が上昇する
- 貯蓄の価値減少が起こる
- 金利が上昇する
- 企業コストが増加する
- 輸出競争力が高まる
良い影響ばかりであればいいのですが、実はそうでもありません。インフレにしっかりと対応するためにも、どのような影響があるのか見ていきましょう。
物価や生活費が上昇する
インフレ下においては、物価や生活費が上昇します。
たとえば、これまで150円で買えていたおにぎりが200円出さないと購入できなくなり、物価が上がった分、生活にかかる費用も増加する状況に陥ります。
物価が上昇することは、必ずしも悪いことではありません。しかし、生活費が上昇するとなるべく余計な支出は控えようと考える人も増え、購買力の低下にもつながる恐れがあります。
貯蓄の価値減少が起こる
インフレはお金の価値が目減りすると説明しましたが、お金の価値が下がるということは貯蓄の価値の減少も起こります。
たとえば、100万円の貯蓄がある状態でインフレ率2%が20年間続くと、貯めておいたお金は67万円程度まで価値が減少してしまいます。
よりわかりやすく伝えると、今100万円あったとしても、インフレ率2%が20年間続けば67万円のものしか買えなくなるということです。わざわざ貯蓄しておいたのに、価値が勝手に減少していくのは誰もが避けたいと考えるでしょう。
そこで、お金の一部を以降で紹介するインフレに強い資産に置き換えるのが対策として有効です。
金利が上昇する
インフレが起きると、悪影響を抑制するために中央銀行が金利を引き上げることがあります。金利が上昇すると、住宅ローンの利息が増える可能性があります。
金利が変動しない固定金利型を選んでいる場合はあまり影響がないかもしれませんが、変動金利型を選択している場合は利息の支払いが大きくなるかもしれません。
企業コストが増加する
インフレが起きると、企業コストが増加します。
たとえば、インフレにより物価が上がれば家賃や人件費、水道光熱費といったコストは大きくなるでしょう。
さらに、インフレが起きると金利が上昇するとお伝えしましたが、その結果資金調達のコストが増加します。いずれにしても、インフレが企業コストを増大させることがわかります。
輸出競争力が高まる
インフレが進行すると、為替は円安に動きやすくなります。円安になると輸出品の外国での価格が安くなるため、よく売れるようになるのです。結果、輸出産業は活性化されて景気は良くなるというよい循環が生まれます。
インフレによる円安は、輸出競争力を高めるのです。一方で、円高になると輸出には不利に働き、国際競争力は低下します。
インフレに強い資産7選
インフレに強い資産は、以下の7つです。
- 不動産投資
- 株式投資
- 太陽光発電投資
- 外貨建て資産
- 原油生産関連企業への投資
- 金投資
- アンティーク品・ハイブランド品
インフレの状況でも効率よく資産運用できるように、インフレに強い資産を把握しておきましょう。
不動産投資
インフレは物価が上昇するとお伝えしましたが、それに伴い物件価格も上がる傾向があります。そのため、不動産は価値が下がりにくく、インフレに強い資産だと言われています。
不動産投資の醍醐味は家賃収入ですが、インフレ下においては物件価格の上昇も期待できるので、キャピタルゲインを狙える可能性もあるでしょう。
株式投資
株式もインフレ時に強い資産であり、インフレが起きると価格が上がる傾向があります。そのため、お金を株式に置き換えれば、資産の目減りも防げるでしょう。
また、株式投資は売却益を狙う、株主優待をもらうなど目的に合わせて運用できるという魅力があります。インフレ時にも大きな利益を狙っていきたいなら、候補に入れておきましょう。
太陽光発電投資
太陽光発電投資もおすすめです。電力会社に売電して収入を得るのですが、インフレで物価が上がれば電気代も上がります。つまり、売電価格も上がる可能性があるのです。
また、設備購入費や修理費は経費計上できるので、節税対策としても効果を発揮します。インフレ対策に併せて節税対策も行いたい場合は、検討してみてください。
外貨建て資産
インフレ時は円安方向に動きやすくなり、日本円の価値が低くなります。そのため、ドル、ユーロなどの外貨で資産を保有するのも有効です。
外貨建て資産としてわかりやすいのは、外貨預金でしょう。日本よりも金利の高い国の通貨を選択して預金すれば、高金利も期待できます。
原油生産関連企業への投資
原油生産関連企業への投資もインフレ時に向いています。原油などのエネルギー資源は、人が生活していくうえで欠かせないものです。
そのため、エネルギー資源の需要が減ることはなく、インフレの影響も受けにくいといえます。また、原油に限らず、再生可能エネルギー関連企業への投資もおすすめです。
金投資
金は、国際紛争や新型コロナウイルス感染症の拡大の際にも価格が大きく崩れるどころか、むしろ右肩上がりを続けています。そのため、「有事の金」という言葉があるほどです。
株式投資に比べると大きな利益を期待できるわけではありませんが、安定性に優れた資産です。
アンティーク品・ハイブランド品
アンティーク品やハイブランド品も現物資産であり、インフレに強い資産です。生産量が限られているものや古いもので供給量が減っているものなどは、希少価値も高く値崩れも起こしにくいでしょう。
また、趣味と実益を兼ねられる点もアンティーク品やハイブランド品の魅力です。
インフレに弱い資産とは?
インフレに弱い資産は、以下の3つです。
- 現金
- 預金
- 国内債券
インフレに弱いと知らずに持ち続けていると、いつのまにか価値が減っているといったことになりかねません。
現金
インフレに弱い資産といえば、真っ先に上がるのが現金です。インフレのときはお金の価値が目減りしていくので、現金は持っているだけで勝手に価値が下がっていきます。
インフレ下において、現金のみで資産を保有しているのは非常に危険です。
預金
現金に加え、預金もインフレに弱い資産といえます。預金は金利がつくのでお金が増えていくのは事実ですが、インフレ率を上回る金利がついていなければお金の価値はどんどん目減りしていきます。
現在、日本は超低金利といわれるほどです。非常に金利が低いため、日本円での預金でインフレに備えるのは困難でしょう。
国内債券
国内債券は、一定期間保有すれば配当金を得られます。しかし、インフレの影響で日本円の価値が下がると、得られる配当金の価値も低下します。
「じゃあ、インフレに弱い国内債券をすぐに解約しよう」と思っても、中途解約には中途換金調整額がかかることがあるため、注意が必要です。
インフレ対策での資産運用は分散投資が基本
インフレ対策としての資産運用は、分散投資の戦略をとるのが基本です。インフレに強い資産であるからといって、株式投資において個別銘柄1種類のみに資金を投入するのはやめたほうがよいでしょう。
株式投資であれば複数の国や地域の企業に投資したり、不動産投資や金投資も取り入れたりと資金を分散して投資するのがおすすめです。
分散投資をしていれば、特定の資産が値下がりしたとしても影響は限定されるので、大きな損失を防げます。
インフレに強い資産運用ならネイチャーグループ
インフレに強い資産は、1種類だけではなく複数存在します。そのため、インフレに対応するならいずれかの投資先を選ばなければなりません。
しかし、最適な投資先は置かれている状況や投資目的によって異なります。もし適当に選んでしまうと、効率よく資産を増やしたり、守ったりできないでしょう。
私たちネイチャーグループは、資産運用と税務に特化した日本最大級のコンサルファームです。インフレに強い資産運用を熟知したコンサルタントが多数在籍しており、お客さまに最適な投資先を提案いたします。
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まとめ:インフレに強い資産で大事な資産を守ろう
日本は現在、インフレになりつつあります。デフレ時に保有していた資産では、インフレに対応できずに大きく資産を目減りさせてしまうかもしれません。
資産を守りたいのであれば、インフレに強い資産を選びましょう。幸いインフレに強い資産の種類は多く、不動産や株式をはじめ、金やアンティーク品などさまざまなものがあります。
ただし、インフレに強い資産であれば、何を選んでもいいわけではありません。自身の状況に適した、インフレに強い資産を組み合わせて保有するべきです。
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