資産保有額1億円を超える富裕層は、収入に対する税金の金額も計り知れません。少しでも多く手元に資産を残したいため「少しでも効果的な節税をしたい…」このように考える方もいるのではないでしょうか。
実は、富裕層向けの節税スキームはさまざまあります。
そこで本記事では、富裕層向けの節税スキーム7選を紹介します。注意点も紹介しますので、節税スキームに関心のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
富裕層の節税スキームには大きく2パターンある
そもそも、富裕層の節税スキームには、大きく「資産を守るための対策」と「所得税等の税金対策」の2パターンがあります。
それぞれの主な対策は、以下の通りです。
資産を守るための対策 | タワマン節税 海外資産の保有 高級車や美術品の購入 プライベートバンクの利用 |
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所得税等の税金対策 | 保険(生命保険など) 実物資産の運用 各種控除(寄附金控除や生命保険料控除など) NISA iDeCo(イデコ) 海外移住 オフショア法人の設立 |
日本円は、円安が起これば外貨との相対的な価値を落としかねません。よって、常に日本円のみを保有していると、それだけで資産が目減りします。
そうした事態を防ぐために、タワマンや海外資産、高級車といった資産に投資します。そうすれば、インフレによって価格が高騰し、資産を維持または増やせるでしょう。
また、日本での最高税率は所得税と住民税を合わせて55%です。富裕層は最高税率の対象になる可能性が極めて高いため、保険や実物資産の運用などの所得税対策も有効です。
富裕層の節税スキームおすすめ7選
それでは、現在どのような富裕層の節税スキームがおすすめなのでしょうか。主な節税スキームを7つ紹介します。
- 資産管理会社の設立
- 保険の活用
- 実物資産の購入
- 高級車や美術品の減価償却
- 事業承継の実施
- 海外移住
- オフショア法人の設立
気になる節税スキームがありましたら、ぜひネイチャーグループへお気軽にご相談ください。
資産管理会社の設立
資産管理会社とは、自らが持つ資産の管理を目的に設立された会社のことです。自分のためだけの会社となるため、プライベートカンパニーとも呼ばれます。
一般的に「株式会社」や「合同会社」と形態は通常の企業と変わりません。しかし、実態としては資産管理以外の事業は行わない会社となります。
例えば、不動産経営をしていた場合を例に挙げてみましょう。
通常の賃貸経営であれば、入居者からの家賃は直接的にオーナーへ支払われます。一方、資産管理会社の設立では、その家賃収入を会社で受け、役員報酬としてオーナーに配分されます。
よって、所得の分散や相続税の節税につながり、多額の資産がある層にとって有効な節税対策となります。
保険の活用
保険の活用も富裕層の節税スキームとして非常に有効です。
特に、被相続人の死亡時に加入する生命保険や損害保険は、保険料の全額もしくは一部を被相続人が負担すると「500万円×法定相続人の数」が非課税扱いになります。
よって、相続税の課税対象となり得る資産を減らせます。
また、生命保険なら相続権のない人でも受取人を指定できるため、資産分散にも活用できるでしょう。
実物資産の購入
土地や建物、金銀をはじめとする貴金属や宝石などの実物資産は、金融資産とは異なり安定的な価値があるため、投資対象として有力です。
コロナ禍において、金融資産が不安定化した時期には、金の価値が高騰することがありました。このように、金融資産が持つ価値が不安定になりやすいというデメリットが無い実物資産は、富裕層の中でも注目されています。
実物資産にはさまざまな種類があり、自らで選ぶのはそう容易ではありません。
実物資産で節税対策をしたい方は、ぜひネイチャーグループへご相談ください。ご相談者様の資産状況や要望にあわせて、最適な節税対策・投資の提案をさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。
高級車や美術品の減価償却
高級車や美術品の減価償却を活かした節税スキームも手段の一つです。
例えば、720万円の高級車を減価償却するとしましょう。新車の自動車は耐用年数が6年なので、「720万円÷6年間」の120万円を減価償却費として計上できます。
また、美術品も高価な資産であり、節税対象になります。2015年以降に取得する美術品なら、100万円以内の範囲で減価償却ができます。
とはいえ、100万円未満でも「時間の経過で価値が減少しないことが明確なもの」は減価償却できません。また、100万円以上でも今後価値が減少する可能性が明らかなら対象になります。
ただし、減価償却を活用する手法は、事業に活用するものでなければいけません。
美術品は、オフィスの玄関や応接室などに飾れば事業での活用に該当するでしょう。
事業承継の実施
事業承継とは、被相続人が会社の経営を後継者に引き継ぐことを指します。
事業承継では、適切な手続きを踏むことにより相続税の特例制度を利用できます。
例えば、事業承継税制の特例措置を活用したとしましょう。その場合、事業の継続性を確保するために「事業用資産における相続税の評価額を低くする」「相続税の納付を猶予する」といったことが行えます。
こうした制度の活用ができれば、事業承継に伴う相続税の負担を軽減できます。
海外移住
富裕層の中で最も注目されている節税スキームは、海外移住で、国内に固定資産を持たず、拠点を国外に移しても支障が無い方に向いている対策です。
海外には、日本よりも税率が安い国がたくさんあります。こうした国々は、租税回避地を意味するタックスヘイブンとも呼ばれています。
こうした海外へ拠点を移そうとする個人や法人は、少なくありません。
特に注目されている国がシンガポールやケイマン諸島です。
シンガポールには、住民税や相続税はありません。所得税に関しても日本は累進課税で最大45%に対し、シンガポールは約23%と半分ほどしかかかりません。
また、ケイマン諸島に至っては、インカムゲインやキャピタルゲインともに課税対象にならず、所得税や不動産税もありません。
とはいえ、海外移住をするためにはビザの取得等様々な手続きが必要です。また、日本ではタックスヘイブン対策税制も強化されているので、課税リスクに注意しましょう。
オフショア法人の設立
オフショア法人の設立も節税スキームの一つです。
主に、ケイマン諸島やセーシェル、バミューダといったタックスヘイブンでの法人設立が人気を博しています。ただし、タックスヘイブンに対する風当たりは強い傾向にあるうえ、共通報告基準(CRS)で日本の国税庁に資産の流れを把握されるため、日本居住者である場合はあまり意味を成しません。
前述した海外移住も視野に入れながら、併せて検討してみてください。
規制が年々厳しい富裕層の節税スキーム3選
大前提として、富裕層の節税スキームに対する規制は年々強化されています。厳しく規制されている主な節税スキームを3つ紹介します。
- タワマン節税
- 海外不動産節税
- ドローン節税
タワマン節税
タマワン節税とは、相続税評価額とマンションの購入価格との差額を活かし、相続税を大幅にカットする節税方法です。
現金での相続は「金額=相続税評価額」である一方、タワーマンションは時価の約3割で計算されます。
つまり、1億円分の相続をタワーマンションで行うと評価額が3,000万円となり、7,000万円×税率分がそのまま節税できます。
しかし、相続前後でのタワーマンション購入と売却は、課税強化対象の可能性が高いので注意しなければなりません。
実際に、追徴課税になるケースもあり、税務署から否認されるリスクもあるので把握しておきましょう。
海外不動産節税
近年、海外にある中古不動産に投資して、損失分の減価償却費を計上する節税手法が流行していました。
海外における不動産の耐用年数は、日本と比べると非常に長めに設定されています。イギリスでは約140年、アメリカでも約90年ですが、日本は約30年しかありません。
ただ、海外の建物でも所得税の計算では日本の扱いとなります。特に中古の物件は、より耐用年数が短くなるため、減価償却費が賃貸収入を上回るケースも少なくありません。
ところが、2020年度の税制改正により、「実際に損失が出ていても、それを無かったものとする」という内容に変更されました。
よって、損益通算できなくなり、実質的な節税対策ができなくなっています。
ドローン節税
また、2021年夏以降に流行したドローン節税も規制の対象となりました。
そもそも、ドローン節税とは、1機あたり10万円未満なら、購入金額を全額経費として計上できるものです。1機あたりの金額であるため、もし8万円のドローンを30機購入すれば、240万円を経費にできます。
また、購入したドローンをサブスクリプションの形で企業に貸し出せば、利益も得られます。
ただし、2022年の税制改正により、取得価格が10万円未満の減価償却資産のうち、
貸付けの用に供したものを、少額減価償却から除外するとされたため、損金に算入できなくなりました。よって、現在ドローン節税は利用できません。
富裕層の節税スキームを実施する注意点
では最後に、富裕層の節税スキームを実施するうえで、注意すべきポイントを3つ紹介します。
- 日本国内で所有している資産は課税対象になる
- 国外の財産もお互いが10年以上海外に在住していなければ相続税の課税対象になる
- 日本の非居住者でも税金の支払い義務が発生する可能性がある
日本国内で所有している資産は課税対象になる
まず、日本国内で所有する資産は全て課税対象になります。
もし、本人が海外に移住してその国の居住者として認められていても、資産が日本にあれば日本での税制に従わなければなりません。
従って、財産が日本にある限り、日本国内の制度が適用されて課税対象となります。
海外移住を検討するにしても、財産が日本にあるならあまり大きな効果は見込めません。「日本に置く財産を限りなくゼロにする」「財産を可能な限り海外に移す」といった対策が必要になるでしょう。
国外の財産もお互いが10年以上海外に在住していなければ相続税の課税対象になる
また、国外での相続財産において、被相続人と相続人がお互いに10年以上海外に在住していなければ、その財産は日本での課税対象となります。
つまり、8年や9年間と長期にわたって海外に在住していたとしても、10年経っていなければ相続税が課されます。
もし、海外財産の相続を検討するなら、10年間と長きにわたって移住の計画を併せてする必要があります。
また、かつてはこうした制限はありませんでした。しかし、5年、10年と期間が延長されている流れを踏まえると、今後さらに伸びる可能性もあるので注意が必要です。
日本の非居住者でも税金の支払い義務が発生する可能性がある
そして、日本の非居住者でも課税対象になる可能性があります。
そもそも、日本における居住者とは、日本国内に生活の本拠(住所)があり、現在まで引き続き1年以上居住する個人を指します。この条件に該当している限り、非居住者ではありません。
居住者の条件を満たさず、海外を拠点として10年以上経過した個人でなければ、相続税の課税対象になり得ます。
また、非居住者であっても元旦の1月1日時点で日本にいる場合、前年分の住民税を支払う必要が生じます。
課税漏れを防ぐためこうした複雑な制度が様々導入されているため、節税を検討する際は、専門家に相談をしてみてください。
富裕層の節税スキームなら専門家のIFAに相談
富裕層の節税スキームを実施する際には、国際的な財務・税務の専門知識を持つIFA(国際財務顧問)に相談することがおすすめです。
IFAは豊富な経験と知識を持ち、富裕層の要望やニーズに合わせた最適な節税戦略を提案してくれるでしょう。
IFAのアドバイスを受けることで、節税の機会を最大限に活用し、合法的かつ効果的な資産運用や税金対策を実現できます。
富裕層の方々にとって、IFAの専門知識と経験を活用することは、資産保全と継承計画において重要なポイントになるでしょう。
富裕層の節税スキームに関するご相談はネイチャーグループへ!
富裕層の節税スキームに関するご相談は、ネイチャーグループにお任せください。
ネイチャーグループは、日本最大級の富裕層向けの資産運用や相続対策に特化したコンサルファームです。豊富な経験と専門知識を持ったアドバイザーが、お客様のニーズに合わせた最適な節税スキームを提案いたします。
また、国内外の法律や税制を熟知しているため、富裕層の方々に最も効果的な節税手法や投資戦略にも対応可能です。
相続対策や海外資産の管理など、総合的な資産管理にも対応しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ:富裕層は節税スキームを正しく活用して上手に資産を残そう
富裕層なら、節税スキームを活用することで資産を上手く手元に残すことができるでしょう。
ただし、上手に資産を残すためには、適切な節税スキームの選択や法律に関する知識が欠かせません。有効な対策を取るなら、専門家への相談をおすすめします。
ネイチャーグループ(税理士法人ネイチャー・株式会社ネイチャーウェルスマネジメント)では、各投資家に適した資産運用のプランをご提案します。
リスク対策や税金対策にも力を入れているため、節税対策の経験がない方でも安心です。節税対策の選定やプランニングなどもぜひご相談ください。
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