ドバイは、ラグジュアリーな旅行先として人気で、移住者も世界中から集まっています。そんなドバイは、税金がかからないと聞いたことがある方もいるでしょう。 しかし、すべての税金がかからないわけではなく、一部課税されるものもあります。 そこでこの記事では、ドバイの主な税金について詳しく解説していきます。今後ドバイへの移住を考えている方はぜひ参考にしてください。 ※本記事の記載内容は2024年10月現在のものです。
ドバイで課せられる主な税金
まずは、ドバイで課せられる主な税金をみていきましょう。
- 付加価値税(VAT)
- 物品税
- 法人税
- その他の税金
ドバイは税金がかからないと聞いたことがあるかもしれませんが、実はかかるものもあります。それぞれの詳細をみていきましょう。
付加価値税(VAT)
付加価値税(VAT)とは、EUやアジアといった国々でモノやサービスを購入した際にかかる間接税のことです。日本でいう消費税のようなものというとわかりやすいでしょう。 元々かかりませんでしたが、2018年1月1日に導入され、税率は一律5%です。ただし、下記のような生活必需品は免税措置が適用されます。
- 食品
- 医療サービス
- 教育サービスなど
物品税
物品税は、健康に害を及ぼす可能性のある商品にかかる税金です。商品の種類によって異なる税率が設定されています。
商品 | 税率 |
タバコ製品(電子タバコ含む) | 100% |
エナジードリンク | 100% |
炭酸飲料あるいは甘味料を含んだ飲み物 | 50% |
健康への意識を高める、かつ公共サービスのための資金源として活用されています。
法人税
ドバイは元々 法人税は非課税でした。しかし、2023年6月以降は、法制が変更となり、ドバイでも法人税が導入されました。
年間課税所得が37万5,000AEDを超えるUAE国内の企業が対象で、税率は9%です。ただし、下記に当てはまる事業者や商業活動は免税対象になります。
- 37万5,000AED以下の小規模事業者や個人事業主
- 天然資源採掘業を営んでいる企業
- 投資収入
- 個人所得など
法人税が導入されましたが、日本に比べると法人税率もまだ低く、ビジネス面で魅力的な地域であることに変わりはないでしょう。
その他の税金
その他、ドバイでは下記のような税金がかかります。
項目 | 税率 |
レストラン・観光施設の利用料 | 7% |
アパートの家賃 | 5% |
酒類 |
販売者:50%(輸入税) 消費者:30%(販売金額に対して) |
ドバイで課せられない主な税金
課せられる税金がある一方で、下記については非課税となります。
- 所得税
- 贈与税
所得税
所得税が非課税であることは、ドバイ移住の魅力のひとつでしょう。
たとえば、日本では所得に応じて下記の通り課税されます。
所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円から194万9,000円 | 5% | 0円 |
195万円から329万9,000円 | 10% | 9万7,500円 |
330万円から694万9,000円 | 20% | 42万7,500円 |
695万円から899万9,000円 | 23% | 63万6,000円 |
900万円から1,799万9,000円 | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円から3,999万9,000円 | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 479万6,000円 |
ドバイの所得税がゼロと聞くと、日本の所得税は非常に高く感じます。
贈与税
ドバイでは、贈与税はかかりません。
たとえば、日本では贈与された財産が年間110万円を超えると贈与税がかかります。
基礎控除後の課税価格 | 一般贈与の税率(控除額) |
200万円以下 | 10%(なし) |
300万円以下 | 15%(10万円) |
400万円以下 | 20%(25万円) |
600万円以下 | 30%(65万円) |
1,000万円以下 | 40%(125万円) |
1,500万円以下 | 45%(175万円) |
3,000万円以下 | 50%(250万円) |
3,000万円超 | 55%(400万円) |
基礎控除後の課税価格 | 特例贈与の税率(控除額) |
200万円以下 | 10%(なし) |
400万円以下 | 15%(10万円) |
600万円以下 | 20%(30万円) |
1,000万円以下 | 30%(90万円) |
1,500万円以下 | 40%(190万円) |
3,000万円以下 | 45%(265万円) |
4,500万円以下 | 50%(415万円) |
4,500万円超 | 55%(640万円) |
※参照:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁
特例贈与の税率が課せられるのは、18歳以上の方が親や祖父母などの直系尊属からもらった財産です。 贈与税がかからない点は、移住を検討している方には非常にメリットがあります。
また、ドバイは贈与税に加えて相続税もかかりません。
所得税などの税金がないのはなぜ?ドバイの財源
では、なぜドバイには所得税などの税金がかからないのでしょうか。その理由は大きく4つあります。
- 石油収入が大きい
- 関税は5%
- 飲食料・宿泊料は10%
- 法人手数料が約100万円で、税率9%
ドバイの財源をみていきましょう。
石油収入が大きい
ドバイはUAEの地区の一つで、世界でもトップクラスの石油生産国です。そのため、石油収入が大きく、税負担の軽減を可能にする理由のひとつとなっています。 また、天然ガスによる収入も大きく、政府の大きな財源となっています。豊富な自然資源による収入があるため、ドバイは所得税などの税金に頼る必要がありません。
関税は5%
関税は物品を輸出および輸入する時にかかる税金で、ドバイでの税率は5%です。 ドバイの関税率が基本的に5%に設定されている主な理由は、湾岸協力会議(GCC)加盟国間での経済統合と自由貿易の促進を目的とした「GCC共通関税制度」に基づいているためです。5%という比較的低い関税率は、貿易の活性化や物流ハブとしての地位を維持するために設定されています。
飲食料・宿泊料は10%
ドバイの飲食料と宿泊料には10%の手数料が課されており、重要な財源です。 特にホテルやレストランの利用料金には10~15%の手数料が課されており、この収入は政府の財源として観光施設の開発や国際イベントの開催支援、公共交通機関の整備などに活用されています。 これらの手数料は所得税や住民税が存在しないドバイにおいて、観光業を中心とした税収の柱となっています
法人手数料は約100万円
ドバイの財源の一つに法人手数料があります。法人税が課されたことは記憶に新しいですが、経営するためには法人税とは別で手数料が必要です。 法人は1年に1回、約100万円を手数料として支払う必要があり、、それがドバイの財源となっていましたが、9%の法人税が導入されたことで、今後は法人税も重要な財源となっています。
ドバイ移住後に日本の税務上非居住者と認められる条件
ドバイ移住後に日本の税務上非居住者と認められる主な条件は、次のとおりです。
- 日本を出国して1年以上海外に居住する
- 日本国内に住所がない、あるいは日本国内に183日以上滞在しない
ただし、上記の条件だけで確実に非居住者と認められるとは限られず、個々のケース毎に十分な検証が必要です。
居住の判定には、知識とノウハウの豊富な専門家に相談することをおすすめします。
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まとめ:ドバイにおける最新の税金制度をおさえて準備を進めよう
ドバイは税金がかからない国として有名ですが、すべての税金が免除されているわけではありません。主に付加価値税(VAT)や法人税などが課税されます。 とはいえ、日本とは異なり所得税や贈与税はかからない点は、移住する方にとって非常に魅力に感じられるでしょう。 そうしたドバイの税金制度を理解するためには、時間も手間もかかります。さらに、ドバイと日本の二重課税を防ぐ方法も、自分だけで手続きを進めるのはハードルが高いといえます。 そこで私たちネイチャーグループなら、ドバイで最新の税金制度をおさえたアドバイスを受けられます。「漏れなく準備を進めていきたい」「スムーズに移住を進めたい」という方は、ぜひ一度ネイチャーグループへご相談ください。
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