IFAとは資産運用のアドバイスをする専門家のことです。資産運用のプロなので、「IFAを利用すれば効率的に儲かるのでは」と考えている方もいるかもしれません。
そこでこの記事では、IFAに相談できる内容や、利用するメリット・デメリットについて解説します。なお、資産運用に絶対はありません。お金が増えることもあれば減ることもあるため、相談先は慎重に選ぶことが大切です。
IFAとは
資産運用を始めると見聞きする機会が増える「IFA」ですが、比較的新しい言葉であるため、具体的にはよく知らない方も多いかもしれません。ここではまず、IFAの概要や数、注目されている理由などの基本情報を解説します。
IFAの概要
IFAは、資産運用に関する相談に乗ってくれる金融アドバイザーの一種です。豊富な知識や経験を生かし、市場動向を分析してくれる他、「金融商品仲介業者」として、金融商品の紹介も受けられます。
IFAは証券会社や銀行などから独立した方が多いのが特徴です。複数の証券会社や銀行と業務委託を結んでいるケースもあります。とはいえ、企業の経営方針やノルマなどの影響を受けず、中立的な立場でアドバイスをしてくれるのがIFAの主なメリットです。
IFAの数
2022年度の金融商品仲介業者の登録外務員数は6,148名となっており、年々増加傾向にあります。過去5年間のIFAの人数と増加率の推移は以下の通りです。
年度(年度末時点) | 人数 |
---|---|
2018年 | 3,455名 |
2019年 | 3,833名 |
2020年 | 4,264名 |
2021年 | 5,141名 |
2022年 | 6,148名 |
(参考: 『日本証券業協会 金融商品仲介業者の登録外務員数の推移』/https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/jyugyoinsu/index.html)
2018年と2022年を比較すると、5年間でおよそ倍に増えていることが分かります。IFAの人数が増えている背景は明らかにされていませんが、日本政府が税制優遇制度を導入し、資産運用を促している現状を踏まえると、消費者ニーズの高まりが関係していると推測できます。
IFAが注目される理由
2004年に証券仲介業務が解禁され、2007年には金融商品取引法(旧証券取引法)が改正されました。証券仲介業務が個人でもできるようになったことで、元々アメリカなどの欧米で広まっていたIFAのサービスが日本でも注目を集めるようになったのです。
日本ではバブル崩壊以降、経済が停滞しており、老後資金や年金に関する不安が高まっています。預貯金だけでは効率的にお金を増やせない現在、資産運用に興味関心を持つ方は増えたでしょう。
また、デジタル社会の定着と共に資産運用方法の多様化が進んだことで、金融アドバイザーであるIFAの需要も増加していると考えられます。
IFAにはどこまで相談できる?
IFAは独立した金融アドバイザーであり、証券会社や銀行の営業スタッフよりも自由な立場でアドバイスが可能です。では、具体的にどのような相談ができるのでしょうか。ここではIFAの業務範囲について解説します。
金融商品の紹介
IFAは資産運用のアドバイスと共に、顧客のニーズに沿った金融商品の紹介が可能です。また、おすすめの金融商品紹介だけでなく、口座の開設方法や書類の書き方、購入手続きのサポートなどもしてくれます。「金融商品が多くて選べない」「ひとりで手続きできるか不安」と感じている方には心強いでしょう。
相談できる対応範囲が限られていると、複数の相談先に足を運ばなければなりません。その点、IFAはトータルでのサポートが可能なため、手続きに時間やコストを削減できます。
状況分析とアドバイス
購入後の資産状況や投資状況を分析し、効率的な資産運用に向けたアドバイスをするのもIFAの業務のひとつです。IFAに相談すれば、金融商品を購入して終わりではなく、長期的にアフターフォローを受けられます。
資産運用の効果を上げるには、資産状況や市場動向に合わせて定期的に見直し、自身の状況も合わせて柔軟に運用方法を変更していくことが大切です。最後まで責任を持って対応してもらえるという点は、IFAの強みといえます。
外部サービスとの連携
IFAはひとつの金融機関や証券会社に所属しているわけではないため、外部サービスとも比較的自由に連携可能です。税理士や弁護士といった専門家と連携することで、より対応可能なサービスの幅が広がります。相談するIFAを決める前に、連携可能な外部サービスの種類を確認するとよいでしょう。
例えば、税理士と連携しているIFAに相談した場合、税金対策や確定申告書類の作成もワンストップで依頼できます。
IFAに相談する3つのメリット
近年、投資や資産運用への社会的ニーズが高まっています。銀行や証券会社、保険会社、FP(ファイナンシャルプランナー)など相談先は複数ありますが、IFAを選ぶメリットとしてはどのようなものがあるのでしょうか。
中立的な立場でのアドバイスを受けられる
独立した金融アドバイザーであるIFAは、特定の会社の経営方針に左右されることがなく、販売ノルマに縛られているわけでもありません。顧客にとって不必要な商品を熱心に販売することはなく、中立的なアドバイスをしてくれます。
顧客の利益が直接的にIFAの利益に関わるため、顧客の希望や要望、資産状況に合わせたプランを提案してくれるでしょう。
長期間のサポートを依頼できる
長期間のサポートを受けられるのもIFAのメリットのひとつです。証券会社や金融機関は、人事による異動があります。「情報がしっかりと共有されていない」「新しい担当者と馬が合わない」といったトラブルが発生することもあるでしょう。
一方、IFAは個人で営業しているため異動がなく、長期的に同じ方からのサポートを受けられます。長く関わるからこそ、「信頼関係を築きやすい」「過去の資産運用状況から総合的にアドバイスを受けられる」という利点があります。
専門的な知識や経験がある
資産運用は利益が出ることもあれば、マイナスに転じることもあります。投資や金融に関する知識を身に付けた上でコツコツと実践を積んでいく必要があり、初心者が独学で始めるのは簡単ではないでしょう。熟練者と同じレベルで運用できるようになるまでには、長い時間とお金がかかります。
加えて、投資の勉強は手間がかかるだけでなく、損失リスクもあります。「プロの意見を聞きたい」「安定的な運用方法が知りたい」と思う方も少なからずいるでしょう。IFAは金融機関や証券会社の出身者が多く、専門知識を生かしたアドバイスを受けられます。
IFAのデメリットと用心したい理由
相談するとさまざまなメリットを得られるIFAですが、「IFAには用心すべき」「IFAに相談しても儲からない」といった声もあります。メリットだけでなく、デメリットもしっかりと確認した上で相談することが大切です。ここでは、IFAを利用するときの注意点や用心したい理由を紹介します。
手数料がかかる
IFAに資産運用のサポートを依頼すると、金融機関や証券会社に相談した場合と同じように手数料が発生します。主な手数料は、資産運用に伴い発生する「信託報酬」と、金融商品の購入時にかかる「購入時手数料」です。
手数料の分だけ手元に入るリターンが減るため、利益が少なく感じるかもしれません。具体的な手数料の額は必ず把握しておきましょう。
IFA選びが難しい
IFAは2004年に始まった比較的新しいサービスです。金融機関や証券会社に比べると情報が少なく、IFAを比較することが難しいといわれています。
もちろん、「IFAならどこも同じクオリティー」ではありません。取り扱う金融商品の種類や投資傾向、サービス体制といった条件は異なります。無料相談やセミナーなどを活用し、IFAの考え方や方針と自身の希望が合っているかどうかをしっかりと確認しましょう。
企業規模が小さい
証券会社や金融機関は企業としての知名度が高く、相応の安心感もあるでしょう。また、全国展開している金融機関は利便性が高いのも魅力です。
一方IFAは、独立した個人が事業を営んでいるケースが多く、事業規模はそれぞれです。「名前も知らない人に資産運用を任せるのは不安」と感じる方もいるかもしれません。とはいえ、事業規模が小さいからこそ、人件費などのコストを下げられるというメリットもあります。
なお、IFAを利用する場合でも、預けたお金は金融機関で管理されます。これは法律で義務付けられており、IFAが事業を辞めたときやトラブルが起きた際にも資産を守ることができます。
資産運用に関するIFA以外の相談先
資産運用に関する相談ができるところはIFAだけではありません。証券会社やFPなど、複数の相談先から選択できます。相談先の種類と特徴は以下の通りです。
相談先 | メリット | デメリット |
---|---|---|
金融機関(銀行) | ・知名度が高く安心感がある ・全国展開している銀行もある ・初心者へのサポートが手厚い | ・手数料が高い ・金融商品の種類が少ない ・手数料目当てやノルマ営業を受ける可能性がある |
証券会社 | ・資産運用に精通している ・知名度が高く安心感がある ・金融商品の種類が多い | ・手数料が高い ・手数料目当てやノルマ営業を受ける可能性がある |
FP(独立系) | ・お金に関する包括的なアドバイスを受けられる ・中立的な意見を求められる | ・具体的な金融商品の紹介は受けられない ・FPによって得意分野が異なる ・事業規模が小さい |
保険会社 | ・資産運用だけでなく保険に関する相談もできる ・知名度が高く、安心感がある | ・金融商品が保険に限られる ・手数料が高い ・手数料目当てやノルマ営業を受ける可能性がある |
投資助言会社 | ・売買のタイミングや自身に適した金融商品に関する具体的なアドバイスを受けられる ・投資に関する精通した知識がある | ・金融庁に登録していない会社もあるため ・少額からできる金融商品に対応しているケースが少ない |
IFA | ・中立的な立場でのアドバイスを受けられる ・長期的なサポートにより信頼関係を築ける | ・情報が少なく相談先選びが難しい ・事業規模が小さい |
相談先によってアドバイスを受けられる内容や対象範囲が異なります。納得できる資産運用をするためには、メリット・デメリットを比較しながら自身の希望や資産状況に合った相談先を選ぶことが大切です。
資産運用の相談先を選ぶ際のポイント
相談相手には資産状況を打ち明けることになるため、信頼に値するかどうかの見極めが重要です。といっても、具体的にどのような点を基準に選べばよいのでしょうか。ここでは、相談先の選び方とポイントを紹介します。
対応可能な業務の幅
最初に確認したいのは、対応できる業務内容です。例えば、独立系FP個人では、キャッシュフローやライフプランなどお金に関する幅広い相談ができる反面、具体的な金融商品の紹介や売買のタイミングといったアドバイスは受けられません。ただし、税理士や弁護士と提携し、対応可能な業務の幅を広げていることもあります。
「別のところに相談すればよかった……」と後悔しないよう、どのようなことを相談したいのかを明確にしておきましょう。相談する内容に応じて、「専門的な相談を受けられるか」「希望に合った資産運用ができるか」といった点を整理すると、理想の相談先が見えてきます。
料金体系や報酬の金額
手数料の種類や金額を明確にしてくれているかどうかも、確認しておきたいポイントのひとつです。料金体系が明確になっていない場合、追加で予定外の出費が発生する可能性があります。
また、アフターフォローや資産運用前の事前相談にも費用が発生するケースがあるため注意しましょう。一見「無料なのでは」と思える内容であっても、念のため事前に費用について聞いておくと安心です。
過去の実績と経験
相談相手は資産運用のプロであるため専門的な知識はあって当然ですが、実績が豊富だとは限りません。やはり、経験は豊富なほうが顧客ニーズに適した提案をしてくれる可能性が高いです。
したがって、「過去の相談数」や「実績数」はできるだけチェックしておきましょう。不明な場合は直接問い合わせても失礼ではありません。こちらの質問に真摯に答えてくれるかどうかも、信用のおける相談先を判断する際のポイントです。
複数サービスを比較
最初からひとつの相談先に決めるのではなく、複数の相談先にアドバイスを求め、返答内容を比較しながら絞っていくのも方法のひとつです。ひとつの相談先だけでは知り得ない情報を獲得できたり、自身と相性の良い担当者を見つけたりできる可能性があります。セミナーや無料相談などを活用して、相談先の雰囲気を確かめましょう。
「手数料の高い金融商品ばかりを紹介してくる」「強引に資産運用をすすめてくる」といったアドバイザーには注意しましょう。
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まとめ
IFAは、金融機関や証券会社での勤務経験を持つ方が独立して開業するケースが多く、専門的な知識と経験を持っているのが強みです。また、企業に属さないため、中立的な立場でアドバイスをしてくれます。
ただし、資産運用の相談ができるのはIFAだけではありません。信託銀行、投資助言会社、税理士といった複数の選択肢から、自身の希望に合った相談先を選ぶことが大切です。
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