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海外資産は税務調査の対象?ペナルティや税務調査の対処法などを解説

海外資産を有している方の中には、海外資産も税務調査の対象になるか気になっている方も多いのではないでしょうか。

海外資産について正しく対応できていない場合は、ペナルティを受ける可能性があるので注意が必要です。

この記事では、海外資産の税務調査の実態、税務調査が入る主なケース、指摘を受けた際のペナルティ、税務調査が入った際の対処法などを解説します。海外資産の税務調査について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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海外資産の税務調査の実態

税務調査とは、税務当局が税法の適正な適用と遵守を確保するために行う調査です。全員が調査を受けるわけではありません。税務当局は調査対象を選定し、納税者には事前に調査の通知が行われることが一般的です。

税務官が納税者の事業者や自宅を訪問し、帳簿や領収書、契約書、銀行の取引記録といった関連する書類の検査を行い、調査結果に基づいて追加の税金徴収または適切な是正措置が求められます。

国税庁が公表した「令和4事務年度 法人税等の調査事績の概要[匿名1] 」では、令和4事務年度の実地調査件数は62,000件、申告漏れ所得金額は7,801億円、追徴課税は3,225億円という結果でした。件数、追徴税額はともに前事務年度を上回っています。

主要な取り組みとして、海外取引法人等に対する取り組み(海外取引に係る申告漏れ所得、海外取引等に係る源泉徴収漏れ)を挙げており、海外取引のある法人に対しての税務調査が強化されていると言えます。

海外資産の税務調査が入る主なケース

海外資産の税務調査が入る主なケースとして、以下の3つが挙げられます。

  1. 海外の会社から給与を得ている
  2. 海外の不動産を売却した
  3. 為替差益が発生した

それぞれのケースを詳しく見ていきましょう。

海外の会社から給与を得ている

日本の会社に勤務している場合、支払われる給与は源泉徴収の対象となります。源泉徴収は雇用者が納税者の代わりに直接納税する制度です。そのため、従業員は税金が差し引かれた残りを受け取ることになります。

海外の会社に勤務している場合、支払われる給与は日本では源泉徴収の対象になりません。そのため、日本に住所を有する納税者は国内の所得と合わせて正確に申告する必要があります。しかし、海外の給与を隠して申告しないケースが想定されることから、税務当局は海外の会社から給与を得ている方の調査を重点的に行う傾向があるのです。

海外の不動産を売却した

海外の不動産を売却して所得を得た場合も日本での申告が必要です。不動産の売却によって得た利益は、売却価格と取得価格、経費などの差額で計算しますが、海外不動産の取引では価格の評価が容易ではありません。

税務当局は資産の隠蔽や価格操作の可能性を懸念し、海外不動産の売却について注意深く監視する傾向があります。

為替差益が発生した

海外との取引で為替差益が発生した場合は、投資利益または事業の一環としての収益かを判断し、申告しなくてはなりません。

為替差益は通貨価値の変動によって生じ、大きな利益または損失が発生する場合があります。そのため、税務当局は資金の流れを正確に把握し、適切な課税を行うために、詳細な調査を実施する可能性があるのです。

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海外資産の税務調査で指摘を受けた場合のペナルティ

海外資産の適正な税務申告をしていないことが税務調査で指摘された場合、以下のようなペナルティを受ける可能性があるので注意が必要です。

  • 過少申告加算税
  • 無申告加算税
  • 重加算税
  • 延滞税

それぞれのペナルティを詳しく解説していきます。

過少申告加算税

過少申告加算税とは、納税者が申告した税額が実際に支払うべき税額よりも少ない場合に課される加算税です。

過少申告加算税は、新たに納付することになった税金の10%相当額です。ただし、新たに納付する税金が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えているケースでは超えている部分については15%となります。

無申告加算税

無申告加算税とは、納税者が税金を期限内に申告していなかった場合に課される加算税です。ただし、期限を過ぎても、法定申告期限から1か月以内に自主申告しているといった一定の要件を満たす場合は無申告加算税が課されません。

各年分の無申告加算税は、納付すべき税額に対して50万円までの部分は15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額が原則です。

重加算税

重加算税とは、税金の申告や支払いなどに関して故意に違反した場合に課される税金です。意図的に収入を隠したまたは虚偽の情報を申告した場合などに重加算税が課されます。

過少申告加算税の代わりに課される場合は新たに納付することになった税額の35%相当額、無申告加算税の代わりに課される場合は納付すべき税額の45%相当額となります。

延滞税

延滞税とは、税金の支払いが期日までに完了していない場合に課される税金です。納税者の延滞が発生した日から支払うまでの期間に対して日割りで計算されます。

延滞税の税率は納期限の翌日から2か月を経過する日までは原則として年7.3%、納期限の翌日から2か月を経過した日以後は年14.6%です。

海外資産の税務調査が入った場合の対処法

税務調査が入った場合、海外資産に関する資料の提出を求められます。資料に不備があればペナルティを受ける可能性があるため、万が一の事態に備えて以下の対処をしておくことが大切です。

  • 法定調書といった必要書類を準備する
  • 法定調書以外の必要書類を準備する

それぞれの対処法について詳しく説明していきます。

法定調書といった必要書類を準備する

法定調書とは、企業や個人が法律に基づいて税務緒に提出する必要がある書類です。例えば、海外資産の税務調査では以下のような書類の提出が求められます。

  • 国外送金等調書
  • 国外証券移管等調書
  • 国外財産調書
  • 財産債務調書

国外送金等調書と国外証券移管等調書とは、国際取引の透明性を確保するための書類です。国外送金等調書は日本の居住者が国外に送金する際に提出が求められる、国外証券移管等調書は国外にある証券やその他の資産を移動・管理する際に使用します。

国外財産調書は日本の居住者が外国に保有する資産に関して税務署に提出する、財産債務調書は企業や個人が自身の財産や債務の状況などを明らかにするために税務署に提出する書類です(提出要件は資産規模によります)。

国外財産調書と財産債務調書は納税義務者が税務署に提出します。書き方が分からなければ税理士に相談しましょう。

法定調書以外の必要書類を準備する

税務調査では、法定調書以外にも以下のような書類の提出が求められる場合があります。

  • 会社概要
  • 議事録または稟議書
  • 各種帳簿データ
  • 請求書や領収書
  • 海外関連会社の会社概要
  • 財務諸表や申告書類
  • 契約書類
  • 海外送金依頼書

海外取引をしている企業は国内取引のみの企業よりも提出を求められる書類が多いため、不備なく対応するには海外取引や税務調査の知識や実績が豊富な税理士に相談することをおすすめします。

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まとめ:トラブルを回避するためにも正しく申告しよう

税務調査は税法遵守の確認、課税基準の正確性の確保、不正行為の防止と是正などの観点で実施されています。

国内資産だけでなく、海外資産も対象です。特に海外資産は源泉徴収の対象ではないため、税逃れや不正申告などが生じやすく、税務調査が重点的に行われる傾向があります。

不備なく対応するには海外取引や税務調査の知識や実績が豊富な税理士に相談することをおすすめします。

専門家に相談する際は、どのような専門家でも良いというわけではありません。国際案件の実績が豊富な専門家に相談しましょう。

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