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年収3,000万円以上に最適な節税方法は不動産投資!理由やポイントも紹介

年収が3,000万円以上あると、多額の税金や社会保険料が差し引かれ、手元に入るお金は半分程度になります。「節税して手残りを増やしたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、高所得者におすすめの節税方法である「不動産投資」をご紹介します。特に減価償却は節税効果を期待でき、理解を深めれば上手にメリットを享受できるようになるでしょう。

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年収3,000万円以上の方に節税が必要な理由

年収が3,000万以上あると所得税が高額になることや、さまざまな控除が利用できなくなるといったデメリットがあります。

手元に残るお金を増やすためにも、税務に関する基礎知識は押さえておきましょう。

税金対策が必要になる主な理由を3つ解説します。

  1. 給与所得控除が減っている
  2. 高い所得税率が課される
  3. 優遇制度が適用できなくなる

給与所得控除が減っている

経営者や個人事業主は事業に要した費用を経費にできますが、給与取得者であるサラリーマンは原則、経費を計上できません。代わりに、給与所得者には「給与所得控除」があります。給与所得控除は、給与収入から一定額を差し引きできる控除です。

ところが、この給与所得控除の上限額は税改正の度に減額されています。下記は、給与所得控除の推移です。

年度 給与等の収入金額(最高値) 給与所得控除額(限度額)
平成28年分 1,200万円超 230万円
平成29年~令和元年分 1,000万円超 220万円
令和2年分以降 850万円超 195万円

課税対象となる所得が増えれば、所得税額の増額につながります。今後もこのような税制改正は続く可能性は十分にあるでしょう。

参照: 国税庁 給与所得控除

高い所得税率が課される

年収が3,000万円あったとしても、そのうち一定額は税金や社会保険料として差し引かれます。中でも所得税は累進課税超過累進課税が採用されており、所得が増えるほど税率も高くなります。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円未満 5% 0円
195万円以上330万円未満 10% 9万7,500円
330万円以上695万円未満 20% 42万7,500円
695万円以上900万円未満 23% 63万6,000円
900万円以上1,800万円未満 33% 153万6,000円
1,800万円以上4,000万円未満 40% 279万6,000円
4,000万円以上 45% 479万6,000円

年収3,000万円の方の所得は「1,800万円以上4,000万円未満」に位置するため、40%の税率、279万6,000円の控除が適用されます。手取りとして残るのは、社会保険料や住民税を差し引いて1,700〜1,800万円ほどになると予想されます。

参照:国税庁 所得税の税率

優遇制度が適用できなくなる

所得が一定額を超えると一部の優遇制度を利用できなくなります。所得制限のある控除・制度の一例は以下の通りです。

制度 適用条件(所得額)
配偶者控除および配偶者特別控除 納税者本人のその年における合計所得金額が1,000万円以下の者
住宅ローン控除 控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下の者
住宅資金等の贈与税非課税制度 贈与を受けた年の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下の者(40平方メートル以上50平方メートル未満の住宅の場合は所得1,000万円以下)
結婚・子育て資金の一括贈与にかかる贈与税の非課税措置 受贈者の贈与を受ける前年分の所得税に係る合計所得金額が1,000万円以下の者
教育資金の一括贈与にかかる贈与税の非課税措置 受贈者の贈与を受ける前年分の所得税に係る合計所得金額が1,000万円以下の者

このように、所得が多い方はお得な節税制度の対象から外れる場合があります。年収3,000万円以上の高所得者は、控除や優遇制度以外の税金対策も適宜取り入れましょう。

年収3,000万円以上なら不動産投資で税金対策するメリット

不動産投資は、高所得者の方であれば耳にしたことのある節税方法かもしれません。よく知られている理由は、不動産投資には他の税金対策にはないメリットがいくつかあるためです。ここでは、代表的なメリットを3つご紹介します。

  1. 自分で管理する必要がない
  2. 他の所得と損益通算できる
  3. 支出をせずに経費に計上できる

自分で管理する必要がない

通常、株式やFXなどで投資する場合は、日々情報収集しながら売買を繰り返す必要があります。しかし不動産投資の場合、不動産の購入後は管理会社に運用を任せられます。不動産は株価や為替のように値動きが激しくない点も特徴です。入居付けさえできれば、毎月安定した家賃収入がコンスタントに入ってきます。

他の所得と損益通算できる

損益通算とは、平たくいえば黒字所得と赤字所得を相殺できる制度です。不動産投資で出た損失は、給与所得や事業所得など他の黒字所得から差し引きできます。

例えば、不動産所得が-1,500万円、他の所得が2,000万円だった場合、確定申告で損益通算をすることで総所得額を500万円にできます。所得が2,000万円ある方の所得税額は520万4,000円ですが、所得が500万円にまで減ると所得税額が57万2,500円で済みます。

  • 所得2,000万円の場合:2,000万円×40%-279万6,000円=520万4,000円
  • 所得500万円の場合:500万円×20%-42万7,500円=57万2,500円

支出をせずに経費に計上できる

不動産投資では、「減価償却」を利用して不動産所得を圧縮するのが一般的です。減価償却は、固定資産の取得にかかった費用を耐用年数に応じて配分し、経費計上する仕組みになっています。

つまり、実際には取得費用が発生していない年でも減価償却分は経費として控除できるため、うまく利用すれば「会計上の赤字」を作り出せます。

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不動産投資で活用する減価償却とは

不動産投資で節税する大きなメリットは、減価償却によって、実際に出費を伴うことなく赤字を作れることです。この仕組みをうまく活用すれば節税を期待できるでしょう。ここでは、減価償却の概要や償却期間に関わる耐用年数などを解説します。

減価償却の制度内容

不動産や自動車、パソコンなど、時間の経過や使用による劣化によって価値が下がる資産に適用するのが「減価償却」です。会計手続きの一種で、固定資産を使用できる年数に応じて分割し、その費用を経費として計上する方法です。減価償却ができる資産として認められるものには次のような条件があります。

  • 1年以上の長期にわたって使用すること
  • 取得価額(購入金額)が10万円以上であること

不動産投資のためにアパートやマンションを購入した場合は、減価償却の適用条件に合致します。

減価償却の耐用年数

減価償却を適用するにあたり、確認しておきたい項目は「耐用年数」です。耐用年数は建物の造りや設備によって期間が異なります。

【建物の構造の一例】

構造 耐用年数
鉄骨造(厚さ3㎜以下) 19年
木造モルタル 20年
木造 22年
鉄骨造(厚さ3㎜超え4㎜以下) 27年
鉄骨造(厚さ4㎜超え) 34年
レンガ・石・ブロック造 38年
RC造の建物(鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造) 47年

【建物付属設備の一例】

構造※住宅用 耐用年数
電気設備 6~15年
アーケード・日よけ設備 8~15年
給排水、衛生設備、ガス設備 15年
冷房、暖房、通風、ボイラー設備 13~15年

なお、土地は年数の経過に伴い劣化するものではないため、減価償却の制度を適用できません。

中古物件のケース

中古物件を購入した際の耐用年数は、法定耐用年数の残存期間の長さにより異なります。計算式と注意点は以下の通りです。

法定耐用年数の全てを経過しているケース
(残存期間なし)
法定耐用年数×20%
法定耐用年数の一部を経過しているケース
(残存期間あり)
(法定耐用年数-経過年数)+(経過年数×20%)

※年数に1年未満の端数があるときは、その端数を切り捨てる
※年数が2年に満たないときは、2年としてカウントする

経過年数25年の中古RC造マンションを購入したと仮定すると、この場合の耐用年数は、(47年-25年)+(25年×20%)=27年になります。

減価償却の計算方法と種類

減価償却費を求めるときは、2つの計算方法を使用します。不動産購入時に自分でも減価償却費を計算できるよう、具体的な方法を事前に確認しておきましょう。

  1. 定額法
  2. 定率法

なお、平成19年4月1日以後に取得した建物(躯体)、平成28年4月1日以後取得の建物付属
設備(設備類)は、「定額法」という計算方法に限定されています。以下で計算例とともに解説します。

定額法の計算方法

定額法は、減価償却費として毎年一律の金額を計上する方法です。計算式は「取得価額×定額法の償却率」です。次の条件で実際に計算してみましょう。

【計算例】

  • 取得価額:7,000万円
  • 取得年月日:令和4年2月1日
  • 法定耐用年数:47年
  • 定額法償却率:0.022
  • 減価償却費:7,000万円×0.022=154万円

この事例の減価償却費は年間154万円で、47年間にわたって154万円を経費として計上可能です。なお、定額法・定率法の償却率は耐用年数ごとに細かく規定されています。詳しくは国税庁のホームページを確認しましょう。

参照:国税庁 減価償却のあらまし 

定率法の計算方法

定率法は、未償却の残高に対して一定率をかけて減価償却する方法です。最初は減価償却費用が大きくなりますが、年数の経過に伴い未償却残高が少なくなるため、減価償却費も徐々に減っていきます。計算式は「(取得価額-これまでに償却した金額)×定率法の償却率」で計算します。

【計算例】

  • 取得価額:7,000万円
  • 取得年月日:令和4年2月1日
  • 法定耐用年数:47年
  • 定率法償却率:0.053

つまり、減価償却費1年目は「7,000万円×0.053」で371万円になり、2年目は「(7,000万円-371万円)×0.053」で351万3,370円になる計算です。

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不動産投資で節税する3つのポイント

不動産投資による節税メリットを最大限享受するためにも、投資時のポイントを事前に確認しておきましょう。「物件選び」「売却時期」の2つの視点から解説します。

  1. 減価償却に適した物件を選ぶ
  2. 5年を超える期間保有してから売却する
  3. 減価償却期間が終了したら早めに手放す

減価償却に適した物件を選ぶ

減価償却費として計上できる金額が多ければ、その分、課税所得を減額できます。したがって、不動産を購入する際は減価償却に適した物件を選びましょう。

ポイントは期間です。減価償却の期間が短くなるほど1年間の控除額が増えるため、「木造」や「中古」といった減価償却期間が短い物件は有利になり得ます。また、減価償却に含まれない土地の価格が高いわりに、建物の価値は低い物件は要注意です。

5年を超える期間保有してから売却する

不動産を売却すると、売却益は譲渡所得に加算され譲渡税がかかります。譲渡税の計算式と税率は以下の通りです。

【計算式】

  • 譲渡所得=譲渡価格-(取得費+譲渡費用)

【税率】

  短期譲渡所得 長期譲渡所得
所有期間 5年以下 5年超
税率
※復興特別所得税(2.1%)を含む
39.63%
所得税:30.63%
住民税:9%
20.315%
所得税:15.315%
住民税:5%

長期譲渡所得は短期譲渡所得に比べ20%近く税率が低いため、5年を超える期間保有してから譲渡するほうが節税効果を期待できます。不動産投資を始める際は、売却時までの総合的な費用の確認や、具体的な出口戦略を立ててから計画的に実行しましょう。

参照: 国税庁 土地や建物を売ったとき 

減価償却期間が終了したら早めに手放す

減価償却を適用できる期間は限定されており、期間終了後は経費計上できる費用が減ります。

不動産所得が一気に増額し、総所得が跳ね上がる可能性があるため節税の観点からは注意が必要です。節税効果の役目を終えたところで、早めに手放すのも方法の一つでしょう。

減価償却を用いた節税方法のデメリットや注意点

 

減価償却は大きな節税効果を期待できる制度ですが、気を付けたいポイントもいくつかあります。

使用方法を間違えると、かえって税額が増えたり手続きの手間が増えたりするため、事前に注意点を確認しておくことが大切です。

  1. 税制改正で節税効果が小さくなっている
  2. 減価償却できないものもある
  3. 税務署から指摘を受ける場合がある

税改正で節税効果が小さくなっている

平成28年の税制改正によって、定率法ではなく定額法を適用する物件・建物付属設備が増えました。定率法であれば、「未償却の残高に対して一定率をかける」ため、不動産取得後数年間の減価償却費が大きくなります。

一方の定額法は、毎年一律の金額を計上する方法です。短期〜中期的な不動産投資では、大きな節税効果を見込むのは難しいといえるでしょう。税制改正は時代の流れや経済状況に応じて適宜見直されるため、今後の税制改正でも節税効果の縮小が続く可能性は否定できません。

減価償却できないものもある

土地や借地権は減価償却できない固定資産です。経過年数と共に価値が下がらないため、減価償却を適用できません。

減価償却できるもの 事業用建物、建物付属設備、機械装置、車両運搬具 など
減価償却できないもの 土地、借地権、骨董品 など

不動産を購入する際は、「土地」「建物」「建物付属設備」などの購入価格をしっかりとチェックしましょう。土地が占める割合が大きい場合は、減価償却による節税効果が小さくなります。

税務署から指摘を受ける場合がある

給与の年間収入金額が2,000万円を超える方には確定申告が必要ですが、給与以外の所得が20万円を超える場合も申告しなければなりません。不動産投資の収入がある方の場合、投資用物件を取得したときや、売却したとき、あるいは不動産所得の変動が激しいときには、税務署から「お尋ね」を受けるケースがあります。

「お尋ね」だけで済めばよいですが、何らかのミスで正しく申告できていない場合は要注意です。例えば、「必要経費が実際の金額より多い」「計算内容が誤っている」といったケースです。重加算税や過少申告税などが課される恐れもあるため、万全を期すなら税理士に相談することをおすすめします。

年収3,000万円以上の節税スキームに関するよくある質問

ここまで、年収3,000万円を超える方の節税対策について解説しました。以降では、そうした層の方からよくある質問にお答えしていきます。

法人で取得してもこの節税スキームは可能ですか?

法人の場合、収益物件を取得した節税スキームを利用してもあまり効果は期待できません。

というのも、法人は赤字計上のために減価償却費を利用しても、下記2つの税率は同じ割合となります。よって、税額の減少は期待できません。

  • 毎年の確定申告で還付される法人税率
  • 売却時に譲渡所得へと課せられる法人税率

とはいえ、税金を支払うタイミングを先送りにはできますので、資金に余裕を持たせたい場合には有効です。

海外の不動産をこの節税スキームのために購入しても大丈夫ですか?

海外不動産を利用した節税スキームは、2024年6月現在では認められていません。

2020年の税制改正によって、海外不動産に対する減価償却や損益通算が適用できなくなりました。よって海外の不動産所得に会計上の赤字が出ても、本業の所得と損益通算はできません。

日本国内の収益物件でのみ節税スキームを活用できます。

築古・木造物件は本当に売却できますか?

結論、築古・木造物件は売却できます。というのも、減価償却をするために築古木造物件を購入する方が一定数いるからです。

特に、下記のような物件は比較的売却できる可能性が高いです。

  • 立地が良いなど資産価値がある物件
  • 入居されていて定期的なメンテナンスもされている物件
  • 総額1億円程度の物件

築古・木造物件は有効活用していきましょう。

年収3,000万円以上で不動産投資による節税をご検討ならネイチャーグループへ

節税のために不動産投資にチャレンジしてみようにも、疑問や不安を感じている方もいるでしょう。「減価償却」や「耐用年数」、「定率法」「定額法」「譲渡所得の税額」など、不動産投資にはさまざまな税務知識が必要です。

不動産投資を含む高所得者の方の節税対策は、ぜひネイチャーグループ(税理士法人ネイチャー、株式会社ネイチャーウェルスマネジメント)にお任せください。

税務や資産運用に精通した専門家が多数在籍しており、税金対策から保有資産の向上に向けたコンサルティングまでのトータルサポートが可能です。国内外の相談・案件数は年間2,000件、累計10,000件を超える豊富な実績もあります。節税でお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ:年収3,000万円以上での節税なら不動産投資を検討しよう

不動産投資のメリットは減価償却の制度を利用して、会計上の赤字状態を作れることです。実際の支出は初年度しかない場合でも、数年〜数十年にわたって不動産の取得費用を経費計上できます。

不動産投資による節税を検討中の方は、ネイチャーグループ(税理士法人ネイチャー、株式会社ネイチャーウェルスマネジメント)にご相談ください。税務に関する豊富な知識と経験を持つ税理士及び税金対策に特化したコンサルタントが、お客様のご希望に合わせた税金対策を提案いたします。

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