不動産賃貸業の節税なら税理士がおすすめ!依頼先の選び方やメリットを解説

不動産賃貸では、家賃収入が入ってきても、管理費、修繕費、固定資産税、借入金の返済などを差し引いたあとに、実際にどれだけ手元資金が残るのかを確認することが重要です。

帳簿上は黒字であっても、借入金の元本返済や大規模修繕などの支出が重なると、手元資金が思ったほど残らないことがあります。

不動産には、取得から売却まで各段階に独特の税務のポイントがあります。資産管理会社を使う場合には、さらに考えることが広がっていきます。

この記事では、不動産賃貸業の節税を相談できる税理士の選び方を、物件のキャッシュフローと相続・資産承継の2つの視点から解説します。税額の計算だけでなく、借入金返済後に手元へ残る資金まで一緒に確認してくれる税理士を選ぶ際の参考にしてください。

法人税

不動産賃貸業の節税対策を相談できる税理士の選び方

不動産賃貸業の税務では、物件取得時の処理が、その後の減価償却費、消費税、売却時の税額、相続税評価にまで影響することがあります。

税理士を選ぶ際は、単に確定申告や法人決算を依頼できるかだけでなく、不動産特有の論点に対応できるかを確認することが重要です。

  • 土地・建物の按分とデッドクロスをきちんと試算してくれるか
  • 個人保有と資産管理会社の違いを比べてくれるか

土地・建物の按分とデッドクロスをきちんと試算してくれるか

物件を購入した際、売買契約書等において購入代金を建物(減価償却できる)と土地(減価償却できない)にどのような根拠(固定資産税評価額比率や鑑定評価など)で按分するかで、その後に経費化できる金額が大きく変わります。

ただし、建物の割合を任意に高く設定できるわけではありません。売買契約書で土地と建物の金額が区分されていない場合などは、取得時のそれぞれの時価、固定資産税評価額、取得原価などを基礎として、合理的に区分する必要があります。建物と土地では消費税の取扱いも異なるため、売買契約、請求書などを確認し、按分方法と根拠を記録できる税理士を選びましょう。

また、不動産投資においては、ローンの元金返済額(経費にならない支出)が減価償却費(支出を伴わない経費)を上回るデッドクロスに注意が必要です。この2つが逆転すると、利益は出ているのに手元にお金が残りにくくなる場合があります。

もっとも、デッドクロスが生じたことだけで資金不足が決まるわけではありません。家賃収入、空室率、借入金利、修繕計画、固定資産税、所得税・法人税、売却予定などを反映した年次のキャッシュフロー表を作成し、借入金返済後の資金を試算できるかを確認することが重要です。

個人保有と資産管理会社の違いを比べてくれるか

個人の不動産所得には、他の総合課税の所得と合算した課税所得に応じて、原則5%から45%の所得税率が適用されます。所得が増えた場合は資産管理会社の設立を検討できますが、その効果は所得規模、役員報酬、社会保険料、法人の維持費、売却・相続などによって異なります。

また、個人物件を法人へ移す場合は、譲渡所得、登録免許税、不動産取得税、借入先との調整などが生じる可能性があります。設立・移転費用や中長期の税引後キャッシュフロー、法人株式の相続まで比較できる税理士を選びましょう。

こちらの記事では資産管理会社の活用について解説しています。

不動産賃貸業が税理士へ依頼する際にかかる費用相場

不動産オーナーが税理士へ支払う報酬は、個人か法人か、物件数、年間の取引件数、記帳代行の有無、消費税申告が必要かどうか、物件の売却や相続があるかどうかなどによって変わります。おおよその目安は次のとおりです。

依頼内容費用の目安主な業務内容
月次税務顧問(確定申告)3万〜10万円/月日々の家賃収入・管理費の記帳指導、個人・法人の決算申告
資産ポートフォリオ再構築個別見積もりデッドクロス回避のシミュレーション、物件買い替えによる新たな減価償却費の確保・活用
事業承継・相続個別見積もりプライベートカンパニーの株式評価、次世代への不動産の有利な引き継ぎ

※上記は一般的な料金例をもとにした目安であり、税理士法人ネイチャーの料金表ではありません。実際の報酬は、事業規模や業務範囲によって異なります。

個人の確定申告では状況により報酬が変わります。法人の月次顧問では、記帳代行、給与計算、年末調整、償却資産申告、消費税申告、決算申告などが別料金となる場合があります。

資産管理会社の設立、不動産を法人へ移す場合の税務試算、複数物件の組替え、相続税評価、遺産分割や納税資金の検討などは、通常の確定申告・顧問契約とは別に見積もられるのが一般的です。

法人税

不動産賃貸業の節税対策を税理士に依頼するメリット

不動産に詳しい税理士へ相談すると、所得税や法人税の計算だけでなく、借入金返済後の資金や相続時の財産構成まで含めて検討しやすくなります。主なメリットは次のとおりです。

  • 法人と個人を通じた税引後キャッシュフローを比較できる
  • 融資判断に必要な収支・返済の資料を整えやすくなる

法人と個人を通じた税引後キャッシュフローを比較できる

個人保有と法人保有では、家賃収入への課税、資金の受け取り方、売却時の税務、相続財産の内容が異なります。法人から資金を受け取る場合も、役員報酬、配当、退職金などの方法によって、法人・個人双方の課税関係が変わります。

税理士へ相談し、所得税・法人税だけでなく、住民税、社会保険料、法人維持費、借入金返済を含む税引後キャッシュフローを比較しましょう。不動産の相続税評価は利用状況や賃貸割合、権利関係などによって異なるため、遺産分割、納税資金、物件管理を引き継ぐ人まで一体的に検討することが重要です。

融資判断に必要な収支・返済の資料を整えやすくなる

不動産事業を拡大していくためには、金融機関からの融資が必要になることがあります。税理士が収支を整理することで、オーナー自身が返済余力を把握し、金融機関へ事業状況を説明しやすくなります。

税金を減らすためだけに過度な経費を計上し、赤字決算にしてしまうと、次の物件を購入するための融資が下りなくなってしまいます。手元資金の確保と高い融資評価の維持、その絶妙なバランスを考慮した財務戦略が可能です。

税理士の関与によって融資条件が有利になることが保証されるものではありませんが、正確な会計資料と将来の返済計画を整えることは、物件取得の可否を判断するうえでも役立ちます。

不動産賃貸業の節税対策を税理士に依頼する注意点

不動産の節税対策を税理士へ依頼する際は、対策を実行する前に相談し、税額以外の費用や資金繰りも比較することが重要です。次の2点を確認しましょう。

  • 修繕・物件取得・法人設立を決める前に相談する
  • 節税額だけでなく売却・相続まで含む試算を確認する

修繕・物件取得・法人設立を決める前に相談する

修繕工事や物件購入、資産管理会社の設立を決めた後に税理士へ相談すると、契約内容や実行時期を変更できず、検討できる対策が限られる場合があります。工事を予定している場合は、契約前に見積書と工事内容を共有し、修繕費と資本的支出の見込みや、実施後の資金繰りを確認しましょう。

物件取得や法人化についても、売買契約や融資の申込み前に相談することが重要です。税理士へ依頼する際は、必要な資料、検討に要する期間、司法書士など他の専門家との役割分担、追加報酬の有無まで事前に確認してください。

節税額だけでなく売却・相続まで含む試算を確認する

税理士から節税対策を提案された場合は、当年の所得税や法人税がいくら減るかだけで判断しないことが重要です。修繕や物件購入では支出後の預金残高、借入金返済、空室や金利上昇への備えを確認します。

資産管理会社の設立では、設立費用、毎年の維持費、役員報酬、社会保険料、物件移転時の譲渡所得・登録免許税・不動産取得税なども比較しましょう。対策を実行する場合としない場合について、保有期間中の税引後キャッシュフローに加え、将来の売却税務、相続税評価、法人株式の承継まで同じ条件で試算してもらうことが大切です。

不動産賃貸業の節税対策なら税理士法人ネイチャー

複数の賃貸物件を保有する場合は、物件ごとの収支に加え、借入金返済、大規模修繕、売却時の税務、相続税の納税資金まで見通す必要があります。個人所有の不動産と資産管理会社の株式を別々に検討すると、資産配分が将来の目的に合わなくなる可能性もあります。

税理士法人ネイチャーでは、不動産賃貸業を法人化するべきかどうかというアドバイスや、不動産賃貸業の事業承継に対する支援を、それぞれのご状況に合わせて行っております。初回のご相談は無料です。法人・個人の税金対策、余剰資金の運用、相続・資産承継に関する相談先としてご活用ください。

保有物件、金融資産、借入金を整理し、税引後の手取りとリスクを踏まえて資産運用と税金対策を一体的に検討したい方は、ぜひご相談ください。

まとめ:不動産賃貸業の節税は税理士に相談しよう

不動産の節税対策では、物件を購入して減価償却費を計上することだけでなく、土地・建物の按分、借入金の元本返済、修繕費と資本的支出、消費税、売却時の税務を取得から売却まで通して確認する必要があります。

資産管理会社を利用する場合も、個人と法人の税率差だけで判断せず、役員報酬、社会保険料、法人の維持費、物件移転時の税負担、法人株式の承継まで比較しましょう。さらに、相続では土地・建物の評価だけでなく、遺産分割、借入金、納税資金、物件管理を引き継ぐ人を決めておくことが重要です。

法人化や相続・資産承継を一体的に検討したい方はぜひお問い合わせください。

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