資産を増やすには、節約や節税といった守りだけでなく、株や投資信託などの資産運用も欠かせません。しかし、資産運用はリスクを伴うため、アドバイザーであるIFAに相談したいと考えている方もいるのではないでしょうか。
相談するIFAによって、資産運用による収益は大きく変動するため、信頼できる相談先を見つけることが重要です。
そこで本記事では、IFAを決める選び方のおすすめや、相談前の注意点などについて解説します。相談前に準備しておきたいポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
IFAとは独立系投資アドバイザーのこと
IFA(Independent Financial Advisor)とは、独立系金融アドバイザーのことです。一般的な投資アドバイザーは、証券会社や銀行に所属しつつ資産運用のアドバイスを行います。
しかし、多くのIFAは証券会社や銀行に所属していません。独立した状態で、豊富な金融知識や経験に基づくアドバイスを行います。
加えて、株式や債券、投資信託などの金融商品の説明や販売仲介を手掛けています。
IFAを決めるおすすめの選び方6選
IFAであれば、誰に相談しても資産運用の運用結果が同じとは限りません。運用結果を高く維持するには、運用実績が豊富で信頼できるIFAへの相談が大切です。
IFAを決めるおすすめの選び方として、以下の6つが挙げられます。
- 「FD宣言」を公表しているか
- IFAの登録から3年以上経過しているか
- リスク・リターンに関する説明が丁寧か
- 金融商品の知見が豊富で包括的な提案をもらえるか
- 担当者の出身金融機関はどこか
- 担当者との相性は良好か
「FD宣言」を公表しているか
「FD宣言」とは、金融庁が2017年に発表した「顧客本位の業務運営に関する原則」のことです。IFAを名乗る詐欺が横行したことから、FD宣言が設けられました。
FD宣言は以下の7つの項目から成り立っています。
- 顧客本位の業務運営に関する方針の策定・公表等
- 顧客の最善の利益の追求
- 利益相反の適切な管理
- 手数料等の明確化
- 重要な情報の分かりやすい提供
- 顧客にふさわしいサービスの提供
- 従業員に対する適切な動機づけの枠組み等
参考:「金融庁 顧客本位の業務運営に関する原則(案)」(2021年1月15日改)
なお、方針の宣言は義務ではなく、IFAの中にも公表と非公表で分かれます。しかし、公表の有無で顧客本位の支援を行う意思を明確にしているか見極められるため、宣言しているIFAを選びましょう。
IFAの登録から3年以上経過しているか
IFAの登録から3年以上経過しているかといった基準値を設定した比較も有効です。
IFAを選ぶうえで、資産運用の相談・支援実績は考慮したいところです。しかし、実績の豊富さと言っても明確な基準がありません。
3年以上事業を継続しているなら、一定数の顧客を獲得して継続的に相談に応じているIFAだと分かります。
IFAの登録から3年以上をIFA選びの1つの目安とし、ホームページを開設している場合は、会社の歴史・沿革、累積相談実績なども確認します。実績やIFAの資産運用に対する考えが明確になるため、自分に合うIFAを見つけやすくなるでしょう。
リスク・リターンに関する説明が丁寧か
そして、資産運用におけるリスクとリターンの説明が丁寧かどうかも確認してください。
- リスク:金融商品の価格の振れ幅・値動きのこと
- リターン:資産運用により得られる成果・利益のこと
一般的にリスクの大きな金融商品ほど大きなリターンが期待できます。逆にリスクの小さな金融商品ほど期待できるリターンは小さくなります。
IFAは相談者に対して資産運用についてのアドバイスを行いますが、実際に運用を行うのは相談者本人です。リスクとリターンは表裏一体の関係で、IFAがリスク・リターンについて丁寧に説明してくれなかった場合、投資判断を誤り資産を大きく減らす可能性があります。
投資判断を誤らないためにも、リスク・リターンについての説明が丁寧なIFAにサポートを依頼しましょう。
金融商品の知見が豊富で包括的な提案をもらえるか
IFAが扱う金融商品は、株や投資信託、債券、保険などのように多岐にわたります。知識が乏しい担当者では、金融商品の引き出しが少なく、相手に合った商品の提案ができません。
一方、豊富な知見がある担当者なら、多岐にわたる金融商品の中から相手に適した商品の提案が可能なケースが多いです。
「なぜその商品をおすすめするのか」「リスクはないか」も分かりやすい説明が期待できるため、金融商品の内容を納得した上で運用を開始できるでしょう。
担当者の出身金融機関はどこか
IFAの担当者が、銀行や保険会社、証券会社のどの金融機関出身であるかも確認してみてください。
銀行や保険会社出身の担当者の場合、ライフプランニングや保険商品には強みがあります。一方、証券会社出身の担当者の場合、株や投資信託などのリスク商品に強い傾向が見られます。
担当者がどの金融機関出身かによって得意とする提案内容は異なるため、出身金融機関がどこなのかを事前に確認しておきましょう。
担当者との相性は良好か
IFAに資産運用を相談する際、担当者との付き合いは長期にわたるため、担当者との相性が良好かどうかも重要な判断材料となります。
例えば、自分の意見を押し付けず、相談者の意見や状況をしっかりと汲み取ったうえで相談者に最適な提案ができるかは大切なポイントです。
当然ながら、担当者都合で提案されても、自身への利点は何もありません。担当者の実績や相性も確認しておきましょう。
資産形成でIFAの利用をおすすめする4つの理由
資産形成は、独断でも実行できます。しかし結論、独断での実行はおすすめしません。
そこで、IFAへの相談をおすすめする4つの理由を紹介します。
- 資産運用のプロにお任せできる
- 顧客目線での客観的なアドバイスを受けられる
- 利益相反なく中長期的な相談ができる
- 豊富な商品ラインナップの取り扱いがある
資産運用のプロにお任せできる
IFAに相談する最大のメリットは、金融知識と運用経験が豊富なプロにお任せできることです。
もし、独断で資産形成を行う場合、投資判断を誤り資産を失いかねません。
証券会社や銀行での勤務経験があるIFAに相談すれば、的確なアドバイスをもらい、適切な投資判断のもと資産運用ができるでしょう。
顧客目線での客観的なアドバイスを受けられる
証券会社や金融機関に所属する金融アドバイザーに資産運用のアドバイスを求めた場合、所属先の販売方針に基づいたアドバイスとなるので客観的とは言えません。
IFAは金融商品仲介業者として登録を行い、証券会社とは業務委託契約を交わしています。IFAと証券会社は協業相手という関係になるため、販売方針に基づく必要はありません。
また、IFAは証券会社や金融機関に所属しておらず、会社都合の転勤が基本的にないため、同じ担当者による長期的なサポートを行ってくれます。
住宅の購入やお子さんの進学、老後など自身のライフイベントに合う客観的な資産運用のアドバイスを受けられるでしょう。
利益相反なく中長期的な相談ができる
また、IFAなら利益相反することなく、中長期的な相談ができます。
一般的な金融アドバイザーは、相談者が取引するたびに売買手数料を受け取ります。つまり、相談者側の損利益に関わらず手数料を得られるので、利益相反が起こることも少なくありません。
しかし、IFAの報酬は、預かり資産に連動して上がる仕組みの形態が一般的です。つまり、取引による相談者の資産増加に伴いIFAの報酬も増えるため、利益相反が発生しにくいです。同じ目線で中長期的に相談できる点も、メリットと言えるでしょう。
豊富な商品ラインナップの取り扱いがある
証券会社や金融機関に所属する一般的なアドバイザーは、自社商品の中から金融商品を提案するため、商品ラインナップが限られます。
しかし、IFAの場合は複数の証券会社と業務委託契約を締結しているため、商品ラインナップが豊富です。
1社だけではなく、複数社の商品ラインナップの中から自分に合う商品を選択できるため、目的に合った商品を見つけやすいでしょう。
資産形成でIFAを利用する上での注意点3つ
IFAへの相談には利点が多いものの、注意しなければならないポイントもあります。
主に注意すべきポイントは以下の3つです。
- 手数料が発生する
- 金融機関や証券会社よりも会社規模が小さい
- IFAの比較検討が難しい
手数料が発生する
IFAは、相談者の資産運用を総合的にサポートしています。そのサポートに対して、手数料を支払わなくてはなりません。
発生する手数料は信託報酬(保有資産の0.1~3%程度)や購入時の仲介手数料(取引金額の0.1~3%程度)コンサルティング料(IFA業者によって異なる)などがあります。
金融機関や証券会社よりも会社規模が小さい
資産運用の相談は、会社規模の大きい大手の方が安心できるでしょう。その点、IFAの企業規模は、金融機関や証券会社と比べて大きくありません。
しかし、会社規模で良し悪しが決まるわけではなく、あくまでも預けた資産はIFAではなく証券会社に管理されています。
IFAが破綻した場合に、大切な資産を失うのではないかと不安に感じる方もいるでしょう。しかし、資産は分別管理されているので安心です。分別管理とは、証券会社に預託した有価証券や金銭を証券会社の資産とは明確に区分して管理することです。もしIFAが破綻しても大切な資産は分別管理によって影響を受けません。
なお、会社規模が小さいことで、経営コストの負担も少なく済みます。営業ノルマも厳しくないケースが多いため、顧客に寄り添った提案を実現しやすいでしょう。
IFAの比較検討が難しい
IFAは数が多く、比較検討が容易ではありません。IFAによって業務範囲のほか、取り扱うサービスや投資スタンスも異なります。
IFAを利用している方も多くないため、インターネット検索でも比較検討に有益な情報が手に入りにくいでしょう。
セミナーへの参加やホームページで閲覧できる情報の比較など、少ない情報の中で総合的に判断する必要があります。
IFAに相談する前に準備しておきたいポイント
IFAへの相談をスムーズに進めるためにも、事前準備が大切です。
では、具体的にIFAへ相談する前に、準備しておきたい3つのポイントを紹介していきましょう。
- 資産運用の目的を明確にしておく
- 現在の資産状況を把握する
- 資産運用の基本的な知識を押さえておく
資産運用の目的を明確にしておく
まず、資産運用の目的を明確にしてください。というのも、目的によって目指す利益額やリスク・リターンのバランスが異なるからです。
目的の主な例としては「住宅購入の頭金を確保したい」「子どもの教育費を確保したい」「老後に備えたい」「生活費の足しにしたい」などが挙げられます。
目的やゴールから逆算した投資計画が練れるため、より達成しやすくなるでしょう。
現在の資産状況を把握する
現在の資産状況を把握することも欠かせません。資産状況によっては、運用に回せる余剰資金が異なるためです。
目標利益が高く資金が少ない場合、ハイリスクでハイリターンの金融商品の運用を検討する必要があります。一方、目標利益が低く資金が多い場合には、ローリスクでローリターンの金融商品の運用が適します。
目標利益に合わせたリスクとリターンのバランスを選択すれば、目標達成の可能性がさらに高まるでしょう。
資産運用の基本的な知識を押さえておく
IFAに資産運用について相談すると、自身に合った金融商品のアドバイスを受けられます。しかし、あくまでもアドバイスを受けられるだけで運用するのは相談者本人です。
最終的には自身で決定しなければならず、基本的な資産運用の知識がなければ判断できません。
IFAのアドバイスを踏まえて金融商品を選び、投資判断を誤らないためにも資産運用の基本的な知識は身につけておきましょう。
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独立系金融アドバイザーであるIFAは、利益相反がなく、幅広い金融商品の中から最適な金融商品を客観的な立場で提案できます。
そのため、投資経験がなく、投資のプロにアドバイスを受けながら資産運用をしたい方はIFAへの相談も選択肢の1つでしょう。
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まとめ:信頼できるIFAは選び方のおすすめを押さえて見つけよう
資産運用のプロであるIFAに相談してアドバイスを受けることで、ローリスクでの資産運用が期待できます。しかし、IFAは多数あり、自分に合うIFAを見つけるのは容易ではありません。
信頼できるIFAに資産運用のアドバイスを受けるためには、本記事で紹介した選び方を押さえておけば、見つかる確率を高められるでしょう。
なお、資産運用に関連する悩みや疑問がある方は、ネイチャーグループ(税理士法人ネイチャー、株式会社ネイチャーウェルスマネジメント)にご相談ください。資産運用や税務に関連する専門知識を持つプロがお客さまに最適なプランをご提案いたします。
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