「太陽光発電の節税対策が知りたい」
「脱税にならないように気をつけたい」
太陽光発電は、運用方法によっては高い節税効果を得られるものでもあり、売電収入を得られることから人気の資産運用の一つです。
しかし、利益が得られる投資である以上、課税対象になるのは避けられません。利益を手元に残すためには、節税対策は必要です。
そこで本記事では、太陽光発電における節税対策を解説します。仕組みやメリットも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
節税できる太陽光発電には2つのタイプがある
節税できる太陽光発電には、自家消費型と全量売電型の2つのタイプがあります。
1.自家消費型の太陽光発電
自家消費型の太陽光発電は、発電した電気エネルギーを住宅や会社の電気として利用する方法です。電気会社からの購入部分を減らすことで、電気代を節約できる方法になります。
以前に比べ売電価格が低下したことや、FIT制度が終了したことで自家消費型に切り替えて運用するケースも多い現状です。
最近ではZEH住宅という太陽光発電で生み出したエネルギーのみで生活できるよう設計された住宅も存在します。
2.全量売電型の太陽光発電
全量売電型の太陽光発電は、発電した電力を電力会社に販売することで収益を得る方法です。
太陽光発電事業を行う法人の多くがこの方式で、残りFIT期間がある太陽光発電であれば安定した収入が望めます。
10kW以上の産業用のものを活用するケースがほとんどであり、土地に多数の太陽光パネルを並べて発電する方法が一般的です。
太陽光発電にかかる税金の種類
太陽光発電にかかる税金の種類は、主に以下の3つです。
- 法人税(個人の場合は所得税)
- 固定資産税
- 償却資産税
それぞれポイントが異なるため、一つひとつ見ていきましょう。
法人税(個人の場合は所得税)
売電した場合は所得と見なされるため、法人税(所得税)がかかります。基本的に課税対象となるのは売電部分のみで、自家消費分は経費にならないケースが多いです。
また、住宅の屋根に取り付けており、10kW未満かつ自家消費などを行っている場合は、個人の利用目的と判断され非課税になるケースがあります。
固定資産税
こちらも10kW以上の産業用かつ事業で運用する場合は、固定資産税がかかります。新品で購入した場合、太陽光発電の法定耐用年数は17年であるため、固定資産税が17年間かかり続けます。
太陽光発電部分の固定資産税は、後述する「償却資産税」として計算されますが、土地の部分は固定資産税である点にも注意が必要です。
10kW未満の住宅用の場合、固定資産税がかかるかどうかは、ケースバイケースになります。一例として、屋根と太陽光パネルが一体化した物件では、家屋として課税対象となり固定資産税がかかるケースが多いです。
後付けで架台を設置し、そこに太陽光パネルを装着した場合は非課税になるケースもあります。
庭などに設置する場合は10kW未満は非課税、10kW以上が課税対象となることが多いです。
償却資産税
太陽光発電では、固定資産税の中の一種である「償却資産税」がかかります。これは、土地や建物以外の償却資産にかかるものであり、太陽光パネルやパワーコンディショナーなど10万円を超える設備が対象になります。
償却資産税が課せられるのは、評価額が合計で150万円以上となる時です。
通常、企業で運用する規模の太陽光発電は150万円以上となるため、ほとんどの企業には償却資産税が課されることになります。
太陽光発電が節税になる4つの仕組み
ここでは、太陽光発電が節税になる仕組みについて解説します。
主に以下の4つの理由により節税可能です。
- 減価償却できる
- 設備の費用を経費計上できるケースがある
- 税制優遇・控除を受けられるケースがある
- 消費税還付制度を利用できる(全量売電型のみ)
1.減価償却できる
太陽光発電は、法定耐用年数が17年あるため、最大17年間の減価償却が可能です。太陽光発電設備そのものが高額であるため、高い節税効果を継続して得られます。
ただし、初期投資の金額が高いことも太陽光発電の特徴です。減価償却による節税効果を得るためには、まとまったお金やローンが必要となるためご注意ください。
2.設備の費用を経費計上できるケースがある
設備の費用を経費計上できるケースが多いのもポイントです。
定期メンテナンス代やパワーコンディショナーにかかる電気代なども経費計上可能であることや、ローンの利息についても経費計上できるなど細かい節税のポイントが多い部分でもあります。
ケースバイケースにより節税できる部分が変わる場合もありますので、専門家にご相談の上、経費計上となるものを把握し節税効果を得ることをおすすめします。
3.税制優遇・控除を受けられるケースがある
近年では太陽光発電を対象とする税制優遇・控除の制度が実施されています。
例えば、自家消費型の太陽光発電に適用される「中小企業経営強化税制」などです。これは「設備費用の税額を最大10%控除」か「即時償却」を、どちらか選択して得られるものです。
利用には自家消費率が50%以上など一定の条件を満たす必要があります。自家消費を主とした太陽光発電を行っている場合、利用できるケースがありますので、一度ご確認ください。
太陽光発電に関する税制優遇・控除は目まぐるしく制度が変わっているのが現状です。最新の情報を手に入れながらの制度利用が節税の要となります。
4.消費税還付制度を利用できる(全量売電型のみ)
全量売電型に限り、消費税還付制度を利用できるケースがあります。傾向としては、課税仕入れが多い時や、課税売上が少ない時に還付されることが多いです。
還付を受けるためには課税事業者になる必要があり、確定申告の計算方法で「原則課税方式」を選択していることが条件になります。
消費税の還付が受けられるのは最初の1年のみで、一度消費税の課税事業者になると3年は免税事業者になれない点に注意が必要です。
消費税の還付を目的として課税事業者になることは、節税面から見ても良い選択とは言えません。あくまでも、既に課税事業者であり条件が重なれば節税に繋がるものであるとおさえておきましょう。
太陽光発電を導入する節税以外のメリット3つ
節税以外にも太陽光発電を導入するメリットがあります。ここでは代表的な3つのメリットを見ていきましょう。
電気代を削減できる(自家消費型の場合)
企業のイメージアップに繋がる(法人の場合)
FIT制度やFIP制度で収益が望める
1.電気代を削減できる(自家消費型の場合)
自家消費型として太陽光発電を運用することで、電気代を削減できます。近年、電気会社の自由化により一度は下がった電気代ですが、ここ数年は上がり続けています。
太陽光発電と蓄電池を運用し、自家消費型とすることで自宅や事務所の電気代を削減可能です。エコキュートやV2H(電気自動車の充電スタンドの一種)などを併用することで、太陽光発電で生み出した電気エネルギーの消費の幅が広がります。
2.企業のイメージアップに繋がる(法人の場合)
法人の場合、SDGsやカーボンニュートラルが注目される今、太陽光発電の導入は企業のイメージアップにつながります。
地方銀行などによっては、SDGsに取り組む企業に向けた融資プランを展開しているところがあり、経営面でも選択肢が増えるため導入のメリットが大きいでしょう。
3.FIT制度やFIP制度で収益が望める
中古の太陽光発電ではFIT制度が活用できるものがあり、安定した収益を得られます。
新品の場合でも、FIP制度を利用可能で、通常の売電価格に上乗せした金額の収益が望める点がポイントです。
比較するとFIT制度の方が安定性が高いため、全量売電型で安定した収益を生み出したい方は、FIT期間が残っている中古の太陽光発電の購入がおすすめです。
太陽光発電を始めるなら中古がおすすめ
現在、FIT制度は基本的に中古の太陽光発電でしか利用できません。実際、産業用においては新設でもFIT制度が適用となる物件はありますが、2019年の制度終了に伴い固定価格買取期間は20年以下となってしまいます。現在、新品で購入した場合はFIP制度になるため、安定性は低くなります。
太陽光発電はFIT制度の終了や事業撤退などで、中古市場が盛り上がりを見せている業界です。今から始めるのであれば、中古の太陽光発電をおすすめします。
新品に比べ導入費用が安く済み、残りFIT期間がある太陽光発電を購入できれば、安定した収入が望めます。
中古の太陽光発電は既に売電実績があるものがほとんどで、発電量と売電価格のシミュレーションがしやすいことも特徴です。
太陽光発電を始めるなら、まずは中古市場を確認してみましょう。
太陽光発電投資を始める方はネイチャーグループへ
太陽光発電投資を始める方は、ネイチャーグループへご相談ください。
ネイチャーグループは、資産運用コンサルティングと税務コンサルティングの二つの視点からアドバイスを得意とするグループです。
太陽光発電は、専門的な知識を特に必要とする投資分野です。正しい運用と節税方法を知らなければ、初期費用が高額になったり思うようなランニングコストが得られない場合もあります。
そこで太陽光発電の購入・運用はもちろん、具体的な節税方法や手放したくなった場合の売却手段や節税方法など、トータルサポートを行います。
太陽光発電や節税における専門的な知識をもとに支援できますので、お困りのことがありましたらぜひお気軽に無料相談をご活用ください。
まとめ:太陽光発電を導入し、節税した上で収益を得よう
太陽光発電は、節税した上で収益につながる資産運用です。自家消費型と全量売電型があり、自家消費の場合は電気代を抑え、全量売電型は直接的な収益を得られます。
税金については、法人税、固定資産税および償却資産税がかかります。「減価償却可能である」「費用の多くを経費計上できる」「地域によっては税制優遇・控除を受けられる」など、各種制度を利用して節税につなげられます。
太陽光発電の節税対策を実施して、少しでも利益を残せるようにしていきましょう。
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