現在、非常に注目を高めている太陽光発電投資。2021年に「グリーン成長戦略」が発表され、2050年までに太陽光発電やバイオ燃料などの自然エネルギーを拡大し、環境保全と産業構造を変革することを目標に掲げており、需要も高まると予想されます。
そこで、太陽光発電投資に興味を抱いている方は多いのではないでしょうか。
とはいえ「太陽光発電投資を始めたいけど、実際どれくらいメリットがあるのだろうか」「どのようなリスクがあるのだろう」といった悩みも生まれるでしょう。
結論、太陽光発電投資はとてもおすすめの投資になります。
本記事では、太陽光発電投資の概要からメリット・デメリットなどを解説します。株式投資や不動産投資との違いも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
太陽光発電投資とは
太陽光発電投資とは、発電した電気を電力会社に売却して収益を得られる投資方法です。
太陽光発電投資の大きな特徴は、FIT制度(固定価格買取制度)が適用されることです。
FIT制度とは、太陽光や風力をはじめとした再生可能エネルギーにより発電した電気を一定期間定額での買い取りを国が保証する制度のこと。つまり、この制度の適用によって経済がいかなる状況でも、期間中であればシミュレーション通りの収益を得られます。
買取価格(売電価格)は、契約した年や規模によって異なりますが、安定した収益を得られるのが魅力の投資です。
太陽光発電投資のメリット
太陽光発電投資で得られる5つのメリットを紹介します。
- 平均7〜10%と利回りが高い
- ローリスクで投資できる
- ソーラーパネルの寿命が長い
- 法人や個人事業主の節税対策として活用できる
- 個人や法人の融資が通りやすい
平均7〜10%と利回りが高い
太陽光発電投資を始める最大のメリットは、高利回りが期待できること。目安として、年7〜10%の利回りが得られます。
例えば、利回り10%の太陽光発電に1,000万円を投資したケースでシミュレーションしてみましょう。
すると、年間100万円ずつ収益を得られるため、10年間で費用を回収できます。
10年を超えると、発電システムの劣化で電力量が低下し、一部の機器も交換が必要になります。しかし、そうした観点を踏まえても大きな収益を得られるでしょう。
ローリスクで投資できる
太陽光発電投資は、ローリスクで始められるのもメリットです。
前述した、FIT制度(固定価格買取制度)の適用により、全量売電型なら20年間は固定の売電価格で電力会社に売却できるからです。
例えば、2019年3月に売電単価30円で太陽光投資をスタートさせたとしましょう。すると、20年後の2039年3月まで売電単価の30円は変わりません。
よって、原則としてイレギュラーな収益の低下はなく、安定した利益を期待できます。一定の収益が制度によって約束されているため、シミュレーションも立てやすいでしょう。
ソーラーパネルの寿命が長い
太陽光発電投資に欠かせないソーラーパネルは、一般的に20〜30年の期待寿命があります。
実際にメーカーからは保証期間が10年、長いと25年が設定されています。長い保証期間が設定されているため、イレギュラーな故障リスクや出力機能の低下などをカバーしてくれるでしょう。
なお、太陽光発電投資に用いられるパワコン(パワーコンディショナー)の寿命は10〜15年が目安とされています。ソーラーパネルほど長くはありません。
ソーラーパネルよりも故障しやすいため、保証期間も別途設けられているケースが多いです。
とはいえ、一般的な電化製品と比較すれば、長いでしょう。
法人や個人事業主の節税対策として活用できる
太陽光発電投資は、法人や個人事業主の節税対策としても活用できます。
主な適用制度は以下のとおりです。
中小企業経営強化税制 | 即時償却(特別償却):太陽光発電の設備費用を導入年度に100%計上できる 税額控除:太陽光発電設備に課せられる税金を10%または7%控除する上記優遇措置のいずれかが適用される制度 |
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消費税還付 | ソーラーパネルやパワーコンディショナーなど、仕入れにかかる消費税が売上の消費税よりも多い場合に超過分が還付される制度 |
中小企業経営強化税制は、2016年発足の法人向け税制優遇措置のこと。認定期限が2025年3月31日までとされます。
即時償却の利用なら、設備費用を100%計上できるため、売上の増加が想定される初年度の税金を軽減できます。
一方、税額控除の利用では、資本金3,000万円以下もしくは個人事業主なら10%、資本金3000万円超え1億円以下の中小企業になると7%が控除されます。
つまり、資本金が3,500万円の企業が1,500万円の太陽光発電投資を始めたとしましょう。このケースでは、105万円を法人税額から直接差し引けます。
なお、中小企業経営強化税制は自家消費型太陽光発電もしくは余剰売電の利用でなければ適用されません。
発電分を全て売却する「全量売電型」は対象外ですので注意してください。
個人や法人の融資が通りやすい
太陽光発電投資は、融資の対象となります。そして、審査の通りやすさもメリットの1つです。というのも、20年間安定したキャッシュフローが見込めるからです。
政策金融公庫や信用金庫、銀行など、さまざまな機関から見ても、貸し倒れリスクの低い安定したビジネスと捉えられ、融資の審査も通りやすいでしょう。
また、太陽光をはじめとした再生可能エネルギーにおいては「環境エネルギー対策資金」も利用可能です。
環境エネルギー対策資金とは、太陽光発電や風力といった再生可能エネルギーに関連する設備の導入にかかる資金の融資制度です。
法人向け | 個人事業主向け | |
---|---|---|
貸付期間 | 20年間 | 20年間 |
貸付金額の上限 | 7億2,000万円 | 7,200万円 |
基準利率 | 1.16% | 1.76% |
特別利率1 | 0.76% | 1.36% |
出力10kw以上の自家消費型を使用している場合は、特別利率1が適用されます。
太陽光発電投資は安定した収益が見込めるため、融資制度が充実しているうえに通りやすく開始するハードルも低いでしょう。
太陽光発電投資のデメリット
太陽光発電投資は、当然メリットだけではありません。そこで主な4つのデメリットを紹介します。
- 天気に左右されやすい
- 固定価格買取制度(FIT)後の先行きが見えない
- 初期コストが高い
- 出力抑制の実施可能性がある
天気に左右されやすい
太陽光発電投資を行う最大のデメリットは、天候に大きく影響されやすいことです。天候次第で発電力が変動するため、収益の上振れや下振れが起こりやすいでしょう。
具体的に、晴れた日と比べて曇りの日では太陽光発電効率が40〜60%、雨の日では5〜20%とされています。比較的雨の日が多い梅雨の時期は、発電量が大きく下振れる可能性があるでしょう。
天候は自身でコントロールできないため、対処法もありません。
また、台風や地震と津波、大雪といった浸水や崩壊リスクには要注意です。
ソーラーパネルをはじめとする設備が近隣に被害を出せば、損害賠償にも捉われかねません。こうした天候による影響はおさえておき、発電量の調整や保険への加入など、リスクヘッジをしましょう。
固定価格買取制度(FIT)後の先行きが見えない
太陽光発電投資の固定価格買取制度(FIT)切れが起こった後の展望が明確でない点もデメリットでしょう。
とはいえ、日本は2030年までに温室効果ガスの46%削減を目標としており、脱炭素化の流れで需要がなくなることはありません。再生可能エネルギーの活用が加速し、今以上に必要とされるでしょう。
よって、卒FITを最短で迎える2032年以降も、売電を継続できる可能性は十分にあります。
初期コストが高い
太陽光発電投資は、初期コストが高い点も大きなデメリットです。ソーラーパネルやパワーコンディショナーといったさまざまな設備費用が発生します。
経済産業省が算出した令和5年以降の意見(案)によると、太陽光発電システム設置にかかる1kWあたりの初期費用は、以下のとおりです。
太陽光パネル | 14.5万円 |
パワーコンディショナー | 4.2万円 |
架台 | 2.1万円 |
工事や手続きの諸費用 | 7.3万円 |
合計費用 | 28.1万円 |
ソーラーパネルをはじめ設備の価格は低くなっているものの、工事費や諸費用が割高になっています。
なお、太陽光発電の設備は、家庭ごとにシステムや容量が異なり、メーカーごとにも幅があるでしょう。
出力抑制の実施可能性がある
電力会社側の判断により、電力の消費量より供給量が多い場合は、発電量を制限する出力抑制がされる場合があります。
太陽光発電が制限される優先順位は低いですが、一時的に売電不可になるかもしれません。
2015年以降、実際に九州の離島以外で実施されています。
2023年現在の出力抑制が実施されている地域は「東京電力以外」の全エリアです。
参照:資源エネルギー庁「再生可能エネルギーの出力制御の抑制に向けて」
出力抑制は、電力会社の判断によって行われる可能性があることを踏まえて、エリアや立地選びを慎重に行ってください。
不安な方は、出力抑制保険の適用も加味して確認しておきましょう。
太陽光発電と株式投資・不動産投資との違い
それでは、太陽光発電と株式投資、不動産投資との違いについて紹介します。
株式投資との違い
太陽光発電投資と株式投資の違いは、リスクと利回りの高さです。
株式投資は、売却益や配当金、株主優待などの得られるメリットは大きいものの、企業の破綻や流動性といったリスクも少なくありません。投資初心者にはハードルが高いでしょう。
一方、太陽光発電投資は相対的に低リスクで、長期的な安定した利益を得られます。
以上を考慮すると、太陽光発電投資は低リスクで長期的な利益を追求するなら適した選択肢であると言えるでしょう。
不動産投資との違い
太陽光発電投資と不動産投資では、費用の回収期間が異なります。
一般的に不動産投資は、初期費用の回収に20年以上必要とされています。
例えば、3,000万円の初期費用で利回り5.0%のケースを考えてみましょう。年間の家賃収入は150万円となり、回収に20年を要します。
加えて、維持管理費や空き室、経年劣化での家賃値下げなどを踏まえると、長引く可能性も考えられるでしょう。
一方、太陽光発電投資はおよそ10年間で費用を回収できます。よって、長期的な運用を考慮すると、太陽光発電投資に軍配が上がるでしょう。
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まとめ:太陽光発電投資で安定した収益を獲得しよう
太陽光発電は、初期コストがかかる反面、ローリスクで高利回りの利益を期待できる投資方法です。
長期的に投資を検討されている方は、相性が良い手段でしょう。
太陽光発電投資に少しでも興味を持っている方は、ぜひネイチャーグループへお気軽にご相談ください。
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