「所得税がいきなり増えた」と感じた経験は、多くの方にあるのではないでしょうか。
所得税は、自然に増えるわけではありません。しかし、理由がわかっていない方もいるでしょう。
そこで本記事では、所得税がいきなり増えたときの原因は何かを詳しく解説していきます。
また、所得税が増えたときに確認したいポイントも紹介します。理由がわからない方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事の記載内容は2024年8月現在のものです。
所得税がいきなり増えたのはなぜ!?6つの理由
所得税がいきなり増えた理由は、大きく6つあります。
- 本人の所得額が増えた
- 配偶者の収入増加で所得控除が減額した
- 子供が扶養から外れた
- 税率のステージが上がった
- 予定納税をした
- 会社員は年末調整でいきなり増えることも
所得税がいきなり増えたと悩んでいる方は、6つの理由に当てはまっていないか確認してみてください。
本人の所得額が増えた
本人の所得額が増えれば、所得税は増えます。
これは、所得が増えることで本人の基礎控除が減ることが原因です。下記の表をご覧ください。
【基礎控除】本人の所得金額の合計 | 控除される金額 |
---|---|
2,400万円以下 | 48万円 |
2,400万円超え2,450万円以下 | 32万円 |
2,450万円超え2,500万円以下 | 16万円 |
2,500万円超え | 0円 |
基礎控除は誰にでも適用される控除ですが、所得が増えれば増えるほど控除される金額は少なくなり、最終的には0円になります。控除金額が減れば、所得税が増えるのは明白です。
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配偶者の収入増加で所得控除が減額した
配偶者の収入が増加すると、所得控除が減額されます。
以下2つの条件に当てはまる場合は、配偶者控除を受けられません。
- 配偶者の年間合計所得金額が48万円※1を超えた
- 給与収入が103万円を超えた(給与のみの場合)
たとえば、配偶者の方がアルバイトをはじめて年間103万円を超える金額を受け取った場合は、配偶者控除による所得控除はできません。結果、所得税が増加します。
※1令和元年分以前は38万円
子供が扶養から外れた
子供が扶養から外れた場合も、注意が必要です。
以下2つの条件に当てはまる場合は、扶養控除が適用されません。
- 扶養者の年間合計所得金額が48万円※1を超えた
- 給与収入が103万円を超えた(給与のみの場合)
たとえば、子供が就職したり、アルバイトをしたりして上記の条件に当てはまると扶養から外れてしまいます。結果、控除額が減る、もしくはなくなり、所得税が増えます。
※1令和元年分以前は38万円
税率のステージが上がった
税率のステージが上がると、所得税は増加します。下記の表をご覧ください。
所得金額 | 税率 |
---|---|
1,000円から194万9,000円まで | 5% |
195万円から329万9,000円まで | 10% |
330万円から694万9,000円まで | 20% |
695万円から899万9,000円まで | 23% |
900万円から1,799万9,000円まで | 33% |
1,800万円から3,999万9,000円まで | 40% |
4,000万円以上 | 45% |
表からもわかるとおり、所得が増えれば増えるほど税率は上昇します。当然のことですが、税率が上がれば所得税も増えます。
所得税が増えたときは、税率のステージが上がっていないか確認しましょう。
予定納税をした
予定納税は税金を先払いすることで、一定以上の所得税額が見込まれる方に該当します。
「前年分の所得に対する納税額が15万円以上」という条件に当てはまる場合は、予定納税対象者です。前年分納税額の3分の2が予定納税額となります。
先払いする分、通常の所得税よりも一時的ですが、金額が高くなる場合があります。
会社員は年末調整でいきなり増えることも
会社員の方は、年末調整の時期も気をつけなければいけません。年間の給与が見込み額よりも増えていたり、控除額が減って所得額が増えたりすると、税金の支払いが増えます。
年末調整では、正確な所得額や控除額に基づき、所得税が正しく計算し直されます。
結果、所得税の納付が足りていない場合は追加徴収がおこなわれ、所得税がいきなり増えたといった状況になることもあるでしょう。
所得税が毎月変わるのはなぜ?
毎月変わる理由は、大きく4つあります。
- 一定期間での給与が増えた
- 課税所得金額が変動した
- 税制改正がされた
- 給与明細に誤りがある
それぞれの詳細を確認しましょう。
一定期間での給与が増えた
一定の期間で給与が増えると、毎月の所得税が変わることがあります。
毎月の所得税が変わるのは、社会保険料が関係しています。社会保険料は、原則その年の4月〜6月の3ヶ月間の給与を参考に決定されます。このとき、給与には残業代や休日出勤の手当も含まれるため注意しましょう。
仮に4月〜6月の間、受け取る給与がほかの月と比較して増えていると社会保険料の金額が変わります。結果、連動して天引きされる所得税も変動するのです。
課税所得金額が変動した
課税所得金額が変動すると、毎月の所得税が変わります。
たとえば、残業で所得が増えたり、子供が就職して扶養人数が減ったりすると課税所得金額が増え、結果として毎月の所得税は上がります。
一方で、扶養家族が増えるなど控除額が大きくなることがあれば、毎月の所得税は低くなるでしょう。
税制改正がされた
税制が改正された結果、毎月の所得税が変動するケースがあります。
税率や各種控除額は、経済状況や社会情勢によって変更されることがあります。
たとえば、2020年には基礎控除の引き上げ、給与所得控除の引き下げなどの改正が実施されました。実際2020年の改正で所得税が変わった方もいるでしょう。
このように、税制の改正がおこなわれると毎月の所得税が変わることがあります。
給与明細に誤りがある
毎月の所得税が変わった場合は、給与明細に誤りがないかどうかも確認する必要があります。
特に、これまでに説明した上記の3項目に当てはまらない場合は要注意です。
給与明細に誤りがあるケースは少数ですが、絶対にないとは言い切れません。特別なわけもないのに所得税が変わった場合は、給与明細に誤りがないか確認しましょう。
所得税が変わったときに確認したいポイント
所得税が変わったときに確認したいポイントは、以下の2点です。
- 社会保険料
- 残業や休日出勤の手当
所得税が変わったときに何をすればいいのかわからない方は、まず2つのポイントを確認しましょう。
社会保険料
所得税が変わったときは、社会保険料を確認してみましょう。
所得税は社会保険料にあわせて天引きされることから、所得税が変わったのであれば社会保険料も変動している可能性があります。
また、社会保険料は原則4月〜6月までの給与で計算されるため、4月から6月の給与に変動がないかもあわせて確認するといいでしょう。
残業や休日出勤の手当
残業や休日出勤手当の増減があると、所得税にも変動があります。
たとえば、休日出勤の手当が増えれば所得が増えるため、所得税も増加します。
一方で、残業が減って所得が減れば所得税も減るでしょう。所得税に変動があった場合は、所得の増減に関わる残業や休日出勤の手当を確認してください。
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所得税がいきなり増えた理由がわからないと対策の打ちようもなく、所得税の支払いに疲弊していくでしょう。最悪の場合、税負担が増して生活を圧迫する可能性もあります。
給与から天引きされるからとそのままにしておくのは危険です。
しかし、所得税に関する問題を解決するためには、税に関する専門的な知識が欠かせません。税制改正に対応するための知識も求められます。
自ら学んで対応も可能ですが、細かな税制を正しく理解するのは容易ではありません。
そのため、所得税に関する問題を解決したい場合は、税務のプロに相談するのがおすすめです。
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まとめ:所得税がいきなり増えたのはなぜかポイントを確認しよう
「所得税がいきなり増えたのはなぜ?」と疑問に感じている方は、大きく6つの理由があることを把握しておきましょう。
- 本人の所得額が増えた
- 配偶者の収入増加で所得控除が減額した
- 子供が扶養から外れた
- 税率のステージが上がった
- 予定納税をした
- 会社員は年末調整でいきなり増えることも
どこから確認すればいいのかわからない方は、社会保険料と残業や休日出勤の手当を確認してください。2つとも所得税の上下動に関わっている可能性があります。
しかし、確認してもよくわからない方や、所得税の増加に悩んでいる方もいるでしょう。このような方は、税務の専門家へ相談してください。
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