せっかく相続税の申告を終えたのに、後から海外口座や海外株式の存在が判明して、背筋が凍るような思いをしていませんか。日本の税務当局は今、国際的なネットワークを駆使して個人の海外資産を驚くべき精度で把握しています。申告漏れを放置すると、本来払う必要のない多額の罰金が課され、大切な家族の財産を大きく減らしてしまうかもしれません。
この記事を読むことで、海外資産が絡む修正申告の正しい手順と、税務調査を回避するための具体的な対策が分かります。国際税務のプロである税理士が、あなたの不安を安心に変え、次にとるべき行動を明確に示します。
海外資産の相続税で修正申告が必要になる主なケース
相続税の修正申告とは、一度提出した申告書の税額が少なかった場合に、正しい金額へ直す手続きを指します。特に国際税務が絡む場面では、意図しないミスが頻発するものです。
よくある事例として、海外の銀行口座にある預金の計上漏れが挙げられます。日本の通帳と異なり、海外の銀行からは郵送物が届かないケースも多く、家族が把握していないことが珍しくありません。また、海外不動産の評価額を現地の時価で計算せず、日本の基準に当てはめようとして間違えるケースも後を絶ちません。
さらに、為替レートの選択ミスも深刻な問題です。相続発生時のレートではなく、申告時のレートを使ってしまうと、それだけで評価額に大きな差が生じます。外国株の配当や投資信託の解約金が海外口座にプールされている場合も、申告を忘れると申告漏れとみなされます。
税務署はなぜ海外資産の隠し場所を知っているのか
「海外にある資産なら日本の税務署には分からないだろう」という考えは、現代では通用しません。現在、日本を含む世界各国はCRS(共通報告基準)という仕組みを通じて、非居住者の口座情報を自動的に交換しています。
国税庁はCRSにより100カ国を超える国から日本人の口座情報(残高や取引情報)を入手しており、2024年6月30日までの一年間だけで2,455,288件の情報を受領しています。
税務署は、あなたの名前で海外にどれだけの預金があるか、どの程度の配当を受け取っているかを、パソコンの画面上で確認している可能性があります。さらに、日本の金融機関は国外への送金もしくは海外からの入金のうち100万円を超えるものについて、氏名・住所・取引金額を記載した「国外送金等調書」を税務署に提出しています。
これらのデータの獲得に加えて近年行われているのがAIの活用です。2024年6月までの1年間での追徴課税額は1,398億円を超え、過去最高額となりました。AIに調査先の選定を行わせ、効率よく税務調査を行うという新しい方式により、追徴税額が過去最多となったというレポートが出されています。
不自然な海外送金や、所得に対して海外資産の増加が著しい場合、税務当局はすぐに目を付けます。指摘を受けてからの対応では遅すぎます。税務調査が入ってから修正申告をする場合、追徴課税額が上乗せされる仕組みになっているのです。調査が入る前に自ら動くことが、資産を守る唯一の手段といえます。
修正申告を放置した際にかかる重いペナルティ
修正申告を行わず、税務調査で申告漏れを指摘された場合、本来の税金に加えて厳しい罰則(附帯税)が課されます。
附帯税は、大きく分けて過少申告加算税、延滞税、重加算税の3種類です。海外資産を故意に隠したと判断されると、重加算税という最も重いペナルティの対象になります。重加算税の税率は、最大で40%です。
さらに、納税が遅れた期間に応じて延滞税が加算されます。国際税務の調査は時間がかかる傾向にあるため、数年分の延滞税が積み重なると、さらに負担は重くなります。一方で、税務署から調査通知が来る前に自主的に修正申告を行えば、過少申告加算税は免除されます。
【相続税修正申告の罰則比較表】
| 項目 | 自主的な修正申告 (調査前) | 税務調査後の指摘 (通常) | 悪質な隠ぺい (重加算税) |
| 過少申告加算税 | 0% | 10%〜15% | 35%〜40% |
| 延滞税 | 納付日まで発生(少額) ※一部免除規定有 | 納付日まで発生(多額) ※一部免除規定有 | 納付日まで発生 (極めて多額) |
外国税額控除を適用して二重課税を防ぐ方法
海外資産を相続した際、現地の国でも相続税に相当する税金を支払っている場合があります。このとき、日本でもそのまま相続税を払うと、一つの財産に対して二度税金がかかる二重課税の状態です。
二重課税を解消するための制度が外国税額控除です。修正申告を行う際には、この控除を正しく再計算し、日本での税負担を軽減させる必要があります。しかし、外国税額控除の計算は非常に複雑です。
控除対象となる税金の範囲や、限度額の計算、現地の納税証明書の翻訳など、専門的な知識が不可欠となります。修正申告で税金が増えるだけでなく、こうした控除を漏れなく適用して払いすぎを防ぐことも、プロの税理士の重要な役割です。
まとめ:早めの修正申告が家族の財産を守る近道
相続税の修正申告は、早ければ早いほどデメリットを抑えることができます。海外資産の存在は、現代の税務行政において隠し通せるものではありません。
- CRSや国外送金等調書により、海外資産は常に監視されている。
- 税務調査の前に自主申告すれば、ペナルティを大幅に軽減できる。
- 外国税額控除などの制度を使い、二重課税を確実に防ぐ必要がある。
- 国際税務の複雑な計算は、専門の税理士に依頼するのが最も安全で確実。
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