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医療法人の法人税ガイド!計算方法や法人税率・非課税になるか解説

医療法人にかかる法人税率がわからない……
医療法人が得られる税金面のメリットを知りたい……
医療法人の経費に計上できるものがわからない……

このような疑問を持っていませんか?

この記事では、医療法人の法人税についてわかりやすく解説します。この記事を読めば、医療法人における法人税について網羅的にわかるでしょう。

また、上記の疑問も解消できるほか、法人税以外の医療法人にかかる税金も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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医療法人にかかる法人税率

医療法人にかかる法人税率は、以下の通りで、普通法人と同じです。

区分税率
資本金が1億円以下の医療法人800万円以下の部分15%
800万円超えの部分23.2%
資本金が1億円超の医療法人23.2%

※参照:No.5759 法人税の税率|国税庁
※令和7年4月1日以降に開始する事業年度においては、所得金額が10億円を超える事業年度の年800万以下の部分に適用される税率は17%(以下、特定医療法人の場合も同様)

ただし、特定医療法人に認定されると税率は優遇され、納税額を抑えられます。

区分開始事業年度
平成28.4.1以後平成31.4.1以後令和4.4.1以後令和7.4.1以後
年800万円以下の部分下記以外の法人15%(16%)15%(16%)15%15%
適用除外事業者19%(20%)19%19%
年800万円超の部分19%(20%)19%(20%)19%19%

※()の部分は連結親法人である場合の税率

※参照:No.5759 法人税の税率|国税庁

特定医療法人だと判断されると非営利組織とみなされるため、一般的な普通法人よりも低い税率が適用されるのです。

医療法人における法人税の計算方法

医療法人の法人税を求める計算式は、以下の通りです。

医療法人の法人税=所得×税率

所得とは法人税法の考え方に基づく「法人の期末におけるその期の儲け」だとお考え下さい。例えば、資本金が1億円以下の医療法人で所得が1,200万円なら「800万円×15%+400万円×23.2%」で、法人税は212万8,000円です。

ただし、医療法人の種類によって税率も変わってくるのと、法人にはそのほかにも様々な税金がかかり、納税額は一定の所得がある場合だと所得×30%~35%程度となります。計算する際は注意してください。

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医療法人と普通法人との法人税制の違い

医療法人と普通法人は、一部法人税率が異なります。

医療法人と普通法人の法人税率は、ともに年間800万円以下の部分が15%、年間800万円超の部分は23.2%です。しかし、特定医療法人の場合は法人税が15〜19%となり、普通法人よりも税率が優遇されます。

医療法人と普通法人の法人税制は完全に同じというわけではないため、混同しないように注意しましょう。

医療法人が得られる税金面のメリット

医療法人にすることで、税負担を軽減できる可能性があります。

例えば、個人開業医の場合、納める所得税の税率は最大で45%、住民税まで含めると55%にもなります。その点、医療法人であれば法人税の税率が低く、実効税率で30%前後となります。

また、給与所得控除、所得分散といった間接的な税金対策も可能となります。個人事業が悪いわけではありませんが、場合によっては医療法人のほうが税金面でのメリットが大きいケースもあります。

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医療法人のデメリット

医療法人には、以下のようなデメリットがあります。

  • 理事長個人の可処分所得が減る
  • 社会保険へ加入する必要がある
  • 複雑な手続きが発生する
  • 業務内容が制限される
  • 運営費用が増える可能性がある
  • 簡単には解散できない

税金面ではたしかに魅力がありますが、医療法人にはデメリットが複数あるため、それらも加味して考えていかなければなりません。

ただし、専門家に相談することである程度解決できるデメリットもあります。そのため、必要に応じて専門家への相談も検討しましょう。

医療法人の経費に計上できるもの

医療法人の経費として計上できるものは、以下の通りです。

  • 福利厚生費
  • 設備費
  • 材料費
  • 人件費
  • 交際費
  • 会議費
  • 出張費
  • 車両購入
  • 一部家電購入費用
  • 寄附金

経費を正しく計上することで、所得が減少し法人税等の負担が小さくなる効果を期待できます。もちろん本来損金として計上すべきものを計上しただけなので、当然ではあるのですが。以下で詳細を確認しましょう。

福利厚生費

福利厚生費は、経費として認められます。

例えば、以下のような福利厚生にかかる費用は経費として計上できる可能性があります。

  • 従業員の退職金積立金
  • 健康保険料など

福利厚生を充実させることで、従業員の健康維持やモチベーションアップにも役立つでしょう。

ただし、一定の条件を満たさなければ経費として認められないものもあるため、実施する前に詳細を確認することをおすすめします。

設備費

医療法人は、設備費も経費として計上可能です。例えば、新しい医療機器を購入したり、施設の改修工事をしたりするのにかかった費用は経費になる可能性があります。

また、設備投資は業務の効率化や事業の拡大にプラスの影響を与えます。

ただし、その設備が事業運営に必要だと判断されなかった場合、経費とは認められないこともあるので注意が必要です。

材料費

医療法人は、材料費についても経費計上できます。

具体的には、以下のようなものが材料費に当たります。

  • 医療用品
  • 薬品
  • 消耗品など

普段の診療などで使う材料を買うためにかかる費用は、経費としてしっかりと計上しましょう。判断に迷う場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

人件費

人件費も経費として扱える項目の一つです。具体的には、従業員の給料や賞与、社会保険料などが人件費に該当するため、しっかりと経費計上することで税負担を軽減できるでしょう。

ただし、経費計上できるからといって闇雲に人件費を増やすと結局支出が増えてしまうことがあります。

例えば、ある法人の課税所得が2,000万円とし、人件費400万円の場合と200万円の場合を簡単に比べると、以下の結果となります。

法人税等の額実際に支出する額
人件費400万円の場合(2,000万円-400万円)×約30%=480万円法人税等480万円+人件費400万円=880万円
人件費200万円の場合(2,000万円-200万円)×約30%=540万円法人税等540万円+人件費200万円=740万円

あくまでも参考程度にはなりますが、このように税負担は抑えられるものの、総支出は増えてしまうというケースもあるため注意が必要です。また支払う人件費が増えるということは、実際には法人負担の社会保険料も増えてしまうということです。

交際費

交際費も経費となります。

例えば、ほかの病院の先生との会食費用や手土産にかかった費用は経費として計上できます。

ただし、飲食代等がすべて交際費になるとは限りません。内容によっては経費と認められないケースもあるため、気を付ける必要があります。

また、交際費は税務調査で注目されやすい項目の一つです。説得力のある説明ができるように、領収書などに会った相手や理由、人数、住所といった情報を記載しておくとよいでしょう。

会議費

医療法人は、会議費も経費として扱えます。

例えば、以下の費用は会議費に該当します。

  • 飲食等を取引先等と行う場合で、支出金額を参加者数で割った金額が10,000円以下である費用

ただし、下記を記載した書類を保存している場合のみ適用できます。

(1) 飲食等のあった年月日
(2) 飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名または名称およびその関係
(3) 飲食等に参加した者の数
(4) その飲食等に要した費用の額、飲食店等の名称および所在地(店舗がない等の理由で名称または所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の氏名または名称、住所等)
(5) その他飲食等に要した費用であることを明らかにするために必要な事項
引用元:No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算|国税庁

中小法人において交際費は年間あたり800万円までの損金算入が認められており、その金額を超えた部分は損金となりません。そのため、交際費の多い法人様では上記の会議費の規定により交際費に含まれない取引先との飲食費を計上することがあります。

出張費

医療法人は、出張費も経費と認められます。

例えば、学会参加のためにかかった交通費や宿泊代は出張費に該当します。

ただし、以下の費用は出張費と認められない可能性があるため注意が必要です。

  • 業務に関係ない支出
  • 社会通念上妥当と認められない高額な支出
  • 医師個人の講演費の獲得のための交通費

基本的に医師個人が対応する講演の収入は、医療法人の事業と考えることは難しく、個人で雑所得として計上する必要があります。そのため、その際にかかった交通費などは医療法人の経費で計上することはできません。また社会通念上妥当と認められる金額については国税庁が公開しているわけではないため、自社で検討する必要があります。

心配な場合は、税理士などの専門家と相談しながら調整するのがおすすめです。

車両購入

車両の購入費用も、確定申告時に経費として計上可能です。さらに、本体にかかった費用以外にガソリン代といった維持費も計上できるケースがあります。

ただし、車種や用途によっては経費と認められない可能性もあるため注意が必要です。例えば、スポーツカーのような趣味性の高い車種や、あまりにも高額な高級車は税務調査において指摘を受ける恐れがあります。

また、プライベートで使う頻度が多い場合も経費と認められないことがあります。車両購入費を経費として扱いたいなら、事業で使用した実績を記録するといった工夫をすると効果的です。

一部家電購入費用

一部ですが、家電を購入する費用も経費として認められることがあります。

例えば、待合室に設置するテレビ、従業員が使う部屋の電子レンジなど、業務上利用する家電は経費計上可能です。

とはいえ、この家電は経費に入るのかと判断に迷うこともあるでしょう。そのような場合は、適当に判断せず税理士などの専門家に相談してみてください。

寄附金

法人が国や地方公共団体に対して寄附金および指定寄附金を支払った場合、その全額は損金となり、それ以外の寄付金は一定の限度額までが損金になります。

参照:寄附金を支出したとき|国税庁

ときおり、寄附金と交際費を混同するケースがみられますが、寄附金は社会貢献を目的とした支出であり、性質が異なるため交際費として扱うことはありません。

医療法人の法人税以外にかかる税金

医療法人の法人税以外にかかる税金を紹介します。

  • 消費税
  • 法人事業税
  • 固定資産税
  • 贈与税・相続税

医療法人を経営するうえでいずれも無視できない税金なので、ここでしっかりと把握しておきましょう。

消費税

医療機関は、健康保険が適用される診療については消費税がかかりません。

ただし、保険適用外の診療や物品販売による収入については消費税の対象です。

消費税の計算方法は原則課税と簡易課税の2種類があり、どちらのほうが有利になるか考えて選択しなければなりません。

また、医療法人は消費税計算および申告が複雑になりやすい傾向があり、税務に精通した人が申告をしないと税務調査で指摘される可能性が高まります。そのため、消費税の計算や申告は税理士などの専門家へ依頼したほうが安心です。

法人事業税

事業税は地方税の一つであり、法人税同様に法人の所得に対して課せられる税金です。法人税は国に税金を納めますが、事業税の納税先は都道府県です。

固定資産税

医療法人は、固定資産税がかかります。土地や建物はもちろんですが、医療機器に対しても固定資産税(=償却資産税)がかかることがあります。医療機器などの固定資産税への課税は、自治体の管理している範囲に固定資産が150万円(R9年以降は180万円)を超えると発生します。この超えてしまうと課税されるラインを償却資産税の免税点といいます。

贈与税・相続税

医療法人を親族に相続あるいは贈与すれば、贈与税や相続税もかかります。

医療法人の出資者は、以下の2種類にわけられます。

  • 持分あり:財産権を持つ
  • 持分なし:財産権を持たない

持分ありの場合は、医療法人の所有権を親族に引き渡すときに相続税がかかるのが特徴です。一方、持分なしの場合は相続税はかかりません。ただし、「持分の定めのない医療法人」への移行後一定の要件を満たさなかった場合に贈与税が発生することがあります。

医療法人の法人税は非課税になる?

医療法人には基本的に法人税が課せられていますが、以下のような一定の条件を満たしている場合は非課税になることがあります。

  • 一般社団法人(非営利型法人)のうち、オープン病院事業を行う医師会あるいは歯科医師会で一定の要件を満たしている
  • 公益法人等のうち、無料低額な診療をする病院事業を行う法人で一定の要件を満たしている

上記のような条件を満たすことを厚生労働大臣が証明することで、法人税が課されない仕組みです。

参照:医療保健業を行う公益法人等に対する法人税法上の非課税措置に係る証明について|厚生労働省

医療法人の法人税に関するお悩みはネイチャーグループへ

当社は事業法人の顧問業務を行わず、セカンドオピニオンで医療法人や個人開業医の先生の財務状況を改善する専門家です。そのため、現状の顧問税理士の方から顧問替えをしていただく必要はございません。

むしろ顧問税理士の先生と協力をしながら、お客様の状況を改善していくのが我々の使命であると考えています。

もし医療法人の決算対策手法や、個人開業医の所得税への対応、相続税・贈与税など資産税分野に対するご提案など、アドバイスが必要な場合はお気軽にお問い合わせくださいませ。当社より無料面談のご案内をさせて頂けます。

まとめ:医療法人での対策で資産を残そう

医療法人は一部非課税になることもありますが、基本的には法人税が課せられます。そのため、経費に該当するものは何かしっかりと把握できていないと、節税効果が薄くなるでしょう。

とはいえ、経費を一つずつ把握するのは非常に時間がかかります。そこで、税理士などの専門家へ相談することも検討してみてください。顧問税理士様へ相談すれば正しく経費を計上できるので節税効果も期待でき、利益をしっかり残すことにつながるでしょう。もし別の切り口から、提案特化型の税理士法人のセカンドオピニオンを受けたい場合は、無料面談にお進みください。

私たちネイチャーグループも医療法人の法人税対策についての相談を受け付けております。様々な税務相談について年間2,000件、累計1万件と相談実績も豊富なので、安心してご相談ください。

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