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太陽光発電に固定資産税はかかる?3つのケースと計算方法を紹介

「太陽光発電には固定資産税がかかるのだろうか?」
「もしかかるのであれば、固定資産税の計算方法も知りたい」

太陽光発電は、数ある資産運用の中でも人気のある選択肢の一つです。現在太陽光発電の導入を検討しているものの、固定資産税がかかるのか気になる方は多いでしょう。

そこで本記事では、太陽光発電の固定資産税について、わかりやすく解説します。固定資産税がかかるケースとかからないケース、計算方法など、疑問の多い内容を網羅的に解説していますので、ぜひ参考にしてください。(本記事掲載内容は2024年4月時点の内容です。最新の情報については、公式サイトや最新のニュースをご確認くださいませ。)

太陽光発電には固定資産税がかかる

太陽光発電にはほとんどの場合、固定資産税がかかります。

そもそも、固定資産税は地方税であり、土地や家屋、一部設備などにかかる税金です。

ただし、例外として太陽光発電に固定資産税がかからないケースもあります。区分けは、産業用の太陽光発電は課税、住宅用の太陽光発電は非課税になります。

細かいケースごと異なりますので、まずは固定資産税がかかる通常のケースから見ていきましょう。

太陽光発電に固定資産税がかかる3つのケース

では、太陽光発電で固定資産税がかかる3つのケースを見ていきましょう。

  1. 10kW以上の産業用太陽光発電を利用する
  2. 住宅用太陽光発電でも事業収入に結びつく
  3. 屋根と一体型の太陽光発電設備を利用する

ケース1.10kW以上の産業用太陽光発電を利用する

10kW以上の太陽光発電は、全て産業用の太陽光発電と見なされるため課税対象になります。

屋根設置型、野立て型など太陽光発電の設置方法問わず固定資産税がかかりますので、まずはkW数を確認しましょう。

ケース2.住宅用太陽光発電でも事業収入に結びつく

住宅用の太陽光発電でも、発電した電力全てを売電するなど、事業収入に結びつく場合は固定資産税が発生します。

また、自家消費でも自宅を利用した事業を行っている場合は、事業用と見なされるケースもあります。

例えば、住宅の一階でカフェを経営している、一室をレンタルスペースとして貸し出しているなどが挙げられます。

ケース3.屋根と一体型の太陽光発電設備を利用する

屋根と一体型の太陽光発電設備を利用した場合、家屋部分の固定資産税が上乗せされるケースが多くあります。

省エネ家庭として売り出されている、太陽光パネル一体型の屋根はこのケースに当てはまりますのでご注意ください。

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太陽光発電の固定資産税がかからない2つのケース

例外的に、太陽光発電の設備を設置しても、固定資産税がかからないケースがあります。

  1. 住宅用太陽光発電を個人利用する
  2. 課税標準の合計額が150万円を切る

ケース1.住宅用太陽光発電を個人利用する

住宅用の太陽光発電かつ、個人利用の場合は固定資産税がかかりません。ただし、以下の要件を全て満たす必要があります。

  • 屋根と一体型ではなく、取り外し可能なもの(架台を設置するタイプ)
  • 出力が10kW未満
  • 自家消費を主目的としている

屋根一体型で販売されている住宅や、売電目的での太陽光発電は固定資産税がかかるためご注意ください。

ケース2.課税標準の合計額が150万円を切る(個人のみ)

個人に限った場合ですが、課税標準の合計額が150万円を切った場合、固定資産税がかかりません。市区町村により申告が必要・不要なケースがありますので、課税標準の合計額が150万円を切った場合も一度自治体に確認しましょう。

また、参照するのは購入時の金額ではなく、その年の課税標準の合計額である点にも注意が必要です。

太陽光発電にかかる固定資産税の計算方法

太陽光発電にかかる固定資産税は、以下の式で計算できます。

求める内容 計算式
初年度の課税標準額 取得金額×(1-0.064)
2年目以降の課税標準額 前年度の課税標準額×(1-0.127)
固定資産税額 課税標準額×1.4%

太陽光発電の設備は法定耐用年数が17年であるため、減価率が0.127になります。ただし、初年度のみ半分で計算するため、0.064になることにご注意ください。

また、課税標準額は年々下がっていく特徴を持ちます。これは、償却資産は経年劣化により価値が下がるためです。

具体的な金額をもとに、3年目までのシミュレーションをしてみましょう。

1年目の固定資産税

1年目の固定資産税は、下記の通りです。

取得金額:1,000万円
課税所得金額:1,000万円×(1-0.064)=936万円
固定資産税額:936万円×1.4%=131,040円

よって、このケースにおける1年目の固定資産税は、131,040円と割り出せます。

2年目の固定資産税

2年目の固定資産税は、下記の通りです。

課税所得金額:936万円×(1-0.127)=817万円
固定資産税額:817万円×1.4%=114,380円

2年目の固定資産税は、114,380円となります。

3年目の固定資産税

3年目の固定資産税は、下記の通りです。

課税所得金額:817万円×(1-0.127)=713万円
固定資産税額:713万円×1.4%=99,820円

よって、3年目の固定資産税は、99,820円となります。

上記のように、固定資産税額は年々減少します。また、あくまでも基本的な概算です。特例などを利用する場合は、さらに税負担を削減できる可能性があります。

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太陽光発電における固定資産税(償却資産)の申告方法

土地や住宅などは登記するため、申告が不要です。しかし、太陽光発電は償却資産になるため申告する必要があります。

太陽光発電における固定資産税(償却資産)の申告は、以下の流れで行います。

  1. 市区町村のホームページから「償却資産申告書」「種類別明細書」をダウンロードし、印刷する
  2. 種類別明細書を記載する
  3. 償却資産申告書を記載する
  4. 書類を提出する

市区町村のホームページには「償却資産申告書(償却資産課税台帳)」「種類別明細書(増加資産・全資産用)」「種類別明細書(減少資産用)」が用意されています。種類別明細書を記載してから、償却資産申告書を記載するとスムーズです。

記載するのは1月1日時点で所有している償却資産です。提出先の市区町村は、その償却資産(太陽光発電)がある市区町村なのでご注意ください。

申告期限は、太陽光発電設備を設置・取得した次年度の1月末まで(令和6年度申告の場合は2024年1月31日が期日)です。

太陽光発電における固定資産税の申告をする上での注意点

太陽光発電で固定資産税を申告する際、以下の2点に注意が必要です。

  1. 申告していない、遅れるとペナルティが発生する
  2. 確定申告が別途で必要になる

申告していない、遅れるとペナルティが発生する

固定資産税を申告していない場合、ペナルティが発生します。ペナルティの内容は自治体によりさまざまですが、追徴課税に加え遅延金を徴収されるケースもあります。

万が一、固定資産税の申告が漏れていた場合は、速やかに自治体の「固定資産税課」にその旨を申告してください。

確定申告が別途で必要になる

先ほど紹介したのは、固定資産税の申告方法です。法人税(所得税)を申告する確定申告は別途必要になるためご注意ください。

具体的には、売電収益の課税所得が20万円を超えた場合に確定申告が必要になります。会社勤めであり、副業も合わせて行っている場合は雑所得の合計が20万円を超えた場合です。

確定申告は2月中旬〜3月中旬が期間になりますので、固定資産税の申告期限と異なる点にも注意してください。

太陽光発電の固定資産税を抑えられる減税特例

市区町村により、固定資産税の特例が用意されていることがあります。

例えば、3年間課税標準額が2/3になるなどです。ただし、一定期間内に取得した太陽光発電で、再生可能エネルギー事業者支援事業費に係る補助を受けている場合など条件があります。

また、FIT制度を利用している場合、対象外となるケースが多いためご注意ください。詳しくは自治体のホームページに掲載されています。

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まとめ:太陽光発電の導入は固定資産税を加味して決定しよう

太陽光発電を行う場合、一部の例外を除き固定資産税がかかります。例外としては、10kW未満かつ住宅用で後付け型、自家消費が主目的な場合などです。

売電を主目的とした事業を行う場合は、野立て型、屋根型問わず固定資産税がかかるため注意しましょう。取得金額と法定耐用年数を知ることで、おおよその金額をシミュレーションできます。

また、自治体によっては減税の特例が用意されている場合もあるため、ホームページを必ず確認しましょう。申告が遅れるとペナルティが発生するためご注意ください。

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