勤務医は一般的に年収が高く、節税対策を考える人も多いでしょう。勤務医におすすめな節税対策の方法に特定支出控除があります。
しかし、「聞いたことはあるけどよくわからない」「何が対象になるのかわからない」という人もいるでしょう。
そこでこの記事では、勤務医の節税になる特定支出控除について詳しく解説します。
知らないのは大きく損をしているかもしれません。対象になる支出などを網羅的に解説するため、節税を考えている人や特定支出控除もうまく活用したい人は、ぜひ参考にしてください。
※本記事の記載内容は2024年10月現在のものです。
勤務医の節税になる特定支出控除とは?
そもそも特定支出控除は、給与所得控除の半額を超えるような経費を支払った際に、その超えた部分も給与からさらに控除できるという制度です。
勤務医は、概算経費のような給与所得控除を受けられますが、特定支出控除を活用すればさらに控除額を増やせます。つまり、税負担が軽減するため、利用しないと損する可能性があります。
「わざわざ活用するのは手間がかかるのでは?」と思われる人もいるかもしれませんが、節税を考えるなら積極的に活用したい制度の一つです。
特定支出控除の対象になる勤務医
勤務医は、原則として経費が認められません。
ただし、その年中の特定支出の額の合計額が「特定支出控除額の適用判定の基準となる金額」を超える場合に控除を受けられます。
しかし、制度を利用したいのであれば、確定申告を提出しなければいけません。本業の忙しい勤務医の人が、書類の準備をしてさらに申告の知識まで学ぶのはややハードルが高いでしょう。
対象になりそうだと思ったら、専門家へ相談するのがおすすめです。
特定支出控除の対象になる支出一覧
特定支出控除の対象になる支出は、次のとおりです。
- 通勤費
- 転居費
- 研修費
- 資格取得費
- 帰宅旅費
- 職務に関連した図書購入費
- 職場で着用する衣料費
- 職務に関係する交際費
それぞれの詳細をみていきましょう。
通勤費
通勤に必要な交通機関の利用や、交通用具を使用したときに発生する支出です。たとえば、電車やバス、車のガソリン代などが該当します。
ただ、なんでも認められるわけではなく、経路や通勤費用などが最も経済的かつ合理的である必要があります。
また、会社が通勤費を支給しているなら該当しません。会社からもらっているのに計上してはいけないため注意してください。
転居費
転居にかかる運賃や宿泊費などの支出です。ただし、転勤に伴う転居のみ該当する点には注意しましょう。
基本的には転任の日から1年以内に支出した一般的に必要な費用のみ認められます。たとえば、壁の塗り替えは対象になりません。
研修費
仕事をするにあたって必要になった技術、知識などの習得を目的に参加した研修にかかる費用です。研修への参加費だけではなく、交通費も該当します。
ただし、交通費は、研修の内容や経路、期間などを総合的に判断して認めるかどうかが判断されます。
資格取得費
仕事に直接関わる資格を取得したときの費用です。たとえば、自動車運転免許や簿記、英語検定なども必要であれば該当します。
また、年をまたがるような授業を受けた際、入学金など入学の際に一括で支払ったものを除いて、その年に対応する金額は特定支出だと認められます。判断に困る、迷うなら、速やかに専門家へ相談するのがおすすめです。
帰宅旅費
通常の旅費ではなく、単身赴任の人が勤務地などから自宅に帰宅するときの旅費です。最も経済的かつ合理的だと判断されたときに認められます。
1ヶ月に4往復を超えるような帰宅旅費や、グリーン車などの利用は該当しません。帰宅旅費が使えるからといって贅沢は認められないということです。
職務に関連した図書購入費
職務に関連した専門書などの図書購入費用も該当します。特定分野を重点的に扱うものであれば、雑誌や新聞も対象です。
また、電子版の図書についても購入費用は対象ですが、その図書を読むためのパソコンなどの周辺機器は対象外です。あくまで図書自体の費用だと認識しておきましょう。
職場で着用する衣料費
職場で着用する制服や作業着など衣服の購入にかかる費用です。勤務先で着用が習慣になっているなら、スーツも該当します。
ただし、私服の場合はいくら着用が習慣となっていても、購入費用は対象にならないため気をつけましょう。一部私服も対象になると誤解している人もいます。
職務に関係する交際費
顧客や仕入れ先への接待や贈答にかかる費用です。ただし、取引先や仕入れ先との円滑な取引を目的として行われるものに限るため、同僚との親睦会や慶弔のための費用は、対象外です。
また、交際費は図書購入費、衣料費と合わせて、勤務必要経費と呼ばれ、年間で上限が65万円までと定められています。それぞれをいくらでも使っていいというわけではないため、対象になるからと必要以上に使うのは避けましょう。
特定支出控除の計算方法
特定支出控除の計算式は、次のとおりです。
特定支出の合計額-給与所得控除額×2分の1
たとえば、年収1,000万円の勤務医で、特定支出が160万円の場合、給与所得控除は195万円です。
「160万円-195万円×2分の1」を計算すると62万5,000円となり、課税所得から差し引けます。
年収 | 給与所得控除額 |
---|---|
162万5,000円まで | 55万円 |
162万5,001円から180万円まで | 収入金額×40%-10万円 |
180万1円から360万円まで | 収入金額×30%+8万円 |
360万1円から660万円まで | 収入金額×20%+44万円 |
660万1円から850万円まで | 収入金額×10%+110万円 |
850万1円以上 | 195万円(上限) |
勤務医特定支出控除を受けるために必要なもの一覧
必要なものは、次のとおりです。
- 給与支払者の証明書
- 特定支出に関する明細書
- 源泉徴収票など
特定支出に関する明細書はただ用意するだけではなく、次のような内容を記載しなければいけません。
特定支出 | 記載内容 |
---|---|
通勤費 | 通勤経路および方法 |
転居費 | 転勤前後の勤務地と住所 |
研修費 | 研修内容 |
資格取得費 | 資格内容 |
帰宅旅費 | 勤務地および配偶者などの親族が住んでいる場所 |
図書費 | 図書の内容 |
衣料費 | 衣服の種類 |
交際費 | 相手の名前や名称 相手との関係 |
勤務医の節税対策ならネイチャーグループへ
勤務医は収入の高い人も多く、節税対策をしないのは損だといえるでしょう。しかし、節税対策はこの記事で紹介した特定支出控除だけではなく、さまざまなものがあります。
加えて、どの節税対策が適しているのかは、一人一人置かれている状況によって異なります。家族や友人など周囲の人の真似をしても、その方法が本当に自分にとって最適なのかは不明です。
そのため、自分で判断して最適な節税対策を選ぶのは難しいでしょう。加えて、勤務医は本業の忙しい人が多いため、節税対策を調べる時間を取るのは容易ではありません。
「じゃあ、諦めた方がいいってこと?」と思われている方は、安心してください。プロへ依頼すればスムーズに解決します。
私たちネイチャーグループは、資産運用と税務に特化したプロです。日本最大級のコンサルファームで、年間2,000件以上、累計で1万件以上の相談を受けてきた実績があります。
勤務医の人からの相談も多く、一人一人に最適な節税対策を提案しています。勤務医で節税対策にお悩みなら、一度ネイチャーグループへご相談ください。
まとめ:勤務医なら特定支出控除を有効活用しよう
特定支出控除は、給与所得控除の2分の1を超える経費を支払ったときに、超えた部分をさらに控除できる制度です。
うまく活用すれば、税負担を軽減できるというメリットがあります。ただ、どの費用が対象になるのかの判断は難しいといえます。
そのため、正しく有効活用したいなら、特定支出控除に精通した専門家へ依頼しましょう。
私たちネイチャーグループには、特定支出控除に精通したアドバイザーが多数在籍しています。また、確定申告についてのサポートもできるため、確定申告時の不安も取り除けます。一から調べる必要もないので、自分で取り組むよりも手間や時間もかかりません。
特定支出控除を有効活用しての節税を希望する人は、ぜひネイチャーグループへご連絡ください。
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