BMWやメルセデス・ベンツ、レクサスといった高級車は、経費にできれば大きな節税効果が期待できます。事業に関わる高級車の購入は節税になるという話を聞いたことがある方もいるでしょう。
では果たして、高級車の購入は節税につながるのでしょうか。
そこでこの記事では、高級車の購入は節税になるのかについてわかりやすく解説します。本当に節税になるのか気になっている方は、ぜひ最後までご覧ください。
高級車の購入で節税できる?
結論からお伝えすると、高級車を買えば節税できる可能性はあります。
理由は大きく2つです。
- 減価償却で課税所得を圧縮できる
- ガソリン代・駐車場代などの維持費も経費にできる
以下で詳細を確認しましょう。
減価償却で課税所得を圧縮できる
高級車の購入により、減価償却で課税所得を圧縮可能なので節税効果があります。
減価償却とは…固定資産の購入費用を使用可能期間にわたり、分割して費用計上する会計処理のこと。
事業用で買った自動車は固定資産であり、耐用年数に応じて何年かに分けての減価償却が可能です。そして、この減価償却費は実際の支出は伴いませんが、経費として扱われ、会社の利益を下げて税負担を軽減させます。
一般的な自動車でももちろん節税効果はあります。しかし、高級車のほうが価格が高く、減価償却費も大きく取れるため、より節税効果は高まるのです。
ガソリン代・駐車場代などの維持費も経費にできる
法人名義で購入した高級車であれば、維持費も経費にできるため、税負担を軽減させられます。
経費になる費用は、以下のとおりです。
- ガソリン代
- 駐車場代
- ETC料金
- 自動車税
- 自賠責保険料など
ただし、社長個人の名義で買ってしまった場合は、経費計上不可なので気をつけましょう。
高級車で節税するために外せない5つのポイント
高級車で節税するために外せないポイントは、以下の5つです。
- 3年10か月落ち以上の中古車を保有する
- 中古市場で価値が下がりにくい車種を保有する
- ベンツやレクサスなど経費計上が認められやすい車種を選ぶ
- 状況に合わせて定率法と定額法のどちらかを選ぶ
- 期首(事業年度の初月)のタイミングで購入する
高級車の購入で節税したい方は、ぜひ参考にしてください。
3年10か月落ち以上の中古車を保有する
高級車の購入で節税しようと考えている場合、3年10か月落ち以上の中古車を保有しましょう。
普通自動車の新車の耐用年数は6年ですが、3年10か月落ち以上の中古車なら2年です。同じ金額で購入した場合、耐用年数が短いほうが1回で計上できる減価償却費が大きく、節税効果を高められます。
つまり、節税効果をより高めたいのであれば、中古車を選ぶほうが有利です。なお、耐用年数2年は普通自動車における最短であり、一括では計上できません。
ただし、年数が経てば経つほど故障する可能性が高まることに加え、高く売りにくくなるという注意点があります。したがって、3年10か月以上ではあるものの、なるべく新しい高級車を狙うのがおすすめです。
中古市場で価値が下がりにくい車種を保有する
中古市場で価値が下がりにくい車種を保有するのもポイントです。
減価償却期間が終われば節税効果はなくなるので、売却を検討することもあるでしょう。短期間で売ることも考えているのであれば、なおさら価値が下がりにくい車種を選ぶべきです。
- 購入時のポイント
- 希少価値が高い(販売台数が少ないなど)
- ボディーが白もしくは黒
- 世界的にも人気がある
高級車は値崩れしにくい傾向にありますが、購入する際に上記の点にも留意しておくと、より価値が下がりにくい車種と出会えるでしょう。
ベンツやレクサスなど経費計上が認められやすい車種を選ぶ
実は、高級車の取得や維持の費用を経費に入れられないケースもあります。
たとえば、個人の趣味趣向が強いと思われるスポーツカーなどは否認される場合もあり、注意が必要です。
一方で、ベンツやレクサスなどの高級セダンは認められやすい傾向にあります。これは、高級セダンは代表者が通勤、接待などに用いるものと判断されやすいからです。
経費計上が否認されると節税効果を得られないので、認められやすい車種を選びましょう。
状況に合わせて定率法と定額法のどちらかを選ぶ
減価償却には定率法と定額法がありますが、どちらを選ぶかは状況次第です。
- 定率法:毎年一定の割合を償却する
- 定額法:毎年一定の額を償却する
法人は、原則定率法を採用することになっていますが、税務署に届け出ると定額法の使用も可能になります。
定率法は、初期の償却額が大きくなるという特徴があるので、初年度の利益を圧縮したいときにおすすめです。一方で定額法は、償却額が一定なので会計処理が容易かつ将来の資金計画が立てやすいという特徴があります。
自社の状況を考慮して、どちらを選ぶか判断しましょう。
期首(事業年度の初月)のタイミングで購入する
事業年度の初月に購入するのも効果的です。自動車の減価償却は月割り計上なので、決算月の直前で買ってしまうとその期償却費が少なくなり、結果税負担が大きくなります。
一方で、事業年度の初月に取得した場合は、その年に1年分(12か月分)の減価償却費を計上できるので、節税効果が高まります。
ただし、減価償却を開始できるのは事業のために使用が始まった日なので、納車されるまでは減価償却費の計上はできません。
高級車の購入で節税するときの注意点
節税を目的とした高級車の購入には、以下5つの注意点もあります。
- 経費とキャッシュのバランスで検討する
- 趣味性の高いスポーツカーは経費として認められない可能性がある
- 事業に支障をきたさないよう維持費を計算する
- プライベートでの利用と区別を明確にする
- 個人事業主は経費計上の条件が厳しい
知らなかったと後悔しないように、事前にしっかりチェックしておきましょう。
経費とキャッシュのバランスで検討する
高級車の購入は、経費とキャッシュのバランスで検討しましょう。
高級車を買えば、減価償却費によりたしかに税負担は軽減されます。しかし、税金が減る以上に、多くのキャッシュが減少する可能性があります。
経費ばかりに注目していると、キャッシュとのバランスが悪くなり、事業の資金繰りを悪化させかねません。節税目的で高級車を取得しようとしているなら、経費とキャッシュのバランスに注意しましょう。
趣味性の高いスポーツカーは経費として認められない可能性がある
先ほども少し触れましたが、趣味性の高いスポーツカーは否認される恐れがあります。高級車を使って節税したいなら、その車が事業に必要だと客観的に説明しなければなりません。
たとえば、レクサスやベンツといった高級車は、経営状況が好調なことをアピールしてクライアントからの信用を得やすいといった理由をつけられます。また、通勤や接待に使用するときも、常識の範囲内といえます。
一方でスポーツカーは、個人の趣味によるものが大きいと判断されやすいのでわざわざ買うのは避けたほうがよいでしょう。
事業に支障をきたさないよう維持費を計算する
高級車を買うのはいいですが、事業に支障をきたさないよう維持費の計算を忘れてはいけません。
高級車の購入では、以下のような維持費がかかります。
- 自動車保険の保険料
- 駐車場代
- 自動車税など
維持費を考慮しても高級車を買って節税する意味はあるのか、事業に影響は出ないのかといったことを慎重に考える必要があるでしょう。なお、外国車両は人気ですが、維持費がかさむことが多いので気をつける必要があります。
プライベートでの利用と区別を明確にする
利用がプライベートか仕事かをはっきりと区別させておくことも重要です。とくに車を利用する個人事業主なら、1台の車をプライベートと仕事の両方で使う場合が多いでしょう。
こうしたケースでは、費用を一定の条件で事業用とプライベート用に区別する家事按分が必要です。当然ですが、プライベート用で使った分は経費計上NGです。
家事按分については、なぜその按分になるのか正確に説明できるようにし、根拠となる資料も提示できるように準備してください。
なお、家事按分の割合には明確な区分はありません。事業とプライベートで利用している時間や量などの割合で判断する必要があります。
しかし、明確な正解がないので経験や知識がないと、正しく計算できません。「正確に計算できていない=間違っている」ということになり、後々税務署から修正を求められる恐れもあります。
また、会計ソフトを使えば手軽に家事按分を計算できますが、割合の指定が必要で、その割合がわからないと正しく計算できないでしょう。
最善は、税理士などの専門家へ相談することです。適切な助言をもらえるほか、そのまま依頼すれば正しく経費を算出してくれます。
個人事業主は経費計上の条件が厳しい
個人事業主は、法人よりも経費計上が厳しいと認識しておくとよいでしょう。
先ほども触れましたが、個人事業主は1台の車を仕事とプライベートの両方に使用することが多く、明確に線引きが難しいからです。
家事按分すれば経費計上可能ですが、業務内容をチェックして使用頻度があまりにも多すぎると私的利用が疑われます。反対に使用頻度が極端に少ないのに、買い替えが多ければ税務調査の際に経費算入を否認される恐れもあります。
高級車の購入による節税でお悩みならネイチャーグループ
高級車の購入は節税効果があります。
しかし、全ての高級車が認められるとは限りません。経費とキャッシュのバランスを考えたり、プライベートと区別するために家事按分が必要だったりと専門的な知識も必要です。
そのため、自分で全作業を適切に実行するのは難しいでしょう。普段多忙な経営者となればなおさらです。
そこで私たちネイチャーグループにお任せください。当社は、資産運用と税金対策に特化した国内最大級のコンサルティングファームです。高級車の購入による節税についての知識およびノウハウが豊富なコンサルタントも多数在籍しています。
また、高級車の購入による節税以外の税金対策についてもご提案可能です。無料相談もできるので、高級車の購入による節税を含め、税金対策でお悩みの場合はぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ:高級車の節税は資金繰りを踏まえて判断しよう
高級車の購入は、条件を満たせば節税効果を期待できます。そのため、実践したいと感じる方もいるでしょう。高級車による節税を考えているなら、本記事で紹介した5つのポイントは押さえておいてください。
さらに、資金繰りも踏まえて判断することも重要です。節税できるならと勢いで買ってしまうと資金繰りが悪化し、事業に支障をきたす恐れがあります。
また、趣味性の高い車種は経費と認められにくい点にも注意しましょう。
高級車の購入による節税についてお悩みなら、専門家への相談がおすすめです。
私たちネイチャーグループは節税対策に精通しているほか、資産規模100億円を超える案件も多数抱えており、実績も豊富です。初めての方でも相談しやすい環境を整えておりますので、いつでもお気軽にご相談ください。
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