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少額減価償却資産の特例は最大40万円?令和8年改正の活用術

「仕事で使うパソコンやオフィス家具が値上がりし、30万円の枠に収まらなくなった」と頭を悩ませる経営者や個人事業主は少なくありません。物価高騰の影響で、以前なら一括経費にできた備品が資産計上を余儀なくされるケースが増加しています。

税理士法人ネイチャーでは、数多くの富裕層や法人オーナーの資産管理を支援しており、税制改正を逆手に取った資金効率の最大化を提案してまいりました 

この記事を読めば、2026年(令和8年)から始まる「40万円」の新ルールを活用し、手元のキャッシュを増やす具体的な道筋がわかります。新基準を正しく理解し、余分な納税を回避するメリットを手に入れましょう。

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資産運用・富裕層

少額減価償却資産の特例とは?

少額減価償却資産の特例は、通常は数年かけて経費化する備品を、取得した年度に一括して損金算入できる税務上の特例措置です。

全額を損金算入できる即時償却の仕組み

10万円を超えるパソコンや機械などの備品を購入した場合、法律で定められた耐用年数に従って数年間にわたり経費を配分します。この経理処理が減価償却です。一方、本特例を適用して購入年度に全額を経費にする処理は即時償却に該当します。 利益が出ている年度に設備投資を行うことで、当期の税負担を直接的に軽減できる仕組みです。

通常の減価償却よりも早期に節税できる

通常の減価償却では経費化が数年間に分散するため、節税の効果を実感できるまで時間を要します。例えば、40万円のサーバーを5年で償却する場合、初年度に計上できる金額は限定的です。

一方、特例を活用して40万円を1年で経費にできれば、当期の利益を大きく圧縮できます。早期の経費化は、納税額を抑えて手元に現金を残し、次の投資へ資金を回せる状態を作ります。

一括償却資産や消耗品費との処理方法の違い

備品の取得価額によって、適用される経理ルールは3種類に分類されます。本特例は、消耗品費や一括償却資産の基準を超える高額な資産を、単年度で経費化できる唯一の手段です。資産の金額や経営状況に応じて、最も資金効率が高まる処理を選択する視点が欠かせません。

区分10万円未満10万円以上20万円未満40万円(2026年4月〜)未満
会計処理消耗品費一括償却資産少額減価償却資産の特例
経費化の期間1年(全額)3年(均等)1年(全額)
償却資産税非課税非課税課税対象
主な対象者全事業者全事業者青色申告の中小企業・個人

少額減価償却資産の特例の対象になる条件

本特例は適用対象が限定されており、事前の確認を怠ると、後に税務署から経費計上を否認されるリスクがあります。

青色申告を提出している中小企業者や個人事業主

本特例の適用を受けられるのは、青色申告を行っている中小企業者や個人事業主に限定されます。白色申告を選択している場合、10万円以上の備品を単年度で一括経費にすることは認められません。確実な節税メリットを享受するためには、青色申告の承認を受けておくことが必須条件となります。

常時使用する従業員数が400人以下の規模制限

適用対象となる法人は、常時使用する従業員数が400人以下の規模に制限されます。以前は500人以下という基準でしたが、近年の税制改正により要件が厳格化されました。従業員数のカウントにはパートタイム労働者なども含まれる場合があるため、基準値付近の法人は注意深い判定が求められます。

資本金1億円以下の法人に課される資本金基準

法人の場合、資本金が1億円以下であることも適用要件のひとつです。ただし、資本金が1億円以下の法人であっても、資本金1億円超の親会社に株式を保有されている「みなし大企業」は対象外となります。

富裕層が保有する資産管理法人であっても、親会社との資本関係によっては特例を適用できない可能性があるため、株主構成の再確認が必要です。

資産運用・富裕層

少額減価償却資産の特例が令和8年(2026年)から40万円へ引き上げ

長らく「1個あたり30万円未満」とされてきた基準が、2026年度の改正により「40万円未満」へと大幅に緩和されます。

物価高の影響で30万円から40万円へ基準を緩和

上限額引き上げの背景には、世界的な物価高騰に伴う備品価格の上昇があります。従来の30万円基準では、高性能なIT機器や医療設備が特例の枠をはみ出し、投資を抑制する要因となっていました。基準額が10万円上乗せされたことで、より高スペックな設備の導入時に即時償却を選択しやすくなります。

令和8年4月以降に購入した資産から適用される新ルール

40万円の新基準が適用されるのは、2026年4月1日以降に取得し、事業の用に供した資産からです。契約日が3月中であっても、配送を経て実際に稼働した時期が4月以降であれば、新基準での判定が可能です。

適用期限の延長に関する最新の税制改正動向

本特例は期限付きの時限措置として運用されており、2026年度の改正で上限額の引き上げとともに適用期限の延長も決定しました。中小企業の投資促進を目的とした政策的な背景が強く、今後もしばらくは継続する見込みですが、恒久的な制度ではありません。常に最新の改正情報に基づき、期限内に設備投資を完了させるスケジュール管理が重要です。

少額減価償却資産の特例の限度額300万円を使い切る

1個あたりの上限額とは別に、年間で合計いくらまで経費化できるかという「総枠」の管理が求められます。

年間合計額を300万円以内に収める計算の注意点

特例を適用して経費にできる合計額は、1事業年度で300万円が上限です。例えば、1個35万円のハイスペックPCを10台導入した場合、総額は350万円となりますが、特例の対象となるのは300万円までとなります。複数の資産を同時に導入する際は、合計額が300万円を超えない範囲で本特例を適用し、超過分は通常の減価償却に割り振る計算が必要です。

今回の改正ではこの300万円の上限は引き上げられていないため、ご注意ください。

決算直前の駆け込み購入で利益を圧縮

予想以上の利益が見込まれる決算期末に、300万円の枠を活用して設備を更新する手法は有効です。古くなったオフィス什器の買い替えや、ITインフラの刷新により、当期の納税額を抑えつつ事業環境を整えられます。

ただし、決算日までに資産が事業の用に供されていることが適用の絶対条件です。 単なる発注や支払いの完了だけでは経費化できないため、納品後のセットアップまで完了させる必要があります。

特例を使わないほうが得なケース

「全額経費にできるなら常に使うべき」と考えがちですが、あえて特例を適用しない戦略も存在します。例えば、当期が赤字で、翌期以降に多額の黒字が見込まれる状況です。赤字の年度に多額の経費を計上するよりも、通常の減価償却を選択して翌期以降の利益と相殺させたほうが、中長期的な節税効果は高まります。

富裕層の事例:不動産オーナーのエアコン一新

1棟マンションを保有するオーナーが、空室対策として各部屋のエアコンを一括で更新するケースです。1台35万円(工事費込)の最新機種を8台導入した場合、総額は280万円となります。2026年の新基準であれば、300万円の枠内で全額を単年度の経費に計上でき、賃貸収入にかかる多額の所得税を即座に圧縮可能です。

少額減価償却資産の特例の判定で迷う消費税の処理

「40万円未満」の判定に消費税を含めるかどうかは、採用している経理方式によって決定されます。

税抜経理なら40万円超の商品も即時償却できる理由

法人が「税抜経理」を採用している場合、特例の判定は消費税抜きの金額で行います。税込で43万8,900円の商品であっても、本体価格が39万9,000円であれば、新基準の40万円未満に該当します。経理方式の選択ひとつで、即時償却できる資産の範囲が大きく変わることは、経営者が把握しておくべき重要なポイントです。

送料や設置費を含めた取得価額の正しい計算方法

資産の判定金額には、本体代金だけでなく「使い始めるために直接かかった費用」を合算しなければなりません。送料や据付工事費、初期設定費用などが該当します。本体が39万円であっても、付随費用を含めた取得価額が40万円以上に達すると特例は適用できません。 税務調査で否認されやすい項目であるため、総額での判定を徹底してください。

少額減価償却資産の特例の固定資産税に関する注意点

所得税や法人税を軽減できる一方で、地方税の負担が増えるという点に注意が必要です。

即時償却しても償却資産税の申告が必要な理由

本特例を適用して法人税や所得税の計算上で全額経費にした資産であっても、地方税である「償却資産税(固定資産税)」の課税対象からは除外されません。10万円以上の資産を即時償却した場合、毎年1月に自治体へ提出する償却資産申告書に記載する義務が生じます。

「国税で経費にしたから地方税もかからない」という誤認は、後日の延滞税や加算税を課されるリスクに直結します。

税負担を抑えるために一括償却資産を選ぶ判断基準

償却資産税の負担を回避したい場合は、あえて「一括償却資産(20万円未満)」として処理する選択肢があります。一括償却資産として3年均等償却を行う場合、例外的に償却資産税の課税対象から外れるためです。

当期の所得税をゼロにする「即時償却」か、3年間のトータルで地方税まで含めたコストを抑える「一括償却」か、有利な方を慎重に選択しましょう。

少額減価償却資産の特例の書き方を確定申告書で確認

特例のメリットを享受するためには、申告書上で正しい手続きを行う必要があります。

青色申告決算書への記載が必要な内容

個人事業主の場合、青色申告決算書の「減価償却費の計算」欄に資産の詳細を記入します。摘要欄には「措法28の2(措置法第28条の2)」といった根拠条文を記載し、特例の適用を明示します。明記されていない場合、税務署から通常の減価償却とみなされ、過大な経費計上を指摘されるリスクが生じるので注意が必要です。

適用額明細書の添付が必要

法人の場合は、法人税の申告書とともに「適用額明細書」を提出しなければなりません。同明細書の所定欄に特例の名称や根拠条文番号を正確に記載します。富裕層が経営する法人では、複数の優遇税制を併用するケースが多いため、それぞれの適用要件と書類の整合性を保つ作業が不可欠です。

法人の対策のご相談なら税理士法人ネイチャー

基準額が40万円に引き上げられる改正は、経営者にとって資産防衛のチャンスです。しかし、即時償却を優先するあまり、償却資産税の負担増を見落としたり、二次相続における資産評価の最適化を逃したりしては本末転倒です。

税理士法人ネイチャーは、資産規模の大きな富裕層や法人オーナーの税務コンサルティングを専門としています 

少額減価償却資産は年300万円までしか適用できないため、効果が限定的です。もし他の手法も組み合わせて今期の利益を対策したいとお考えの場合、税理士法人ネイチャーは専門的なノウハウのもとで対策手法のご提供が可能です。ご興味があられる場合は、ぜひお問い合わせください。

まとめ:少額減価償却資産の特例で手元にキャッシュを残す

少額減価償却資産の特例は、2026年から40万円へと拡大し、活用の幅がさらに広がります。重要なポイントを再確認しましょう。

  • 2026年4月以降、1個40万円未満の資産を単年度で全額経費化可能
  • 年間300万円の限度額を、利益状況に合わせて計画的に消化する
  • 税抜経理の採用や付随費用の合算など、判定基準を厳密に把握する
  • 国税の節税だけでなく、地方税(償却資産税)の申告義務を忘れない
  • 将来の相続や黒字見込みを考慮し、あえて特例を使わない柔軟性を持つ

目先の納税額だけでなく、中長期的な視点で資産を調整することが重要です。新ルールを最大限に活用し、事業の発展と確実な資産形成を両立させましょう。

税理士法人ネイチャーでは、税務の最適化を通じた資産運用の支援を行っております。改正内容を反映した具体的なシミュレーションをご希望の方は、ぜひお気軽に無料相談をご利用ください。

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