国際相続が絡む修正申告を自分で行うことは、国内の財産を申告する場合に比べ高いリスクを伴うため、決しておすすめできません。
海外資産の修正申告には、日本の税法だけでなく、現地の法律や複雑な外貨計算、さらには二重課税を防ぐための高度な知識が求められます。ご自身で「これで大丈夫だろう」と判断して提出した書類が、税務署にとっては不十分であり、後に追徴課税の対象となってしまう可能性もあるのです。
特に海外資産については、税務署は独自のネットワークを駆使して非常に詳しく把握しています。自分一人の力で、国家レベルの情報網を持つ税務署と渡り合うのは、無謀と言わざるを得ません。
税務署はCRSであなたの海外資産を把握している
今の時代、海外にある財産を税務署に隠し通すことは、事実上不可能だということを知っておく必要があります。
世界各国の税務当局が銀行口座の情報を自動で交換するCRS(共通報告基準)という仕組みがあります。申告していなかった海外口座の残高や利子の情報は、税務署へ筒抜けになっていると考えた方がいい時代です。実際に国税庁がCRSにより海外から取得した情報の件数は令和7年6月までの1年間で約270万件と膨大な数になっています。
当社の案件でもこういったCRS情報をもとに、納税者の方に相続税の調査が発生してしまったケースが何件もございます。税務署側ではどの銀行の海外口座にどの程度の資産が預けられているのか、金額レベルまでわかった状態で調査が行われるケースも多いため、これらの調査で追徴課税を回避することは困難です。
このような状況下で、申告漏れのまま放置することは、税務調査を通じた厳しい追徴課税を引き起こしてしまうかもしれません。修正申告を行えば、ペナルティ的な課税の大部分は免除されますが、税務調査が入ってからの修正だと、多額の加算税を支払う必要が出てきてしまう可能性があります。
外貨換算と現地の評価ルール
海外資産を修正申告する際、評価額の計算には注意が必要です。
例えば、海外の銀行口座に預け入れている預金であれば、亡くなった日の為替レートで円に直せばよいのですが、TTBを使うべきところ、別のレートを適用してしまうと評価額が過大に計算されてしまいます。さらに海外の不動産となると、相続開始日時点での時価を出す必要があり、それを日本の税法に当てはめるという、相当にハードルの高い作業が必要になります。
また、すでに海外で税金を納めている場合には外国税額控除という手続きが必要ですが、この適用を忘れてしまうと、日本と海外で二重に税金を払うことになり、大きな損をしてしまいます。自分で行う修正申告は、こうした節税のチャンスを逃してしまうことにもつながるのです。
重加算税という恐ろしいペナルティを避けるために
日本で相続税がかかることを知りながら修正申告を行わず、放置してしまった場合の最悪のケース、それが重加算税です。
もし税務署に財産を意図的に隠蔽したと判断されると、本来の税金に加えて、最大40%という極めて重い重加算税が課されます。国際相続の場合、もともとの財産額が大きくなる傾向があるため、40%という数字は人生を狂わせかねないほどの金額になり得るので注意が必要です。
専門家である税理士が入ることで、申告が漏れてしまった経緯を論理的に説明し、不当に重いペナルティを課されないよう防波堤の役割を果たすことができます。
さらに重要なのがタイミングです。税務署から指摘を受ける前に自主的に修正申告を行えば、ペナルティとしての加算税は原則として免除されます。一方で、調査通知が来てからでは、加算税を避けることはできません。一日でも早くプロの手を借りて適正な申告を済ませることが結果として最大の節税につながります。
海外金融機関とのやり取りに潜む落とし穴
修正申告のためには、海外の銀行や証券会社から過去の取引明細や残高証明書を取り寄せる必要がありますが一筋縄ではいきません。
言葉の壁や現地の金融機関特有の手続き、サインの認証など、非常に手間と時間がかかります。中には、口座が凍結されてしまっており、相続人であっても簡単に書類を出してもらえないケースもあるのです。
国際税務に強い税理士であれば、海外機関とのやり取りに慣れており、必要な書類を迅速に揃えるノウハウを持っています。ご自身で四苦八苦して数ヶ月を費やすよりも、プロに任せて解決するほうが、精神的な負担も圧倒的に少なくなります。
資産運用や出口戦略まで見据えた修正の重要性
修正申告は、単に過去のミスを直すだけの手続きではありません。その海外資産を今後どう活用し、あるいは日本へ送金するのかという出口戦略を考える絶好の機会でもあります。
自分で行う修正申告は、単なる事後処理で終わってしまいますが、プロに任せることで、それは未来のための資産管理へと変わります。この視点の違いが、数年後の資産額に大きな差を生むことになるでしょう。
まとめ:国際相続の不安を一生の安心に変えるために
海外資産の申告漏れに気づいたとき、誰しもが「どうしよう」と不安に駆られるものです。しかし、そこで「自分でなんとかしよう」と焦って行動することは、火に油を注ぐ結果になりかねません。
国際相続の修正申告は、専門的な知識、最新の情報、そして海外とのネットワークが必要な、極めて特殊な領域です。高額な加算税を回避し、大切な財産を次世代へ正しく引き継ぐために、まずは私たちの無料相談へ一歩踏み出してみませんか。
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