建設業者の税金相談なら税理士がおすすめ!依頼先を見極める3つのポイントを解説

建設業では、工事代金の入金より先に、資材代や協力会社への外注費を支払うことがあります。大型工事が完成した年度に多額の利益が計上されても、次の工事に必要な先行資金や納税資金を差し引くと、自由に使える資金が想定より少ないこともあります。

記帳や申告は顧問税理士に任せていても、工事ごとの利益をどう把握するか、納税資金をどう準備するか、経営事項審査や資金繰りへどのように影響するかといった点は、別途検討が必要になることがあります。

この記事では、建設業の税金相談に対応できる税理士を見極めるための3つのポイントを解説します。工事別の原価、納税の見込み、経営事項審査への影響を確認しながら、次の工事に必要な資金をどう確保していくかを整理していきましょう。

法人税

建設業者の顧問が得意な税理士の選び方

建設業の税理士選びでは、法人税の申告経験だけでなく、工事ごとの売上と原価、協力会社との契約、入金と支払いの時期まで理解しているかを確認する必要があります。とくに見ておきたいのは、次の3点です。

  • 工事収益の計上時期と未成工事支出金を適切に処理できる
  • 一人親方への外注費とインボイス制度に対応できる
  • 経営事項審査と資金繰りへの影響を踏まえて助言できる

工事収益の計上時期と未成工事支出金を適切に処理できる

決算日をまたぐ工事では、契約の内容や工期、引渡しの条件、進捗状況をもとに、収益とそれに対応する原価をどの事業年度へ計上するかを判断します。一定の長期大規模工事には進捗度に応じて計上する特例がありますが、工事完成基準と工事進行基準を節税目的で使い分けられるわけではありません。

完成前の工事にかかった材料費や外注費などは、未成工事支出金として管理し、工事が完成して引き渡された時点で完成工事原価へ振り替えます。追加工事や値増し・値引きが発生した場合は、変更契約書、注文書、請求書などを整理し、完成工事高や工事原価を正確に把握することが重要です。

なお、法人税で翌期へ繰り越す原価であっても、消費税の仕入税額控除の時期は工事完成時とは限りません。原則は資材の引渡しや役務提供が完了した日の属する課税期間です。そのため、建設業では、法人税と消費税の処理を分けて、正確に確認できる税理士を選ぶことが大切です。

一人親方への外注費とインボイス制度に対応できる

一人親方への支払いが外注費か給与かは、契約書の名称だけで決まりません。業務の指揮監督関係、報酬の計算方法、材料や工具の負担、代替性、時間的拘束の有無など、取引の実態を踏まえて判断します。外注費として処理していた支払いが給与に該当すると判断された場合、消費税の課税仕入れにあたらず、仕入税額控除の対象外となるので注意が必要です。

源泉所得税を含む給与処理の見直しが必要になることもあります。業務委託契約書を作成して終わりにせず、実態と一致しているかを確認しておきましょう。

また、インボイス制度への対応も含め、単に経費を計上するだけでなく、建設業界特有の業務委託の商習慣を踏まえ、正確に申告ができる税理士を選びましょう。

経営事項審査と資金繰りへの影響を踏まえて助言できる

建設業では、税額を抑えることだけでなく、経営事項審査や資金繰りへの影響も考慮する必要があります。

経営事項審査を受ける会社では、完成工事高、自己資本額、利益額、技術職員数、社会保険加入状況などが評価に影響します。国土交通省も、経営事項審査は公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が必ず受けなければならない審査と説明しています。

そのため、節税目的で利益を過度に圧縮すると、経審の評点や金融機関からの評価に影響する可能性があります。建設業では、法人税だけでなく、入金予定、外注費の支払い、納税資金、借入返済、次の工事に必要な運転資金まで含めて判断することが重要です。

工事別の採算管理、資金繰り表、納税予測、経営事項審査への影響をあわせて確認できる税理士であれば、税負担だけでなく、次の工事を受注・施工するための資金計画まで相談しやすくなります。

建設業者が税理士に依頼する際にかかる費用相場

建設業が税理士へ支払う報酬は、売上規模や工事件数、工期、工事別原価管理の状況、記帳代行の有無、訪問の頻度、消費税申告の方法などによって変わります。一般的な費用の目安は、次のとおりです。

依頼内容費用の目安主な業務内容
月次税務顧問3万〜10万円/月月次会計の確認、工事別原価管理、一人親方外注費の処理指導、一般的な税務相談
単発の財務戦略個別見積もり突発的な大型利益に対する即効性のある償却資産(リース等)の活用支援
事業承継・M&A個別見積もり未上場株式の評価、後継者へのスムーズな自社株移転、同業他社の買収支援

※上記は一般的な料金例をもとにした目安であり、税理士法人ネイチャーの料金表ではありません。実際の報酬は依頼先へご確認ください。

工事別原価表の作成、未成工事支出金の集計、給与計算、消費税申告などが月次顧問料に含まれるかは、事務所や契約内容によって異なります。自社で工事台帳を作成するのか、税理士側が資料から集計するのかによっても報酬は変わります。

完工前の資金繰りのシミュレーションや設備投資税制の適用についての確認、経審を意識した決算の検討、相続対策などは、通常の顧問契約とは別料金になる場合があります。契約前に、業務範囲と成果物、追加報酬の条件を確認しておきましょう。

法人税

建設業者が税理士に依頼するメリット

建設業の税務に詳しい税理士へ早めに相談しておくと、完工による利益の増加と、次の工事の先行支出を、同じ資金計画のなかで捉えやすくなります。主なメリットは次の2つです。

  • 完工時の納税額と次期工事の先行資金を見通しやすくなる
  • 経審・入札への影響を確認しながら決算対策を検討できる

完工時の納税額と次期工事の先行資金を見通しやすくなる

大型工事の完成時期、追加工事、原価の増減を月次で反映していけば、決算を待たずに完成工事高や利益、法人税・消費税の納付見込みの試算が可能です。次期工事の材料費、外注費、給与、借入金の返済を加えれば、納税後に確保しておくべき運転資金がつかめます。

重機や施工管理システムなど本業に必要な投資では、中小企業経営強化税制などを利用できることがあります。ただし対象設備や計画の認定、事業供用の時期といった要件があり、投資したあとに相談しても、通常は間に合いません。

経審・入札への影響を確認しながら決算対策を検討できる

公共工事を受注する会社では、利益を減らす対策が経審にどう影響するかもあわせて確認する必要があります。決算前に相談して、対策をする場合としない場合とで、税額、現預金、利益、自己資本がどう変わるかを比較しましょう。

ただし、完成工事高や利益を恣意的に増減させることは認められません。税務申告と経審で使う財務諸表の整合性を保ち、工事台帳や注文書、請求書から金額を説明できる状態にしておくことが前提です。税理士が評点や受注を保証できるわけではありませんが、数値の変化を事前に確認しておけば、納税・入札・資金調達をばらばらに判断せずに済みます。

建設業者が税理士に依頼する際の注意点

建設業の節税対策を税理士へ依頼する際は、相談する時期と提案内容の確認方法が重要です。決算直前に税額だけを減らそうとすると、使える制度が限られるうえに、次の工事に必要な資金や経営事項審査にまで影響が及ぶことがあります。次の2点を意識しておきましょう。

  • 大型工事の完工見込みが立った段階で相談する
  • 建設業許可や社会保険の手続きと連携できるか確認する

大型工事の完工見込みが立った段階で相談する

建設業では、工事の完成時期や追加工事、資材価格の増減によって決算の利益が大きく動きます。決算直前に相談しても、設備投資税制に必要な認定や証明書の準備が間に合いません。

完工時期や利益の増加が見込まれた段階で、請負契約書、工事台帳、実行予算、未成工事支出金、入金予定を共有しましょう。設備投資を予定しているなら、発注前に見積書も渡しておくことが大切です。なお、工事の完成時期や原価を節税目的で動かすことはできません。実際の進捗にもとづいて利益と納税額を予測してもらい、そのうえで実行できる対策を検討していきましょう。

建設業許可や社会保険の手続きと連携できるか確認する

建設業では、税務だけでなく、建設業許可、社会保険、労務管理、外注先管理なども経営に大きく関係します。税理士がすべての手続きを代行するわけではありませんが、必要に応じて行政書士や社会保険労務士と連携できる体制があるかは確認しておきましょう。

たとえば、建設業許可の更新、経営事項審査、社会保険加入状況、一人親方との契約関係などは、税務処理とも関係する場面があります。外注費として処理していた支払いが実態として給与に近い場合、税務だけでなく社会保険や労務上の問題につながる可能性もあります。

そのため、建設業の税理士を選ぶ際は、法人税や消費税の申告だけでなく、建設業許可や社会保険、労務管理の専門家と連携しながら対応できるかを確認することが重要です。複数の専門家が関わる論点を早めに整理できれば、税務処理と許認可・労務対応のズレを防ぎやすくなります。

建設業者の節税対策なら税理士法人ネイチャー

建設業の節税対策では、法人税額だけを見るのではなく、次期工事の運転資金や経審、金融機関への説明にどう影響するかまで比べることが重要です。大型工事の完工や設備投資を予定しているなら、決算直前ではなく、見込みが立った段階でご相談ください。

税理士法人ネイチャーでは、建設業の会計顧問業務は承っておりません。現在お付き合いのある顧問税理士との良好な関係は継続していただきながら、対策に特化したセカンドオピニオンとして弊社をご活用ください。

「今期、どのような決算対策が活用できるか知りたい」「将来の事業承継に向けて、今取るべきアクションを知りたい」といったようなご相談をいただくケースが非常に増えております。もし、対策に向けた情報提供をさせていただけるようであれば、弊社の無料面談をご活用ください。幅広い選択肢をご用意して経営をサポートいたします。

まとめ:建設業者の節税は税理士に相談しよう

業績の波が激しく、常に多額の運転資金が求められる建設業界において、手元資金を効率的に残すためには、自社のビジネスモデルを理解し、即効性のあるカードを切れる専門家の存在が不可欠です。日々の煩雑な現場経理は現在の顧問税理士に委ねつつ、セカンドオピニオンとして対策の専門家を活用しましょう。

税理士法人ネイチャーでは、建設業オーナーの皆様に向けた無料相談を実施しております。現在の資産状況や将来のビジョンをお伺いし、最適なアプローチをご提案いたします。まずはお気軽に弊社までお問い合わせください。

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