保有資産が多い方の中には、資産の扱いに悩んでいる方も多いでしょう。うまく保有資産を運用・管理するには、プライベートバンクを利用するのも選択肢の1つです。
この記事では、資産運用の手段の1つであるプライベートバンクとは何なのか、いくらから利用できるか、メリット・デメリットなどを解説します。プライベートバンクではいくらから利用できるか詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
プライベートバンクとは富裕層向け金融サービスのこと
プライベートバンクとは、富裕層に向けた金融サービスの総称(ウェルスマネジメント)や金融サービスを提供する金融機関のことです。
プライベートバンクの特徴は、専任の担当者がついて個々の状況に合うオーダーメイド型の提案が受けられる点です。一般的な銀行と比べて、ワンランク上のウェルスマネジメントを受けたいと考えている方に向いているでしょう。
プライベートバンクはいくらから利用できるか各国で比較
プライベートバンクは誰でも口座を開設できるわけではありません。最低預入資産、職業や家族構成などの基準がプライベートバンクごとに設けられており、その基準を満たさないと新規に口座を開設することができません。また、審査基準を満たす以外に紹介を必要とするケースも見られます。
特に審査基準で条件が厳しく設定されているのが最低預入資本です。プライベートバンクを以下の5つに区分して、利用できる資本の目安をまとめました。
- スイス系プライベートバンク
- 英米系プライベートバンク
- 日系証券のプライベートバンク
- 日系銀行のプライベートバンク
- シンガポールのプライベートバンク
それぞれのプライベートバンクがいくらから利用できるか詳しく見ていきましょう。
スイス系プライベートバンクは2億円からが目安
スイス系のウェルスマネジメントは、口座を開設するためには最低でも2億円の預入資産が必要とされています。
スイス系のウェルスマネジメントの特徴をまとめると以下の通りです。
- プライベートバンク発祥の地とされる
- サービスが世界一と称される
5億円以上の資産を必要とする金融機関もあるため、口座開設のハードルが全体的に高いでしょう。
英米系プライベートバンクは5億円からが目安
英系のウェルスマネジメントは最低預入資産が18億円以上、米系では15億円が多いです。
英米系のウェルスマネジメントの特徴をまとめると以下の通りです。
- 最低金額の引き上げた目立つようになった
- 紹介制を導入しているプライベートバンクも多い
最低金額を引き上げることによって希少性を高めることも狙いの1つと言えるでしょう。
日系証券のプライベートバンクは1億円からが目安
日系証券のウェルスマネジメントは最低でも1億円の預入資産が必要とされています。
日系証券のウェルスマネジメントの特徴をまとめると以下の通りです。
- プライベートバンクの中ではハードルが低め
- 日本語に対応しているので安心
海外のウェルスマネジメントを利用する場合には、英語を流暢に話せなくてはなりません。しかし、日系のウェルスマネジメントは日本語対応なので、安心して利用できるでしょう。
日系銀行のプライベートバンクは5億円からが目安
日系銀行のウェルスマネジメントは最低でも5億円の預入資産が必要とされています。
日系銀行のウェルスマネジメントの特徴をまとめると以下の通りです。
日系証券よりも審査基準を厳しくし、利用できる方を制限している
海外の金融機関と業務提携を行っていることが多い
口座開設のハードルが高いということは、悪いことではありません。開設を制限することでサポート体制の強化を図っていると言えるためです。
富裕層でも口座開設できない可能性があるという点に気をつけましょう。
シンガポールのプライベートバンクは2億円からが目安
シンガポールのウェルスマネジメントでは2億円が最低預入資産の目安となります。
シンガポールのウェルスマネジメントの特徴をまとめると以下の通りです。
- 政治的に安定している
- 税金面でのメリットがある
- ハイリスク・ハイリターン
アジア全体で富裕層が増加していることもあり、アジア圏でもプライベートバンクが注目を集めています。特にシンガポールはプライベートバンクが盛んですが、リスクが高めなので気をつけてください。
プライベートバンクを利用するメリット
プライベートバンクを利用する際には、後悔しないためにもメリット・デメリットを事前に押さえた上で利用すべきかどうかを判断することが大切です。
プライベートバンクを利用するメリットとして、以下の4つが挙げられます。
- オーダーメイドの資産運用が行える
- 幅広いサポートを受けられる
- 商品の選択肢が豊富にある
- 一般的な金融機関よりも高い利回りが期待できる
まずはメリットについて詳しく解説していきます。
オーダーメイドの資産運用が行える
プライベートバンクでは、以下のような口座開設者の情報を踏まえながら最適な資産運用のマネジメントを受けられます。
- 資産状況
- 運用方針
- 家族構成
- 年齢
- 職業
- リスク許容度
一般的な金融機関に相談した場合には、いくつか用意されたプランの中からリスク許容度や運用方針などを踏まえて決めるため、オーダーメイドとは言えないでしょう。
しかし、プライベートバンクは、相談者一人ひとりの状況を踏まえながらオーダーメイドのプランを作成します。資産運用のプロによる一人ひとりに最適化された運用プランの提案を受けられるという点がメリットです。
幅広いサポートを受けられる
プライベートバンクで受けられるのは、資産管理や資産運用といった金融サービスだけではありません。例えば、以下のような非金融サポートが受けられます。
- 税務アドバイス
- 海外留学サポート
- 資産承継・事業承継コンサルティング
人生設計に関する相談ができる点も特有のメリットです。
商品の選択肢が豊富にある
一般的な金融機関に資産運用を相談した場合は、提案されるのは誰でも購入しやすい債権や株式、投資信託などになります。しかし、プライベートバンクに相談した場合は、仕組債やヘッジファンドなどの一般的な金融機関で取り扱っていない金融商品を選択できます。
商品の選択肢が豊富にあるということは、チャンスに恵まれているということなので資産を効率良く増やせる可能性が高まるでしょう。
一般的な金融機関よりも高い利回りが期待できる
プライベートバンクでは、金融商品の知識が豊富な専属の担当者が豊富な金融商品の中から顧客のリスク許容度や運用方針などを踏まえながら厳選して資産を運用してくれます。
そのため、一般的な金融機関よりも期待利回りが高く、効率良く資産を増やせる点が大きなメリットと言えるでしょう。
プライベートバンクを利用するデメリット
プライベートバンクを利用するデメリットとして、以下の2つが挙げられます。
- 手数料が高い
- サービス利用に審査が設けられている
続いてデメリットを詳しく説明していきます。
手数料が高い
ウェルスマネジメントは、サービスが手厚いことから、一般的な銀行に相談する場合よりも手数料が割高です。一般的な銀行との手数料を比較すると以下の通りです。
プライベートバンク | 売買手数料(金融商品の取引時に発生する費用)資産基準手数料(預かり資産に対して発生する費用)固定報酬(口座を持っているだけで発生する費用)成功報酬(運用成果応じて発生する費用) |
---|---|
一般的な銀行 | 売買手数料(金融商品の取引時に発生する費用)信託報酬(預かり資産に対して発生する費用) |
ウェルスマネジメントにかかる手数料は多種多様です。上記はあくまでも一例で、プライベートバンクによっては手数料の種類や金額が異なるため、各社の違いを比較してから相談しましょう。
サービス利用に審査が設けられている
プライベートバンクは、サービス利用に審査が設けられており、誰でも利用できるわけではありません。一般的な銀行の審査基準を比較すると以下の通りです。
プライベートバンク | 金融資産の金額最低預入資産職業や仕事内容国や役所への納税状況 |
---|---|
一般的な銀行 | 特になし(不正利用やマネーロンダリングが疑われるケースを除く) |
一般的な銀行は幅広い投資家を対象としていることから、口座を開設する際は氏名や住所、職業などの個人情報の提供を求められるものの、厳しい審査は基本的にありません。
ウェルスマネジメントは一般投資家ではなく富裕層を対象としていることから、金融資産の金額や最低預け入れ金額、職業や仕事内容、職業や仕事内容、国や役所への納税状況などの厳しい審査基準を設けています。
希望者全員がプライベートバンクを利用できるわけではないので注意してください。
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まとめ:プライベートバンクがいくらから利用できるか知って利用の判断をしよう
プライベートバンクでは、高い利回りで資産を運用できるほか、資産運用以外のサポートも受けられます。そのため、プライベートバンクに興味を抱いている方も多いと思いますが、口座を開設するには厳しい審査をクリアしなくてはなりません。
審査基準やリスクリターンのバランスなどを考慮しながら自分に合うプライベートバンクを探してみましょう。
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