ストックオプション、それはあなたの努力が報われた証です。
会社が成長し、株価が上がれば上がるほど、その価値は膨れ上がります。
でも、いざ行使して「やった!」と喜んだのも束の間、「こんなに税金がかかるの?」と驚いた経験はありませんか?
実は、ストックオプションの税金は非常に複雑で、知らないと手取り額が大幅に減ってしまうケースが多々あります。でも安心してください。ストックオプションの税金は、知っているか、知らないかで結果が大きく変わるものです。
この記事では、私たちが皆様の大切な資産を税金で無駄にしないための具体的な節税策を実例を交えながら分かりやすく解説します。
ストックオプションの税金を理解する!まずは基本の「き」
結論から言うと、ストックオプションにかかる税金は、その種類によって大きく異なります。
まずは、あなたが受け取ったストックオプションがどのような税金の扱いになるのかを正確に理解することが第一歩です。
そもそもストックオプションとは?
ストックオプションとは、会社から事前に決められた価格(行使価額)で、将来、自社の株を購入できる権利のことです。
例えば、行使価額が100円のストックオプションを持っていたとします。
将来株価が1,000円に上がったときにこの権利を行使すれば、たった100円で1,000円分の株が手に入ります。この差額(900円)が利益になるわけです。
税金がかかるのはいつ?課税されるタイミングは2回ある
ストックオプションにかかる税金は、主に2つのタイミングで発生します。
1つ目は権利を行使して株を取得した時です。この時、株の時価と行使価額の差額が給与所得などと見なされ、所得税・住民税が課税されます。給与所得の場合、最大で約55%の高い税率が適用される可能性があります。
2つ目はその株を売却した時です。この時には、売却価格と行使時の株価との差額が譲渡所得と見なされ、約20%の税金が課税されます。
税制適格と税制非適格、何が違う?節税の鍵はここにある!
ストックオプションには節税の鍵を握る税制適格と税制非適格という大きな違いがあります。
税制適格ストックオプションは、税務上の厳しい要件を満たす代わりに、権利行使時の給与所得課税が発生しません。
税金がかかるのは株を売却した時の一度だけで、利益全体に対して約20%の譲渡所得課税で済みます。
一方、税制非適格ストックオプションは行使時に給与所得として最大約55%の税金が課され、さらに売却時にも譲渡所得として約20%の税金が課税されます。
知らないと損!ストックオプションの税金を最小限にする3つの節税策
ストックオプションで手取り額を最大化するためには、税務上の計画が不可欠です。ここでは、私たちがお客様にアドバイスしている、実践的な3つの節税策をご紹介します。
節税策1:税制適格ストックオプションを最大限に活用する
最も効果的な節税策は、そもそも税制適格ストックオプションの要件をクリアし、行使時の高額な給与所得課税を回避することです。
もし、あなたの会社のストックオプションが「税制適格」であるなら、必ず要件を満たしているか確認しましょう。もし少しでも不明な点があれば、会社の人事担当者や顧問税理士に確認することが重要です。
節税策2:特定口座(源泉徴収あり)を上手に活用する
株式を売却する際、証券会社の特定口座(源泉徴収あり)を利用すれば、売却益にかかる税金を自動で計算・納税してくれるため、確定申告の手間を省ける場合があります。
ただし、これには重大な落とし穴があります。証券会社はストックオプションの正しい取得価額を把握していないことがほとんどで、本来の取得価額より低い行使価額を基に税金計算をしてしまうのです。
その結果、利益が過大に計算され、本来払う必要のない多額の税金が徴収されてしまうリスクがあります。
特定口座を利用する場合でも、必ずご自身で税理士に相談し、正しい取得価額で税金が計算されているかを確認することが不可欠です。
節税策3:計画的な行使・売却で税金をコントロールする
税制非適格ストックオプションの場合、行使時の給与所得課税は避けられません。しかし、この税金は行使する年に発生する所得です。
例えば、ストックオプションを行使する年に、他の所得が少ない状況であれば、課税所得全体が低くなり、結果として税率が抑えられる可能性があります。
また、有償ストックオプションの場合、行使時の課税はありません。
代わりに、ストックオプションの購入価額に権利行使価額を加算した額と売却時の株価の差額が譲渡所得として課税されます。この特性を理解し、行使・売却のタイミングを戦略的に決めることが重要です。
実例で解説!税理士法人ネイチャーが解決した「ストックオプション税務トラブル」
私たちは日頃から、ストックオプションに関する税務相談を多数お受けしています。ここでは、実際にあったトラブル事例と、どのように解決したかをご紹介します。
ケース1:確定申告を忘れていたら追徴課税が…
スタートアップの役員を務めるAさんは、税制非適格ストックオプションを行使し、1,000万円の利益を得ました。しかし、確定申告は会社がやってくれると思い込み、手続きをしていませんでした。数年後、税務署からお尋ねが届き、無申告加算税と延滞税を含め、本来払うべき税金の1.5倍以上もの追徴課税を課されてしまったのです。
私たちはAさんの状況を詳しくヒアリングし、過去の所得状況を分析。最終的に税務署と交渉し、課税額を適正な額に修正することができました。しかし、本来なら払わなくてよかったはずの加算税や延滞税は避けられません。
このケースからわかるように、ストックオプションの確定申告は自分自身で行う必要がある場合が多いです。会社任せにせず、正しく理解することがいかに重要か、おわかりいただけたでしょうか。
ケース2:信託型ストックオプションの落とし穴にハマったお客様
最近増えているのが信託型ストックオプションです。この仕組みは複雑で、信託受益権という形でストックオプションを受け取ります。
あるお客様は、この信託受益権を譲渡した際の税務処理に悩んでいました。通常のストックオプションとは課税タイミングが異なるため、ネットの情報だけでは正しい申告ができませんでした。
私たちは、最新の税務当局の見解も踏まえ、お客様の状況に最適な申告方法をアドバイスいたします。お客様は安心して手続きを進めることができ、「自分で調べていたら、絶対に間違えていた」と安堵されていました。
ストックオプションの確定申告はなぜ複雑?よくある疑問と注意点
ストックオプションの確定申告は、複数の所得区分(給与所得、譲渡所得)が絡み合います。さらに取得価額の計算(株価と行使価額の差額)や特定口座の有無など、多くの要素が複雑に絡み合うので理解するのが容易ではありません。
特に、税制非適格ストックオプションの場合、源泉徴収されていないため、給与所得の金額を自分で正確に計算し、確定申告書に記入する必要があります。
なぜ専門家に頼むべき?確定申告を自分でするリスク
ストックオプションの確定申告を自分で間違えてしまうと、税務調査の対象となり、追徴課税という形で本来払うべき税金以上のペナルティを課される可能性があります。
専門家である税理士に依頼することで、正確な申告はもちろん状況に応じた最適な節税策を提案してもらうことができます。税務上のリスクを回避し、時間と労力を節約できるのが最大のメリットです。
税務署からの「お尋ね」が来たときの対処法
もし、税務署からストックオプションの取引についてお尋ねしたいという手紙が届いたら、決して無視してはいけません。これは税務調査の第一歩であることがほとんどです。
このような場合、一人で対応しようとせず、すぐに税理士に相談してください。専門家が間に入ってくれることで、冷静かつ的確な対応が可能となり、不要なペナルティを避けることができます。
ストックオプションの税務相談は税理士法人ネイチャーへ
税理士法人ネイチャーは、ストックオプションやM&A、相続・事業承継など、複雑な税務に特化したプロフェッショナル集団です。私たちは、単なる申告代行に留まらず、お客様一人ひとりの状況に寄り添った最適な税務戦略を提案します。
ストックオプションの税金対策や確定申告でお悩みなら、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ:ストックオプションの成功は、適切な税務計画から生まれる
ストックオプションは、今までの努力と会社の成長が形になった価値ある資産です。しかし、その利益を最大限に享受するためには、税金の知識と計画的な対策が欠かせません。
税制適格か非適格かにより課税のタイミングや税率が大きく違う、特定口座の利用には注意が必要などのように重要なポイントは多岐にわたります。
知らなかったという理由で、手にするはずだった利益を追徴課税で失ってしまうのは、非常にもったいないことです。ストックオプションに関する税金の悩みは、一人で抱え込まず、ぜひ私たちのような専門家にご相談ください。適切な税務計画を立てれば成功を確かなものにする第一歩になるでしょう。
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