「同じ規模の会社の社長は、年収をいくらにしているのだろう」
会社が安定して黒字になると、気になる方も多いのではないでしょうか。
会社が安定して黒字になると、社長自身の年収を見直したいと考える場面があります。ただし、年収を上げても、増えた分がそのまま手取りになるわけではありません。所得税や住民税、社会保険料の負担も増えるためです。
また、社長の年収は平均額だけで決められるものではありません。会社の利益、資金繰り、借入返済、今後の投資予定なども踏まえて、無理のない金額を検討する必要があります。
この記事では、公表されている統計や調査資料をもとに、中小企業の社長の年収相場を整理します。あわせて、年収別の手取り目安、役員報酬の決め方、年収を上げる際の判断基準も解説します。
額面年収だけでなく、税金や社会保険料を差し引いた手取り、会社に残す資金、将来の資産形成まで含めて考える際の参考にしてください。
中小企業の社長の年収相場
中小企業の社長の年収は、調査によって対象者が異なるため注意が必要です。社長に限定した民間調査と、役員全体を対象とする国税庁統計を分けて確認すると、年収相場を把握しやすくなります。
ここでは、次の2つの資料をもとに相場を見ていきます。
- 社長に限定した民間調査
- 役員全体を対象とする国税庁統計
2024年調査では社長の平均報酬総額は1,998万円
社長に限定した民間調査では、平均報酬総額は1,998万円です。ここでいう報酬総額は、毎月の報酬12か月分と年間賞与を合わせた金額を指します。
日本実業出版社が2024年6月に実施した調査の概要は、次のとおりです。
| 調査年 | 対象企業 | 社長の人数 | 平均報酬月額 | 平均報酬総額 |
| 2024年 | 中小企業176社 | 121名 | 149.7万円 | 1,998.0万円 |
※各項目は回答額ごとの平均です。平均月額の12か月分に平均賞与を足しても、平均報酬総額とは一致しません。
回答企業の業種は、製造業、卸・小売業、サービス業などが中心です。従業員数は21〜50名、資本金は5,000万円〜1億円未満の会社が最も多く、176社のうち154社は前年度の決算が黒字でした。
そのため、この平均額は全国すべての社長を対象としたものではありません。あくまで、一定の中小企業を対象とした調査結果として参考にしましょう。
参照:日本実業出版社『「役員報酬・賞与・退職金」「各種手当」中小企業の支給相場 2025年版』
国税庁統計は社長ではなく役員全体の平均
国税庁の「令和7年分民間給与実態統計調査」では、企業規模別に役員の平均給与を確認できます。
令和7年分の統計では、株式会社全体の役員の平均給与は約854万円です。企業規模別に見ると、資本金2,000万円未満の株式会社では約691万円、資本金2,000万円以上の株式会社では約992万円、資本金5,000万円以上の株式会社では約1,271万円となっています。
| 企業規模 | 役員の平均給与 |
| 資本金2,000万円未満の株式会社 | 約691万円 |
| 資本金2,000万円以上の株式会社 | 約992万円 |
| 資本金5,000万円以上の株式会社 | 約1,271万円 |
| 資本金1億円以上の株式会社 | 約1,432万円 |
| 資本金10億円以上の株式会社 | 約1,683万円 |
| 株式会社計 | 約854万円 |
ただし、ここでいう「役員」は社長だけではありません。取締役や監査役なども含まれるため、社長に限定した平均年収ではなく、役員全体の給与水準として見る必要があります。
社長年収を決める際は、この統計だけで判断せず、会社の利益、資金繰り、社長の職務内容、同業同規模の水準をあわせて確認しましょう。
参照:国税庁「令和7年分民間給与実態統計調査」第6表・第7表
利益別に見る中小企業の社長の年収の考え方
中小企業の社長の年収は、売上だけでは判断できません。同じ売上でも、利益率、借入金の返済額、在庫や設備投資に必要な資金は会社によって異なるためです。
そのため、社長年収を検討するときは、売上規模よりも、会社にどれだけ利益と資金余力があるかを確認することが重要です。ここでは、利益水準ごとの考え方を整理します。
| 会社の利益状況 | 年収を決める考え方 | 確認するポイント |
| 赤字または利益が少ない | 社長個人の生活費と会社の資金繰りを優先して、無理のない金額にする | 生活費、社会保険、借入返済、運転資金 |
| 利益500万円未満 | 会社に資金を残す必要性が高いため、年収を上げすぎない | 納税資金、資金ショートの可能性、翌期の見込み |
| 利益500万円〜1,000万円程度 | 社長の生活費を確保しつつ、会社に残す資金とのバランスを取る | 手取り額、会社負担の社会保険料、設備投資予定 |
| 利益1,000万円〜3,000万円程度 | 年収1,000万円超も検討しやすいが、手取り増加額を試算する | 所得税率、住民税、社会保険料、法人税との比較 |
| 利益3,000万円超 | 高めの役員報酬も検討できるが、法人に残す資金や将来の退職金も考える | 役員退職金、法人保険、配当、事業承継資金 |
| 利益1億円超 | 役員報酬だけでなく、退職金・配当・法人留保を含めた設計が重要 | 法人と個人の税引後資産、相続、自社株評価 |
利益が出ている会社ほど、社長年収を上げる余地は大きくなります。ただし、利益をすべて役員報酬として受け取ると、会社に残る資金が少なくなります。
社長年収を決める際は、当期の利益だけでなく、納税、借入返済、設備投資、将来の退職金準備まで含めて検討しましょう。
中小企業の社長の年収を左右する要素
平均年収は、社長の報酬額を考えるうえでの目安になります。ただし、自社に合う年収は平均額だけでは決まりません。
社長年収を決める際は、会社の支払余力、同業同規模の水準、社長が担う職務内容を確認することが重要です。
- 会社利益が支払余力を確認する
- 同業同規模の水準が比較基準になる
- 職務内容が適正額の根拠になる
会社利益が支払余力を確認する
社長の年収を決める際は、売上だけでなく会社の利益や資金繰りを確認します。役員給与を支払う前の利益に加え、借入金の返済や納税、今後の投資に必要な資金も考慮しましょう。
こうした支出を踏まえて、会社が無理なく支払える役員給与を検討します。役員給与の水準は、「売上の何%」という一律の基準では決められません。
同業同規模の水準が比較基準になる
比べる相手は、業種と規模が近い会社です。同じ売上でも、業種によって利益率や必要な運転資金は異なります。設備投資が多い業種では、会社に確保しておく資金も多くなる場合があります。
比較する際は、業種・資本金・従業員数・利益規模などを確認しましょう。条件が近い会社の役員給与は、報酬額の妥当性を検討する材料になります。
職務内容が適正額の根拠になる
報酬額の妥当性を判断する要素の一つが、社長が担う職務の内容です。役員給与のうち不相当に高額な部分は、法人税の計算上、損金に算入されません。
税務上も、役員給与のうち不相当に高額な部分は、法人税の計算上、損金に算入されません。役員給与が不相当に高額かどうかは、職務内容、会社の収益、従業員給与、同業種・同規模の会社の役員給与などを踏まえて判断されます。
定款や株主総会などで役員給与の支給限度額を定めている場合は、その限度額も確認が必要です。平均額だけでなく、自社の職務内容や収益状況などを踏まえて報酬額を決めることが重要です。
中小企業の社長の年収別手取り目安
社長の年収は、額面だけでなく、税金や社会保険料を差し引いた手取りで確認することが重要です。
年収が上がると、所得税や住民税の負担は増える傾向があります。一方で、健康保険や厚生年金には標準報酬月額の上限があるため、社会保険料は年収に比例して増え続けるわけではありません。
ここでは、年収1,000万円、1,500万円、2,000万円、3,000万円の場合の手取り目安を確認します。
年収別手取り額は前提条件で変わる
年収が上がるほど、所得税などの負担割合は高くなる傾向があります。一方、健康保険や厚生年金には標準報酬月額の上限があります。なお実際の手取り額は、扶養家族の有無、居住地、加入している健康保険、賞与の有無、各種所得控除などによって変わります。
| 年収 | 所得税 | 住民税 | 社会保険料 | 概算手取り額 | 税・社会保険料負担率 |
| 1,000万円 | 約82万円 | 約64万円 | 約129万円 | 約725万円 | 約27% |
| 1,500万円 | 約208万円 | 約111万円 | 約160万円 | 約1,021万円 | 約32% |
| 2,000万円 | 約374万円 | 約160万円 | 約169万円 | 約1,298万円 | 約35% |
| 3,000万円 | 約791万円 | 約264万円 | 約169万円 | 約1,776万円 | 約41% |
※試算条件:2026年分の所得税(復興特別所得税を含む)、40〜64歳、扶養なし、東京都在住、協会けんぽ(東京支部)と厚生年金に加入、賞与なしの毎月定額支給。社会保険料は、健康保険(9.85%)、介護保険(1.62%)、厚生年金(18.3%)、子ども・子育て支援金(0.23%)の本人負担分(各料率の半分)です。令和8年度の料率を年間通じて適用した概算です。所得控除は基礎控除と社会保険料控除のみとし、住民税は同じ年収が続いた場合の概算です。端数処理などにより、実際の金額とは異なる場合があります。
表のとおり、年収が高くなるほど、税金と社会保険料を差し引いた後の手取り割合は下がる傾向があります。年収3,000万円では、額面の約4割が税金と社会保険料の負担となります。
所得税は累進税率で増える
所得税は、課税所得が増えるほど高い税率が段階的に適用されます。税率は5%から45%まで、7段階です。税率をかける対象は、年収そのものではありません。年収から給与所得控除や各種の所得控除を差し引いた「課税所得」です。
年収が1,000万円、1,500万円、3,000万円と上がるにつれて、課税所得の一部に適用される税率も高くなります。そのため、年収を上げても、増えた金額がそのまま手取りになるわけではありません。
なお、給与所得控除は、年収850万円超で195万円が上限です。また、2026年分の所得税では、合計所得金額が655万円超2,350万円以下の場合の基礎控除は62万円です。一方、合計所得金額が2,500万円を超える場合、基礎控除は受けられません。
社会保険料は上限額を確認する
社会保険料は、標準報酬月額をもとに計算されます。標準報酬月額とは、毎月の報酬を一定の幅で区分した金額です。
2026年時点では、協会けんぽの健康保険の標準報酬月額は月139万円が上限です。厚生年金の標準報酬月額は月65万円が上限です。
そのため、一定以上の年収になると、社会保険料の本人負担額は増えにくくなります。ただし、会社側も社会保険料を負担するため、社長の年収を決める際は、本人の手取りだけでなく、会社負担分も確認することが重要です。
なお、厚生年金の標準報酬月額の上限は、今後段階的に引き上げられる予定です。2027年9月に68万円、2028年9月に71万円、2029年9月に75万円となるため、将来の社会保険料負担も確認しておきましょう。
年収を上げたときの手取り増加額も確認する
社長年収を上げても、増えた額がそのまま手取りになるわけではありません。所得税、住民税、社会保険料の負担も増えるためです。
たとえば、年収を500万円上げた場合でも、手取りの増加額は500万円より少なくなります。年収を上げるかどうかは、額面ではなく、手取りの増加額で判断することが重要です。
| 年収の変更 | 額面の増加額 | 概算手取りの増加額 | 手取り増加割合 |
| 1,000万円 → 1,500万円 | 500万円 | 約296万円 | 約59% |
| 1,500万円 → 2,000万円 | 500万円 | 約277万円 | 約55% |
| 2,000万円 → 3,000万円 | 1,000万円 | 約478万円 | 約48% |
※上記は前章の試算条件をもとにした概算です。実際の手取り増加額は、扶養家族の有無、居住地、加入している健康保険、賞与の有無、各種所得控除などによって変わります。
たとえば、年収を1,500万円から2,000万円に上げると、額面では500万円増えますが、概算手取りの増加額は約277万円です。増額分のすべてが手元に残るわけではありません。
また、社長年収を上げると、会社側では役員報酬の支払額に加えて、会社負担分の社会保険料も増えます。一方で、要件を満たして役員報酬が損金に算入される場合は、法人税等の負担が軽くなることもあります。
そのため、社長年収を見直す際は、次の3点をあわせて確認しましょう。
| 確認項目 | 確認する内容 |
| 社長個人の手取り | 年収を上げた結果、実際に手取りがいくら増えるか |
| 会社の資金繰り | 役員報酬と会社負担の社会保険料を支払っても、運転資金や納税資金に無理がないか |
| 法人・個人の税負担 | 法人側の損金算入効果と、個人側の所得税・住民税・社会保険料の負担を比較できているか |
額面年収だけを見ると、年収を上げた方が有利に見える場合があります。しかし、税金や社会保険料を差し引いた後の手取り、会社に残る資金、将来の資産形成まで含めて比較することが重要です。
中小企業の社長の年収を決める手順
社長の年収は、個人に必要な手取り額と会社の資金状況の両方から決めるのが基本です。先に希望年収だけを決めると、会社に必要な資金が不足したり、税務上の手続きが遅れたりする可能性があります。
次の順番で確認すると、自社に合う金額を検討しやすくなります。
- 必要な手取り額を確認する
- 会社に残す資金を先に決める
- 期首3か月以内に金額を決める
必要な手取り額を確認する
最初に確認するのは、1年間に必要な手取り額です。生活費や住宅費、子どもの教育費などを書き出します。毎年、資産形成に回したい金額も加えておきましょう。
必要な手取り額がわかれば、税金や社会保険料を踏まえて額面の目安を逆算できます。個人に必要な金額と、会社の支払余力の両方を確認して調整することが重要です。
会社に残す資金を先に決める
役員給与を決める前に、会社に必要な資金を見積もります。主な項目は、次のとおりです。
- 運転資金(仕入れや人件費の支払いに使うお金)
- 法人税などの納税資金
- 借入金の返済資金
- 設備投資に必要な資金
- 業績が悪化した場合に備える資金
役員給与を支払った後も、事業に必要な資金を確保できるか確認しましょう。
期首3か月以内に金額を決める
毎月定額で支払う役員給与(定期同額給与)は、改定できる時期に税務上のルールがあります。原則として、事業年度開始の日から3か月以内に改定します。
一定の理由がないまま期中に役員給与を変更すると、変更後の給与の一部が損金に算入されない場合があります。たとえば、役員の職務内容に重大な変更があった場合や、業績が著しく悪化した場合などは例外的に変更が認められることがありますが、個別の要件確認が必要です。
役員給与を変更する際は、会社法や定款に従って必要な決議を行い、株主総会議事録や取締役会議事録などの記録を残しておきましょう。
期首を迎える前から利益や資金繰りを試算し、役員給与を検討しておくことが重要です。
中小企業の社長の年収を上げる判断基準
中小企業の社長の年収を上げるかどうかは、額面の金額だけでは判断できません。手取りの増加額と資産に回せる金額まで比べることが大切です。
年収を上げる前に、次の3点を確認しましょう。
- 増額後の手取り増加額を試算する
- 年間の資産形成可能額を比較する
- 利用可能な所得税対策を確認する
増額後の手取り増加額を試算する
増額を考えるときは、手取りがいくら増えるかを確認します。手取りは、所得税・住民税・社会保険料を差し引いた金額です。年収案は、1つではなく複数用意しておきましょう。同じ条件で複数の案を比べると、判断の根拠が明確になります。
年間の資産形成可能額を比較する
年収が高くても、年間支出が多ければ資産に回せる金額は少なくなります。資産形成可能額は、手取りから年間支出を差し引いて確認します。
| 事例 | 額面年収 | 概算手取り | 年間支出 | 資産形成可能額 |
| 社長A | 2,000万円 | 約1,298万円 | 1,200万円 | 約98万円 |
| 社長B | 1,500万円 | 約1,021万円 | 800万円 | 約221万円 |
※手取りは上の試算条件と同じで、年間支出は仮定の金額です。
社長Aの年収は、社長Bより500万円高くなっています。一方、年間支出を差し引くと、資産に回せる金額は社長Bのほうが多くなります。額面年収だけでなく、毎年資産形成に回せる金額も確認しましょう。
利用可能な所得税対策を確認する
所得税の負担を考慮して、報酬額を決めている社長もいます。報酬額を検討する際は、利用できる所得控除も確認しましょう。
iDeCo(個人型確定拠出年金)や小規模企業共済の対象となる掛金は、一定の要件を満たせば全額が所得控除の対象です。その分、課税所得が少なくなり、所得税や住民税の負担軽減につながります。
ただし、加入資格や掛金の上限などは制度ごとに異なります。
また、上記以外にも様々な所得税対策の方法がありますので、もしご興味をお持ちであれば当社担当との無料面談もご活用ください。
また、報酬を見直す前提として、会社の利益や資金繰りも確認しましょう。
社長の収入は役員報酬だけで考えない
中小企業の社長の収入は、毎月の役員報酬だけで決める必要はありません。会社の状況によっては、配当、役員退職金、法人に資金を残す方法も含めて検討します。
| 選択肢 | 主な特徴 | 確認するポイント |
| 役員報酬 | 毎月の収入として受け取りやすく、一定の要件を満たせば法人側で損金算入できる | 定期同額給与、支給時期、金額の妥当性、社会保険料 |
| 配当 | 株主として利益の分配を受ける方法。社会保険料の対象外となる一方、法人側では損金にならない | 配当可能利益、所得税・住民税、配当控除、資金繰り |
| 役員退職金 | 退職時にまとまった資金を受け取る方法。適正額であれば法人側で損金算入できる場合がある | 退職の事実、支給額の妥当性、退職所得課税、資金準備 |
| 法人に資金を残す | 会社の運転資金や投資資金を確保しやすい | 借入返済、設備投資、事業承継、自社株評価 |
役員報酬を増やすと、社長個人の収入は安定します。一方で、所得税・住民税・社会保険料の負担が増えるため、一定以上の年収では手取りの伸びが鈍くなります。
配当は社会保険料の対象外となる点がメリットですが、法人側では損金になりません。非上場株式の配当は原則として総合課税の対象となるため、社長個人の他の所得とあわせて税負担を確認する必要があります。
役員退職金は、退職後の生活資金を準備する方法として有効です。また役員報酬に比べ所得税負担が軽くなりやすいため、非常に重要です。ただし、退職の事実や支給額の妥当性を確認しないと、税務上問題になる場合があります。
社長年収を決める際は、毎月の役員報酬だけでなく、配当、退職金、法人に残す資金まで含めて、法人と個人の税引後資産を比較しましょう。
役員退職金についてはこちらの記事もご参考ください。
中小企業の社長の年収のNGな決め方
社長の年収は、希望額や過去の給与だけで決めるものではありません。よくあるNGな決め方は、次の3つです。
- 生活費だけを基準にする
- 前職の年収をそのまま使う
- 根拠なく年収を0円にする
生活費だけを基準にする
生活費だけで年収を決めると、会社の実態と合わない場合があります。利益が少ない年には、会社の資金繰りを圧迫する可能性もあります。必要な手取り額だけでなく、会社の利益や支払余力もあわせて確認しましょう。
前職の年収をそのまま使う
会社員時代の年収をそのまま社長の年収にするのも適切とは限りません。会社の規模や利益、社長として担う職務の内容が前職とは異なるためです。前職の年収は、参考情報の一つとして扱いましょう。
根拠なく年収を0円にする
創業期や業績が厳しい時期には、役員報酬を0円にするケースもあります。役員報酬を0円にすること自体が、直ちに税務上の問題になるわけではありません。
ただし、社長個人の生活資金をどう確保するかは確認が必要です。長期間0円のままにすると、生活費を個人の貯蓄で補う状態が続いたり、会社の状況が改善しても報酬見直しのタイミングを逃したりする可能性があります。
また、社会保険の取扱いにも注意が必要です。法人役員が健康保険や厚生年金の被保険者となるかは、法人への労務提供の実態や、労務の対価として報酬を受けているかなどを踏まえて判断されます。
役員報酬を0円にする場合は、会社の資金状況、社長個人の生活資金、社会保険の取扱いを確認したうえで判断しましょう。創業期などで一時的に0円にする場合でも、会社の利益や資金繰りに応じて定期的に見直すことが重要です。
中小企業の社長年収に関するよくある質問
中小企業の社長年収は1,000万円を超えると高いですか?
年収1,000万円を超えること自体が、直ちに高すぎるわけではありません。
社長年収が妥当かどうかは、会社の利益、資金繰り、社長の職務内容、同業同規模の水準、従業員給与とのバランスを踏まえて判断します。
ただし、利益や資金繰りに余裕がない会社で社長年収だけを高くすると、納税資金や運転資金が不足する可能性があります。金額だけでなく、会社が無理なく支払えるかを確認しましょう。
社長年収は売上の何%で決めればよいですか?
社長年収を、売上の一定割合だけで決めるのはおすすめできません。
同じ売上でも、業種やビジネスモデルによって利益率、借入返済、必要な運転資金、設備投資の金額は異なります。
社長年収は、売上ではなく、利益、資金繰り、借入返済、今後の投資予定、社長個人に必要な手取り額を踏まえて決めましょう。
社長の年収を0円にしてもよいですか?
役員報酬を0円にすること自体が、直ちに税務上の問題になるわけではありません。
ただし、社長個人の生活資金をどう確保するか、社会保険の取扱いに問題がないか、会社への労務提供の実態と報酬の関係に不自然な点がないかは確認が必要です。
創業期などで一時的に0円にする場合でも、長期間放置せず、会社の利益や資金繰りに応じて見直しましょう。
役員報酬はいつ変更できますか?
毎月定額で支払う役員報酬は、原則として期首から3か月以内に改定します。
一定の理由がないまま期中に変更すると、変更後の給与の一部が損金に算入されない場合があります。
役員報酬を変更する際は、株主総会や取締役会などで必要な決議を行い、議事録を残しておきましょう。変更の時期や金額に不安がある場合は、事前に税理士へ相談することが重要です。
中小企業の社長の所得税対策なら税理士法人ネイチャー
社長の年収は、所得税だけでなく、住民税や社会保険料、会社に残す資金、将来の資産形成まで含めて検討することが重要です。
税理士法人ネイチャーは、社長さまのパートナーとして役員報酬に対する所得税対策、経営されている法人の決算対策、将来の事業承継や相続税対策など、様々な対策提案を専門に行う税理士法人です。
当社は法人の顧問業務を承っていないため、現在の顧問税理士との関係を維持したまま、所得税対策や決算対策、相続税対策についてスポットでご相談いただけます。もしなにかご相談があられる場合は、無料の個別相談をご利用ください。
まとめ:中小企業の社長の年収は相場より手取りで判断しよう
2024年の民間調査では、回答企業の社長の平均年収は約2,000万円でした。ただし、平均額はあくまで目安で、自社に合う年収は会社の利益や資金状況、職務内容によって異なります。
所得税対策や決算対策等を検討したい方は、税理士法人ネイチャーへご相談ください。無料個別相談をご利用いただけます。
資産運用や税金対策についてどんな不安や疑問もコンサルタントが丁寧にお答えします。
お客様の保有資産をさらに増やすための最適な提案を数多くの選択肢からご提供します。
豊富な経験と、投資や税務の様々な視点から、お客様にあった税金対策を提案します。
相続税の不安やお悩みに、専門チームが最適な対策をご提案します。



