ヘッジファンドは、高いリターンを狙える投資商品だと富裕層や投資家から注目を集めています。しかし、一方で「失敗した」という声があるのも事実です。
そこでこの記事では、ヘッジファンドはおすすめしないと言われる理由やよくある失敗パターンを紹介します。さらに、怪しい業者の特徴も紹介するので、この記事を読めば騙される可能性も低くなるでしょう。
また、失敗しないためのポイントについても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
ヘッジファンドはおすすめしないと言われる6つの理由
ヘッジファンドは高い利回りを狙える投資商品にもかかわらず、以下のようなおすすめしないと言われる理由があります。
- 出回る情報が少ない
- 商品内容が複雑で難しい
- 最低入金額が1,000万円と高い
- 手数料が高い
- 好きなタイミングで現金化できない
- 詐欺案件や被害の報告が相次いでいる
それぞれの詳細を見ていきましょう。
出回る情報が少ない
ヘッジファンドは出回る情報が少なく、判断の難しさがおすすめしない理由として挙げられます。
日本のヘッジファンドは私募が多く、公募の投資信託とは異なり、運用方針や投資先の詳細をまとめた目論見書をオープンにする義務がありません。
そのため、出回っている情報が少なく、投資すべきかどうかの判断がしづらいのでおすすめしないと判断している方もいるようです。
商品内容が複雑で難しい
ヘッジファンドに批判的な声があるのは、商品内容が複雑で難しいことも原因です。
たとえば、ヘッジファンドの投資戦略には以下のようなものがあります。
- ロング・ショート
- イベント・ドリブン
- トレンド・フォローなど
いずれも知っているという方は少ないでしょう。
さらに、ヘッジファンドは以下のような幅広い商品に投資し、収入の仕組みが複雑でわかりにくいものもあります。
- 農産物
- 金・銀
- 鉱物など
また、ヘッジファンドには短期間で高い利回りを期待できるものから、時間をかけて利益を出すものまでさまざまです。もし、短期間で高い利回りが出せると思い込んでいると失敗する可能性があります。
このように、ヘッジファンドには戦略が多数あり、商品内容も複雑なので批判的な意見がなくなりません。
最低入金額が1,000万円と高い
ヘッジファンドは、最低入金額が1,000万円と高く、人によっては投資するのは非常にリスクが高いといえるでしょう。
そもそも、投資初心者やそれほど資産が多くない方にとって、1,000万円はハードルが高すぎます。そのため、万人に向いている投資先ではなく、一部批判的な声が上がっているのも事実です。
手数料が高い
手数料の高さもおすすめしないと言われる原因です。ヘッジファンドには、管理報酬と成功報酬がかかります。
- 管理報酬:資産を管理してもらうために支払う手数料
- 成功報酬:目標を達成した際に支払う手数料
一般的に管理報酬は2%、成功報酬は20%です。資産運用する際は手数料が低いほうが利益を残せるので、ほかの投資手法と比較して手数料の高いヘッジファンドには批判的な声が上がることがあります。
好きなタイミングで現金化できない
ヘッジファンドは、好きなタイミングで現金化できないという制約があります。
株式投資や投資信託は証券会社の営業時間内なら自由に現金化が可能ですが、ヘッジファンドはロックアップ期間により制限を受けます。
ロックアップ期間は、資産を動かせない期間のことです。すぐさま現金化できないのは、換金性に乏しく、ネガティブな評価を受けてしまいます。さらに、解約しても着金までに1〜2か月ほどかかるケースもあり、すぐに現金化したい方は利用しにくいでしょう。
詐欺案件や被害の報告が相次いでいる
ヘッジファンドは詐欺案件や被害の報告が相次いでおり、否定的な意見があります。
最低購入金額が1,000万円だとお伝えしましたが、これを持ち逃げされたらかなりの痛手でしょう。
実際にインターネットなどで調べると事例が見つかります。
近年大きな話題になった例として、エクシア合同会社が挙げられます。高金利をうたい多額の資金を集めたものの、適切な運用はなされず実際は自転車操業で、集めたお金は代表が持ち逃げしたようです。
自分が被害者にならないためにも、ヘッジファンドを利用する場合は詐欺業者に注意する必要があります。
おすすめできない怪しいヘッジファンドの特徴3選
以下のような特徴を持つヘッジファンドは、非常に怪しいので利用は控えたほうがよいでしょう。
- 元本保証を謳っている
- 最低入金額が安い
- 友人紹介キャンペーンがある
騙されたくないなら近づかないのが賢明です。以下で詳しく解説します。
元本保証を謳っている
元本保証を謳っているヘッジファンドは、怪しい業者として挙げられる特徴の筆頭です。ヘッジファンドは、あらゆる局面で利益を出せるように努めてくれますが、決して元本保証ではありません。
そもそも、投資には大なり小なりリスクがあるものです。元本保証という言葉は、詐欺師たちが初心者を騙すための常套文句なので、鵜呑みにしないように注意しましょう。
最低入金額が安い
ヘッジファンドの最低入金額は1,000万円とお伝えしましたが、金額が安いところにも注意が必要です。
たしかに、最低入金額が100万〜200万円で利回りもよければ、投資したくなる気持ちもわかります。しかし、低価格のヘッジファンドは詐欺の可能性があり、利用は避けたほうがよいでしょう。
実際、日本で起きたヘッジファンドのある詐欺案件のケースでは最低入金額が100万円でした。より多くの人から出資してもらうための常套手段なので、安さを真に受けないようにしましょう。
友人紹介キャンペーンがある
友人紹介キャンペーンを実施している場合も、非常に怪しいといえます。詐欺師たちは、より多くの投資家を募ることで多額の資金を集めます。
そこで、友人紹介キャンペーンがあれば投資家が新たなターゲットを連れてきてくれるので、詐欺師たちからしたら労力もかからずお金が集まる一石二鳥状態です。
友人紹介キャンペーンを行っているヘッジファンドがあったら、近づかないように気をつけてください。
ヘッジファンドでよくある失敗パターン・事例6選
ヘッジファンドでよくある失敗パターン・事例は、以下のとおりです。
- 詐欺案件に投資してしまったケース
- ヘッジファンドランキングを鵜呑みにしたケース
- 余剰資金を超えて投資していたケース
- ヘッジファンド自体が損失を出してしまったケース
- 損失に焦って短期で解約してしまったケース
- 利回りのみでヘッジファンドを選んでしまったケース
同じ失敗をして大金を失いたくないなら、しっかり目を通しておきましょう。
詐欺案件に投資してしまったケース
よくある失敗として、詐欺案件に投資してしまったケースがあります。詐欺案件に投資すれば、当然ですがいずれ運用は破綻します。
近年、詐欺案件は巧妙化しており、見分けがつきにくくなっているのでかなり慎重に判断しなければなりません。
たとえば、以下の言葉が出た場合は詐欺の可能性が高いので注意が必要です。
- 元本保証
- 毎月必ず配当がもらえる
- 必ず儲かる
- 友人や知人を紹介してくれたら紹介料を払うなど
ヘッジファンドも投資手法の一つであり、リスクがあります。「絶対に」「必ず」といった言葉を使ってくる場合は不審感を持ち、決して近づいてはいけません。
ヘッジファンドランキングを鵜呑みにしたケース
よくある失敗として、ヘッジファンドランキングを鵜呑みにしたケースもあります。近年、信ぴょう性のある口コミサイトを装ってランキングを作成し、投資家を集める手口がみられます。
もちろん、そのランキングは中立的な立場から作成されたものではないため、信頼性はありません。しかし、これを鵜呑みにして大金を失う人が続出しているのです。
「ヘッジファンドランキングを参考にしてはいけない」とは言いませんが、鵜呑みにするのは危険でしょう。
余剰資金を超えて投資していたケース
余剰資金を超えて投資してしまい、失敗したケースもよくみられます。
たとえば、ヘッジファンドにはロックアップ期間があるので、急にまとまったお金が必要になってもすぐに現金化はできません。
このときに、余剰資金で投資していれば問題ありませんが、仮に生活費などほかで必要なお金も投資していた場合は資金が足りなくなってしまいます。
そもそも、資産運用は余剰資金で行うのが基本です。リスクを取り過ぎれば失敗につながるので、投資は余剰資金で行うとよいでしょう。
ヘッジファンド自体が損失を出してしまったケース
ヘッジファンド自体が損失を出してしまったケースもよくある失敗です。投資にリスクはつきもので、いかに運用のプロといえど市場予測を的中させることは容易ではありません。そのため、大きな損失を出すこともあります。
詐欺など悪質なケースではありませんが、ヘッジファンドには運用戦略ごとに特有のリスクが存在するので、投資家は最悪のケースも頭の片隅に置いておく必要があるでしょう。
損失に焦って短期で解約してしまったケース
よくある失敗として、損失に焦って短期で解約してしまったケースもあります。とくに、投資初心者によくありますが、含み損が出ただけで焦って解約することがあります。
しかし、長期運用が前提の場合、運用開始直後に含み損が出ても、長期的には回復する可能性があり、焦って短期で解約するのは得策ではありません。
ヘッジファンドを運用すると決めたら、ある程度の含み損を受け止める覚悟も必要でしょう。
利回りのみでヘッジファンドを選んでしまったケース
ヘッジファンドを利回りのみで選んで失敗したケースもよくみられます。
たとえば、運用方法を確認しないまま期待利回りの数値だけで判断して騙されてしまったという事例もあります。また、詐欺師ではなくても経営体制がしっかりしていないと破綻するかもしれません。
そのため、ヘッジファンドを選ぶときは、利回りだけではなく安全性や信頼性、運用方針なども考慮しましょう。
ヘッジファンドで失敗しないための4つのポイント
ヘッジファンドで失敗を防止するポイントは、以下の4つです。
- 必ず余剰資金で資産運用する
- リスクヘッジを適切にする
- 事前に運用ルールを定める
- 信頼できるヘッジファンドを見つける
成功する確率を上げるために、4つのポイントを押さえておきましょう。
必ず余剰資金で資産運用する
ヘッジファンドで失敗したくないなら、必ず余剰資金で資産運用してください。生活費と生活防衛資金は確保した状態で始めます。
たとえば、事故や入院など突発的にお金が必要になったとき、生活費や生活防衛資金の枯渇でヘッジファンドを解約せざるを得なくなります。そして、短期で解約すれば損をする可能性もあるでしょう。
そもそもロックアップ期間があるので、急な支出に対してお金を用意できないかもしれません。1,000万円を運用しているのに生活は困窮しているというよくわからない状況を避けるためにも、余剰資金で行いましょう。
リスクヘッジを適切にする
ヘッジファンドに投資するのであれば、リスクヘッジを適切に行いましょう。リスクヘッジとは、リスクを予測して対応できるように備えておくことです。
たとえば、ヘッジファンド単体ではなく、複数の商品を選んで組み合わせることでリスクヘッジを行うとよいでしょう。
どれくらいのリスクなら取れるのか慎重に見極め、攻めと守りのバランスを考慮してリスクヘッジしながら運用すると大きな失敗を避けられます。
事前に運用ルールを定める
ヘッジファンドで失敗したくないなら、事前に運用ルールを定めておくのも有効です。
たとえば、以下のような運用ルールを設定するとよいでしょう。
- 最低5年以上は運用する
- 目標金額に到達した時点で解約する
- 定年退職などのライフイベントに合わせて解約するなど
事前に運用ルールを定めておくと、精神的に安定して運用を続けられます。上記以外のルールでもかまいませんので、投資する前に考えてみてください。
信頼できるヘッジファンドを見つける
失敗したくないなら、信頼できるヘッジファンドを見つけましょう。
大前提として、先ほど紹介した「元本保証を打ち出している」「紹介キャンペーンを行っている」といったところは避けるのが賢明です。
信頼できるヘッジファンドを見つけるためには、以下のポイントに着目してみてください。
- 最低運用金額
- 運用歴の長さ
- 運用実績
- 運用手法のリスク
- ロックアップ期間など
とはいえ、どこなら信頼できるのか判断するのは容易ではありません。
そこで、資産運用に長けた専門家への相談も検討してみてください。相談することで、あなたに適した資産運用ができるでしょう。
ヘッジファンドをおすすめできる人
ヘッジファンドをおすすめできる人の特徴は、以下のとおりです。
- 資金に余裕がある
- 投資経験が豊富にある
- 情報収集能力に自信がある
- メンタルが安定している
ヘッジファンドは、最低入金額が1,000万円であるため、資金に余裕がある人に向いています。さらに、出回っている情報が少ないので、投資経験が豊富な人や、情報収集能力に自信がある人にも向いているでしょう。
また、ヘッジファンドも投資の一つであり、含み損が発生することもあります。そのため、精神的に安定している人におすすめです。
ヘッジファンドをおすすめできない人
ヘッジファンドをおすすめできない人の特徴は、以下のとおりです。
- 特徴を理解していない
- リスクを把握していない
- 投資の計画を立てていない
ヘッジファンドは、あらゆる場面で利益を出すことを目的としていますが、必ず利益が出るとは限りません。このリスクを把握していない方は、怒ってすぐに解約するなど正しい選択を取れなくなるため、向いていません。
また、投資の計画を立てていない人にも向いていないでしょう。具体的な目標やしっかりした計画がないままヘッジファンドを始めても、失敗する可能性が高いです。
関連記事:ヘッジファンド投資をわかりやすく!仕組みや投資方法を解説
まとめ:ヘッジファンドは信頼できる業者を見つけられるかが失敗しないカギ
ヘッジファンドは、おすすめしないと言われる理由がいくつかありますが、信頼できる業者を見つけられれば成功する可能性もあります。
しかし、信頼できる業者を見つけるのは簡単ではありません。そこで、ヘッジファンドで失敗したくないなら、専門家への相談も検討しましょう。
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